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戦隊回顧録36 [特撮研究]

戦隊長官のおまけ話のつもりで記した長官を演じた俳優についての後編。前回はターボレンジャーまで述べたが、今回はジェットマンから。(今回も俳優さんの敬称は省略させていただきます。)

ジェットマンからは「第三期」と言うことが出来る。この時期は「戦隊」とは別の東映作品に出演していた人が長官役に起用されているのである。つまり、出世して戦隊にやって来たということになる。

ジェットマンは三輝みきこ(「花のあすか組!」)、ジュウレンジャーは多々良純(「宇宙刑事ギャバン」)、ダイレンジャーは中康治(「スケバン刑事」)、オーレンジャーは宮内洋(「ゴレンジャー」「仮面ライダーV3」「快傑ズバット」)、メガレンジャーは斉藤暁(「うたう!大龍宮城」)が長官を演じた。括弧内が戦隊長官になる前の東映作品の出演作品である。

この時期になると、戦隊も誕生から15年以上が経過していて、すっかり定着したものになっていた。長官を演じてもらうとなると1年間の拘束ということになるが、貫禄のあるベテラン俳優を起用するとなると色々と困難が出てきたこともあり、新たな方法が必要となった。このパターンは「ジェットマン」の前に試みられていて、「ライブマン」で行われている。科学アカデミアの星博士(演ずるは「キカイダー」「イナズマン」「バトルフィーバーJ」の伴直哉)がライブマンの礎を築いたが、第1話のボルトの襲撃で死んでしまった。(よって、「ライブマン」の長官となったのはサポートロボのコロンということになる。)

尚、この期間に「カクレンジャー」(長官相当は坂本あきら)も含まれることになるが、彼の場合はこのパターンには当てはまらない。そのためなのかどうかは不明であるが、長官的な役割を果たすサポータというような役回りであった。

尚、「オーレンジャー」の宮内洋については、かつての戦隊メンバーが長官に昇格したというようにも解釈でき、戦隊シリーズの歴史を感じるキャスティングでもあった。

これに続いて「第四期」となる。しかし、ここは一定のパターンがあるという訳ではなく、試行錯誤の繰り返しという混迷期であるといえる。

この期間は、ゴーゴーファイブはマイク眞木、ガオレンジャーは岳美、ハリケンジャーは西田健、アバレンジャーでは阿部薫(長官と言うよりも長官的な立場であった)、がそれぞれ長官を務めている。

マイク眞木は「バラが咲いた」という曲のヒットで知られているが、俳優としては特に活動していたわけではない。ゴーゴーファイブが兄弟戦隊(男4人、女1人)ということと、マイク自身が5人の子供の父親(男4、女1)ということが一致していることからの起用になったと思われる。(41話に息子(長男)の真木蔵人がゲスト出演しているのは唸らせるキャスティングでした。)続く、岳美も俳優としてのキャリアが特にある訳ではなく、強いて言うと、「タイムレンジャー」の第1話で時間保護局の局員として出演している程度である。更に、1作飛ばしてのアバレンジャー(長官と言うと大袈裟になるが、戦隊の結成過程を考えれば、長官的な役割を勤めたことになるアスカ)阿部薫も、当時は俳優としてのキャリアは浅いものであった。つまり、この3戦隊では、戦隊メンバーと同様に俳優としてのキャリアが殆ど無い人が長官という重責を果たしてことになる。

ここで1作遡ることにするが、一転しているのがハリケンジャーであり、「帰ってきたウルトラマン」で特撮ファンにはお馴染みであり、久しぶりに貫禄のある存在としての長官が登場した。(でも、第1話でハムスターになっちゃって、クライマックスまでは声の出演ということになり、劇団☆新感線の高田聖子がサポート役としてフォローしていた。)

尚、「カクレンジャー」を第三期のイレギュラーとしてとらえ、「ハリケンジャー」を第四期のイレギュラーというように考えれば、「第四期」は俳優としてのキャリアが殆ど無い人の長官抜擢というように考えることが出来るかもしれないが、こう考えるには、もう少し先の戦隊がどうなるのかを考える必要があるだろう。(それにしても、イレギュラーと考える戦隊が「忍者もの」というのは偶然なのでしょうか?)

次回からは新たなテーマで語ることにするが、そのテーマについては次回までのお楽しみに。



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