SSブログ

HERBIE HANCOCK『FUTURE SHOCK』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムも、黄金の1983年の作品である。(本当にこの年に発表されたものは質が高い。)このアルバムには、名曲『Rockit』が収録されている。サウンドは、ダンス・ビートの利いたファンキーなものであり、下火になっていたディスコ・ブームのサウンドをもう一度再現してくれた、といったことになる。元々はジャズマンの彼であるだけに、このアルバムのサウンドには驚いたものであった。

当時はCDが世の中に登場したばかり(1982年に市場に登場した。)であり、プレーヤー、ソフトのいずれもが高価であったため、音楽ソースの中心はLPレコードであり、またはカセットテープであった。で、スクラッチというターンテーブルを手で回すというDJが現れ、それがブームになっていた。そのスクラッチ風のサウンドをも取り入れた『Rockit』はまさに時代の先端をいく音であった。(今ではすっかり珍しい音ではなくなったが、当時は画期的な音であった。)

その後に続くのは、アルバムタイトルと同名の『Future Shock』であり、普通の一曲という感じになるのだが、ミディアム・テンポのややファンキーなダンス・ナンバーとして纏まっている。この曲よりも次の『T.F.S.』の方が、本アルバムの特徴がよく出ていて、ピアノに対してベースとドラムの音が印象的なインスト・ナンバーである。

当時のアルバムとしたら、全6曲で時間は約38分というのは極普通のものであるため、ここで早くも半分ということになる。まあ、曲数が多ければいいというものでもないのだし、A面、B面で上手くまとめられていれば、それにこしたことはない。で、B面に収録されていた曲に移ることになるが、『Earth Beat』という曲になる。この曲はややスローなテンポとなり、パーカッションに特徴が出てくると同時に、ビートよりもメロディ・ラインに重きを置いた実験的な曲となり、不思議な世界観を漂わせてくれるインスト・ナンバーである。

続く『Autodrive』は曲名が曲名ということもあるが、気持ちよく車の運転が出来そうな心地の良い曲となる。ピアノのメロディに惹きつけられるのである。(しかし、心地よすぎるために、かえって事故ってしまうような感じもするのが正直な所である。→一般道ならともかく、高速でこれを聴くのは止めた方が...)そして、ラストを飾るのが『Rough』となるが、この曲もややスローなテンポの曲であり、B面の3曲はA面の3曲よりもおとなしめのビートでまとめられている。(B面はダンス・ナンバーとはちょっと言い難い。)

結局のところ、『Rockit』という時代の先端にたつ曲の出来がいいだけに、それ以外の曲がややこぢんまりと纏まってしまった感が否めないものの、それでもなかなか心地よいサウンドを提供してくれる1枚のアルバムとしての出来は良いものである。(そこは、流石に1983年産ということになる。)でも、ジャズマンとしての彼の他のアルバムも忘れないでいてもらいたい所でもある。(ということで、少しジャズに興味がある方が最初の足がかりとして彼のサウンドを耳にして、本格的にジャズに手を伸ばすというステップにすればよろしいかと...)

Future Shock

Future Shock

  • アーティスト: Herbie Hancock
  • 出版社/メーカー: Columbia
  • 発売日: 2000/02/08
  • メディア: CD


コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

Masked Rider Hibiki ..INXS『GREATEST HITS』 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。