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LISA HARTMAN『'TIL MY HEART STOPS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1988年に発表されたものである。彼女は女性ロック・ボーカリストで、パワフルなボーカルとリズミカルなセンスで気持ちの良いロック・ナンバーを聴かせてくれる。'80'sの女性ボーカリストとしては、ハードなロックで人気の高いJOAN JETTの名前や、アメリカン・ロックの魂を聴かせてくれるPAT BENATARというところが忘れられないが、彼女のロック・サウンドにはそういう'80's前半に名前を残した先人たちの魂を受け継いでいて、ルックスからは想像できない力強いロック・ナンバーを披露してくれている。が、セールス的にも大きなものを残してはおらず、また、大ヒットを記録するということもなかった。(で、通が選ぶ幻のロック・ボーカリストということになる。)サウンド的には'80's中盤から台頭した「商業ロック」に近いものがあり、そのことが聴きやすい曲にしているので、ロックのサウンドが好きな方であれば、何の違和感もなく聴くことが出来るものである。尚、彼女の曲は'80'sのオムニバス・アルバムなどにも収録されていないようであり、耳にする機会が殆ど無いというのはちょっと残念なところである。(尚、彼女を取り上げたことで「LISA」の3連チャンと言うことになったが、これも狙ったところがあるのである。)

まずはテンポの良いロック・ナンバーである『Tempt Me(If You Want To)』で幕が上がる。パワフルな彼女のボーカルが心地良いロックの宴として響き渡る。また、ギターのサウンドが唸っていて、こちらも気持ちが良い。続く『I Don't Need Love』はややスローなテンポのバラード・ナンバーであり、パワフルで情感豊かなボーカルがじっくりと歌い上げる珠玉の一曲である。続く『Ohh, I'm Satisfied』はミディアム・テンポのロック・ナンバーであると同時に、ポップのエッセンスの利いたとても聴きやすい一曲である。この曲では、パワフルさはちょっと抑え気味であるが、ポップスと融合したリズミカルな所を堪能できる一曲である。

続く『I Can't Get You Out Of My Sysytm』はパワフルなロック・ボーカル・ナンバーであり、さびの部分はちょっとメロディアスな一曲でもある。とにかく、エネルギッシュなロック・ナンバーである。続く『Tender Kiss』はギターのサウンドが唸る心地よいロック・チューンであり、ここでもパワフルなボーカルを堪能できる。続く『The Dress』はかなりポップスよりのロック・ボーカル・ナンバーであり、ミディアム・テンポのリズムに乗せたちょっとメロウなメロディを有する一曲である。この曲ではパワフルな所を少し抑え気味にしていて、メロディ・ラインを追っていくような所があり、他の曲と比べると少し毛色が違う一曲である。

続く『How Many Rivers』は、ややスロー気味のミディアム・テンポのロック・ボーカル・ナンバーであり、実にエネルギッシュでパワフルなボーカルを堪能できる一曲である。また、バック・コーラスが優しく展開されているのだが、そのパック・コーラスと彼女のボーカルが静と動という感じになっていて、良い味を出している。続く『Imagination』はエレクトリック・ロックという趣のあるリズミカルでパワフルなロック・ナンバーであり、ちょっとメロディアスなメロディ・ラインの曲であるが、それをパワフルに歌いこなしている気持ちの良い一曲である。続くラストを飾る『'Til My Heart Stops Beating』はメロディアスなメロディ・ラインのスローなテンポのボーカル・ナンバーであるが、ここでもパワフルなボーカルをじっくりと聴かせてくれていて、最後までエネルギッシュな所を堪能できる。

'70'sであれば、女性ロック・ボーカリストはまだ希な存在であったが、'80'sの前半には認知されるようになり、数人のビッグ・ネームが生まれることになり、'80'sの中盤以降はいくつかのガールズ・バンドのブレークもあり、珍しいということは無くなってしまった'80'sの後半であるが、彼女のようなパワフルでエネルギッシュなボーカルを聴かせてくれる人はそう多くはない。とにかくLisaのボーカルはどこからそれだけのパワーが生まれてくるのかと思われるようにパワフルである。これが、普通の女性ボーカル・アルバムであれば、かなり特徴のあるものとなるが、ロックの世界であればパワフルさは当然のことながら求められるものであり、あまりにもロックのサウンドにマッチしすぎてしまったことが、かえって彼女を埋没させてしまった、ということであろうか。ただ、彼女のようにあまり知られていないアーティストと出会っている筆者は、ちょっとした優越感を感じることになっている。彼女のパワフルなボーカルはロック・ファンには聴いてもらいたいと思うのだが、あまり知られない方が筆者としては嬉しく感じてしまう、という複雑な思いのあるアーティスト(アルバム)である。

尚、彼女のアルバムは本アルバムを含めて、amazonでは発見することが出来なかったので、先に名前を挙げた二人の'80'sを代表する女性ロック・シンガーのアルバム(ベスト盤代表的なアルバム)をピックアップしておくことにする。が、ロック・ファン、ロック通であれば、「Lisa Hartman」の名前を中古店や輸入店を中心に探し回って、彼女のアルバムを探し出してもらいたいところである。

 

The Hit List

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  • アーティスト: Joan Jett
  • 出版社/メーカー: Epic
  • 発売日: 1989/12/19
  • メディア: CD

I Love Rock N' Roll

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  • アーティスト: Joan Jett & the Blackhearts
  • 出版社/メーカー: Epic
  • 発売日: 1997/02/03
  • メディア: CD
 
 
Greatest Hits

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  • アーティスト: Pat Benatar
  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 2005/06/07
  • メディア: CD
Get Nervous

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  • アーティスト: Pat Benatar
  • 出版社/メーカー: Chrysalis
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD
Live From Earth

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  • アーティスト: Pat Benatar
  • 出版社/メーカー: Chrysalis
  • 発売日: 1990/10/25
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In the Heat of the Night

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  • 出版社/メーカー: Chrysalis
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