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GIGLIOLA CINQUETTI『BEST HIT』 [音楽(洋楽)]

ついに、カンツォーネの世界から1枚のアルバム(ベスト盤ですが...)を取り上げて述べることにする。(カンツォーネとは、イタリアの大衆的な歌のことである。つまり、イタリアの歌謡曲と言ったらお分かり頂けるであろう。)とは言っても、今回が例外的な扱いではあるのだが... ということで、読めない方がおられることを考慮して、ここで名前をカタカナ表記しておくことにする。「ジリオラ・チンクェッティ」である。

まずは「カンツォーネ」という言葉を使ったことから、引いてしまう方もいるでしょうから、一度は耳にしてもらうためにも、少し語らせてもらうことにする。「カンツォーネ」という単語に踊らされないでいてもらいたいのだが、見方を変えれば「イタリアン・ポップス」だと思っていただければよいでしょう。筆者もそういう気持ちで入っていったのであり、「カンツォーネ」と言うとイタリアだということが直ぐに分かるから使っていると思っていただければいい。とは言っても、「音楽に国境はない」のであり、どこの国の音楽かということはそんなに重要な要素だとは思ってもらいたくない。軽い気持ちで接することから始めて、色々な音楽を聴いてもらいたいところである。(筆者も、彼女の曲は梅雨時に『La Pioggia』(邦題『雨』)を毎年耳にすることから、彼女の他の曲を聴いてみよう、という軽い気持ちで接していったのである。)

少し前置きが長くなったが、本題に入っていくことにする。表題のアルバムは、1985年にリリースされた彼女のベスト盤である。全16曲が収録されているものの、5曲は音源の関係でモノラルなのである。ということは、貴重な音源ということになる。(筆者の音楽ライブラリーは、そういう変わったものがいくつかあり、それが自慢の一つになっている。)

本アルバムには、じっくりと聴かせる曲と、イタリアン・ポップスの楽しい曲が散りばめられている。前者ではややハスキー気味の彼女のボーカルがメロディアスな曲とマッチして、なかなかの世界を彩ってくれる。これに属するのは『夢見る想い』『アネマ・エ・コーレ』『あこがれはいつも心に』『愛は限りなく』『愛の花咲くとき』『落ち葉の恋い』『街角のシレーヌ』といった曲である。『街角のシレーヌ』が本アルバムのラストを飾る曲であるが、それ以外はアルバムの前半にまとめられていることから、まずはボーカリストとしてのチンクエッティの世界に浸ることになる。(イタリア語が分からないということがあるものの、心を惹きつけられる曲ばかりである。)

一方、明るい面、楽しさを見せてくれる曲は、『ナポリは恋人』『つばめのように』『ズン・ズン・ズン』『薔薇のことづけ』『日曜はミサに』『恋よまわれ』『太陽のとびら』などである。まあ、いかにもイタリアン・ポップスというような曲がここには多いのだが、'70'sや'80'sのアメリカン・ポップスとは異なり、どことなく'60'sの香りがするし、更には日本の歌謡曲というような雰囲気も持っていて、独特の世界がそこにある。(エレ・ポップに慣れた耳には、おそらく新鮮な印象を与えることになるでしょう。)

本アルバムは全16曲と記したのに、ここまで14曲しか曲名を記していない。というのは、その2曲は別格という曲なのである。で、その2曲というのは『La Pioggia』(邦題『』)と『Il Condor』(邦題『コンドルは飛んで行く』)である。この2曲は世界のスタンダード・ナンバーとなっているので、原題では気づかなくても邦題でお分かり頂けるであろう。

』は、言わずと知れたイタリアを代表するような曲であり、チンクェッティの代表曲でもある。(CMソングにも使われたことから、彼女を知らなくても、この曲を耳にしたことはあるでしょう。)とにかくこの曲は、今になっても梅雨時になると必ず何処かで耳にする曲となっていて、完全に季節を感じさせてくれる曲としても定着している。いかにもイタリアン・ポップスという曲調でもあり、親しみが持てる曲である。

一方、『コンドルは飛んで行く』は、彼女の持ち歌ではなく、アンデス地方の民謡であり、数多くのアーティストたちが取り上げている世界共通のスタンダード・ナンバーである。(有名にしたのは、やはりサイモン&ガーファンクルであろう。)音楽の教科書にも載っていることから、この曲についても一度は耳にしたことがあるでしょうね。本アルバムでは、やや長めのイントロで始まるものの、特に大きなアレンジはしていないことから、イタリア語という普段聞き慣れない言語がかえって独特の雰囲気を醸し出している。(この曲については、色々なアーティストの曲と聴き比べるのが良いでしょうね。)やはり、名曲は名曲なのである。

さて、今回の記事によって、取り上げたアーティストは、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダ、スウェーデン、イタリアの6カ国となった。今後も国に左右されずに名アルバムについて述べていく予定であるため、国の数も増えていくことになると思われる。

↓今回のアルバムも見当たらなかったので、彼女の他のベスト盤を取り上げることにする。(やはり筆者は珍盤コレクターなのだろうか?)

ベスト・オブ・ジリオラ・チンクェッティ

ベスト・オブ・ジリオラ・チンクェッティ

  • アーティスト: ジリオラ・チンクェッティ
  • 出版社/メーカー: イーストウエスト・ジャパン
  • 発売日: 1993/04/25
  • メディア: CD


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コメント 1

キヨさん

中二の時にハマッちゃいました。
「ツバメのように」懐かしいなぁ
by キヨさん (2006-03-30 01:27) 

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