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JACKSONS『VICTORY』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1984 年に発表されたアルバムであり、ジャクソン6兄弟が唯一全員集合した6人編成のJACKSONSのアルバムである。(尚、このアルバムは2005/11/6の記事で一度ピックアップしているが、その時はBGMとしただけで、内容については述べていなかったので、改めて取り上げることにした。)

本アルバムはヒットはしたものの、やはりマイケルの陰に隠れてしまった感があり、それは1984年のBillboard年間アルバム・チャートにも現れている。本アルバムは年間74位、レギュラー・チャートでは最高位4位を記録したが、この年の年間1位がマイケルの「THRILLER」、更に1979年発表のマイケルの「OFF THE WALL」が年間53位にランクインしているのである。また、シングル・チャートの方に目をやると、マイケルとストーンズのミック・ジャガーとのデュエットである『State Of Shock』が年間61位にランクインし、マイケルの『Thriller』の年間78位よりも上位に位置したが、『State Of Shock』は名義こそ「JACKSONS」だが、「マイケル&ミック・ジャガー」というイメージが強いだけに...

しかし、6兄弟全員が揃っているということでは、JACKSON5の時代を含めてもなく、本アルバムでようやく実現したことであり、これだけでも十分に価値がある。(6人での結成というのは、1982年にモータウン・レコードの25周年記念となるコンサートの目玉として再結成を行ったが、その流れで本アルバムを完成させた。)しかし、そうは言っても本アルバムはダブル・ミリオン(売り上げ200万枚を突破)となったヒット・アルバムである。(マイケルの「THRILLER」はこの一桁上だったから霞んでしまうのは仕方がないだろうが...)

収録されているのは全8曲。6人全員が最低1曲は中心となっている曲がある。(ジャーメインだけは中心とは言い難いかもしれないが...)ということで、JACKSONSというグループとしてのアルバムということが出来るが、6人の曲を集めたベスト盤というような面持ちもある。(全員がそれぞれの曲に参加しているということは、ゲスト・プレーヤーとして相互に参加したと考えればよい。)まあ、マイケル色が全体を支配していないということになる。そんな中、やはり圧巻なのは6人のコーラスが堪能できる『Torture』である。

まずは『Torture』で幕が上がる。リズミカルでテンポがよいこの曲は、マイケルとジャーメイン(彼はこの曲のみ)がリード・ボーカルを務めていて、既にレコード会社を移籍していたジャーメインもJACKSONSの一員というところを見せてくれている。(やっぱり兄弟です。)続く『Wait』はジャッキーがリード・ボーカルを務めていて、この曲にはTOTOのメンバーが4人(スティーヴ&ジェフのポーカロ兄弟、ペイチ、ルカサー)も参加している一曲である。テンポがよいややポップな一曲である。続く『One More Chance』はランディの独壇場となる一曲で、リード・ボーカルも当然ランディである。この曲はミディアム・テンポのボーカル・ナンバーであり、先の2曲とは全く違うタイプの曲である。続くはマイケルのマイケルによるJACKSONSという曲である『Be Not Always』である。この曲はストリングスによるシンプルな構成の曲であり、マイケルが優しく語りかけるメロディアスな一曲である。

後半に入ると、まずはマイケルとストーンズのミック・ジャガーという顔合わせの『State Of Shock』のビートが炸裂する。今までのマイケルのサウンドとは完全に異なるこの曲は、マイケルの新境地開拓ということもあり、スマッシュ・ヒットとなった。続はティトが中心となった『We Can Change The World』となる。ミディアム・テンポのブラコン・ソウル系のボーカル・ナンバーであるが、兄弟たちのハーモニーもなかなか美しい。続はランディがリード・ボーカルを務める『The Hurt』である。この曲にはTOTOのペイチとスティーヴが加わっていて、JACKSONSとTOTOの共作という感じもする。サウンドとしてはブラコンのテイストのするロックという感じで、TOTOのテイストも感じるが、それらを抑えてしまうのはランディの伸びのある声域(ボーカル)である。ラストはマーロンが中心となる『Body』である。この曲は何処かにマイケルの『Wanna Be Startin' Somethin'』を感じる(マイケルの曲よりもポップ寄りになっている)のだが、テンポの良いリズミカルなナンバーである。また、ここでは兄弟のコーラスもなかなかいい味を出している。

本アルバムを発表したJACKSONSは、当時としては最大規模のお金をつぎ込んで全米ツアーを行うなど、社会現象と化した。こういう所は'60'sから活躍している彼らとしたら、最後の花火というような形になってしまった(とは言っても、この後もアルバムは発表している。)のがちょっと寂しい所である。(この後、マイケルは「BAD」を発表するものの、その後のスキャンダルの帝王というような印象の方が強くなってしまい、ジャクソン・ファミリーは妹・ジャネットにスポットが当たるようになる。)が、何だかんだと言った所で、6人が揃っているということだけで、本アルバムは「買い」である。

尚、本アルバムのジャケットのイラスト(それにしてもCDでは小さくなってしまって残念。こういうものはLPのサイズで欲しいものである。)で、マイケルだけが手袋をはめていて、その手袋と靴下だけが光を放っている(下記参照、マイケルは右から3人目)のだが、'90's以降の彼らの姿を暗示しているかのようでもあり...

 

Victory

Victory

  • アーティスト: Jacksons
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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