PUBLIC IMAGE LTD.『THE FLOWERS OF ROMANCE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1981年に発表されたアルバムである。本アルバムの聴き所は、全編を通してのリズミカルな種々のパーカッションの音である。ワールド・ミュージックや宗教音楽の世界であれば、打楽器がメインとなるサウンドはある(例えば、和太鼓の演奏は、太鼓(=打楽器)があってこそ成り立つもので、主役である。)ものの、ロックの世界ではパーカッションの音というのは、必要不可欠のものであるが、主役になるのではなく、主役となるギターやボーカルを盛り上げる名バイプレーヤーである。が、本アルバムでは、とにかくパーカッションの音が中心になっていて、エネルギッシュにグイグイと迫ってきていて、圧倒されるのである。(聴いていると、アフリカの民族音楽を聴いているような錯覚すら覚える。)
収録されているのは以下の全9曲である。『Four Enclosed Walls』『Track 8』『Phenagen』『Flowers Of Romance』『Under The House』『Hymie's Him』『Banging The Door』『Go Back』『Francis Massacre』。
筆者のお薦め曲は、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Flowers Of Romance』と、本アルバムの冒頭を飾る『Four Enclosed Walls』、そして『Under The House』、ラストの『Francis Massacre』をピックアップしておく。とにかく、いきなり炸裂する打楽器のビートとの出会いというのは衝撃を受けることになる。そして、聴いているうちにそのビートが宗教音楽を聴いているかのような気持ちにさせてくれる。実際、彼らは本アルバムを発表した直後にこのアルバムが発売された当時に、ジョン。ライドンは「これは古い時代に教会で使われていた宗教的な音楽だ」という発言をしているが、その言葉に嘘がないことを感じることになる。
本アルバムは、PILの三大傑作と言われるアルバムのラストの一枚でもある。パンクの代表的なグループとして伝説になっているSEX PISTOLS解散から突っ走ってきたが、新たな時代である'80'sの始めに傑作を発表したということは、彼らのエネルギーはやはり凄かったと言うことを感じる。この後も彼らはアルバムを発表するものの、メンバーの脱退などにより、そのエネルギーは急速に失せてしまうことになる。それだけ'80'sという時代は変化の激しい時代であることを教えてくれている。(プログレもそうだが、パンクも同様になってしまったのは個人的にはちょっと残念な所でもある。)パンク・ムーブメントの中心であったSEX PISTOLSの終焉と言うこともできる本アルバム、聴かなければなりませんよ。
※この記事には、「セックス・ピストルズ」の名前をアルファベット表記で記したので、この記事に対しては、存在そのものがゴミである生きていても仕方がないカス野郎からのスパムTBが送られてくるのだろうな... (発見次第、無条件削除します!)
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