XANADU(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
アルファベットのローテーションでアーティストを順番に取り上げているが、「X」となると2廻り目で既に尽きている。ということで、裏技として「X」で始まる映画のサウンド・トラックを使うことにした。（よって、3廻り目はどうしたらいいものか... 悩みます。(多分「X」はパスでしょうね...)）
まずは、この映画のデータを。この作品は1980年の作品で、監督はロバート・グリーンウォルド、オリビア・ニュートン・ジョンの主演、ジーン・ケリー、マイケル・ベックが共演というもので、簡単な内容は、音楽の殿堂・ザナドゥの建設を目指す二人の男と、それに力を貸す女神が繰り広げるファンタジー・ミュージカル、ということになる。
で、音楽の方に話を移すことにする。音楽を担当したのは（映画では）バリー・テボーゾン、ジェフ・リン、ジョン・ファラーの三人であり、サントラに収録されている楽曲は、オリビア・ニュートン・ジョンと、エレクトリック・ライト・オーケストラ（以下、ELOと記す）が担当している。（全10曲中、オリビアが6曲、ELOが5曲(1曲は両者のコラボ)）ということで、オリビアとELOのコラボレーションが実現したというようなアルバムになっている。（オリビアのパートとELOのパートに分かれているので、両者のファンにとっても嬉しいものです。）しかも5曲がシングル・カットされてヒットを記録している。
まずは、オリビアのパートであり、オリビアが歌う『Magic』の登場である。この曲は全米No.1に4週間輝く大ヒットとなり、1980年のBillboard年間シングル・チャートの3位に輝いている。（1位がBLONDIE、2位がPINK FLOYDである。）オリビアの澄んだボーカルがファンタジーの世界に運んでくれる、気持ちの良いナンバーである。続いては、オリビアとクリフ・リチャードのデュエット・ソングである『Suddenly』で、メロディアスで実にしっとりとしたデュエット・ソングである。ビッグバンド風のサウンドとロックのリズムが入れ子になっているのが印象的な『Dancin'』はオリビアとTUBESによるもので、実に楽しい一曲である。それに続くのは、'70'sの「カントリーの妖精・オリビア」の印象を残しているややポップな『Suspended In Time』となる。（オリビア・ファンにはたまらない一曲です。）そして、ミュージカル・スターのジーン・ケリーとオリビアのデュエットの『Whenever You're Away From Me』は、ケリーが出演したの一連の名作ミュージカルにぴったりという印象のデュエット・ソングである。で、（ラストにもう一度登場するが、）オリビア・パートはここで幕となる。
後半はELO・パートということで、シンセサイザーを使ったサウンドが、映画で描かれたファンタジーの世界に運んでくれる。まずは『I'm Alive』の（今風に言うならば）エレ・ポップが心地よく響いてくれる。続く『The Fall』もスケールの大きな一曲で、いかにもELOらしいナンバーである。（ELOについては、そのうち取り上げる予定でいる。）続く『Don't Walk Away』はメロディアスなバラードナンバー、その後の『All Over The World』は街中の雑踏音で始まるが、いかにもELOらしいメロディのナンバーで、これもヒットを記録している。
そして、アルバムのラストを飾るのが、オリビアの歌う『Xanadu』であるが、当然のことながらELOとのコラボである。ELOの奏でるファンタジックなサウンドにオリビアのボーカルが融合して、この映画のファンタジックな世界に見事にハマっている。まさに夢の世界に誘ってくれる素晴らしいナンバーである。（この曲に耳を傾けるだけでも、その価値は十分にある。）
映画の方は、大したことがないというのが正直な所であるが、少なくともオリビアのファンの方に取っては、動くオリビアの写真集ということになるので、違った評価をするでしょうね。が、この後、'80'sの映画ではサントラに豪華なアーティストが集うことになり、数々のヒットを記録するようになったことを考えると、オリビアとELOによるこのサントラは、時代を先取りした形のアルバム（サントラ）となったことは否定しようが無く、映画音楽は楽しい、ということを教えてくれる一枚である。
尚、そのオリビアだが、2006年春に来日公演があります。3/1が大阪、3/2が広島、3/4が名古屋、3/6、7が東京という4都市5公演となっています。
- アーティスト: Original Soundtrack
- 出版社/メーカー: MCA
- 発売日: 1998/09/08
- メディア: CD
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