「WISDOM」 [映画(洋画)]
表題の作品は1987年の映画「ウィズダム ~夢のかけら」である。この作品は色々な点で注目の一本である。まず、当時はブラッド・パックのリーダー格として扱われていたエミリオ・エステベスの初監督作品であるということ、そして、これも当時は恋人関係にあったデミ・ムーアとの共演ということ、また、本作はエミリオの父・マーティン・シーンの「地獄の逃避行」のオマージュ的な作品であるということ、往年の名作「俺たちに明日はない」を意識しているということ、等が挙げられる。今では監督としての実力も評価されている彼であるが、本作ではまだまだという所はあるものの、ブラッド・パックの中でも人気の点では苦戦していただけに、「監督」という道でその存在をアピールしたことになったが、現在の彼があるのは、本作があってである。
本作はエミリオ・エステベスの監督、脚本、主演で、ダニー・エルフマンが音楽を担当し、共演はデミ・ムーア、トム・スケリット、ベロニカ・カートライト、チャーリー・シーン、ウィリアム・アレン・ヤング、リチャード・ミンチェンバーグ、アーニー・ブラウンたちである。
物語は、弱者のために、金を盗まずに債券証書を破棄する銀行強盗の青年とその恋人。彼は義賊として人々から崇められることになるが、警察、FBIは見逃すはずはなかった。そんな彼はある時、殺人を犯してしまい、状況は一変した...
ということで、まさに'80's版 &ブラッド・パック版「俺たちに明日はない」という作品なのである。(物語の時代設定も'80'sです。)それにしても、彼らのような義賊というのはいつの世でも現れてくれないものでしょうか。
本作のサントラ盤に収録されているのは以下の全16曲である。『Change Of Life』『The Mirror』『The Passion Of Wisdom』『Job Search』『The Big Heist』『Karen Decides』『Close Call In Albuquerque』『The Face Off』『Trouble』『The Shootout』『Wisdom Phone Home』『Heist (Part Two)』『Karen Bites The Bullet』『In The Desert』『Finale』『Main Titles』。
派手さは無いものの、「俺たちに明日はない」の様な若さのエネルギーを感じるサウンドは心地良さを与えてくれる。青春と言ったらちょっと語弊があるかも知れないが、若者の若さを感じられる音楽というのは、映画から離れても聴かせてくれる。この辺りは、後にハリウッドの大作の音楽を次々と手掛けるD.エルフマンの力量がいかんなく発揮されている、と言うことが出来る。(本作は、映画の展開、ストーリーは今一だが、音楽は素晴らしい!が、エステベスの監督処女作ということで、大目に見ます。)
それにしても、ブラッド・パックの面々って、本当に大物になった人がたくさんいますね。'80'sの時と同じ顔ぶれが集まって映画を作ったら、ギャラだけでも大変なことになってしまいます...
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