KISS『LICK IT UP』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1983年に発表されたアルバムであるが、何と言ってもメンバーがメイクを落として素顔で登場したということで話題になったアルバムである。何せ、KISSと言えばあのメイクが真っ先に思い浮かぶだけに、これは大きな衝撃であった。また、サウンドの方はハード・ロックを驀進するものとなり、音の方で勝負するという意気込みに満ちていて、彼らのサウンドが大きく変わり始めたアルバムでもある。また、本アルバムは1984年のBillboard年間アルバム・チャートでは89位、レギュラー・チャートでは最高位24位を記録している。(が、思ったよりも伸びませんでした。)
収録曲は以下の全10曲である。『Exciter』『Not For The Innocent』『Lick It Up』『Young And Wasted』『Gimme More』『All Hell's Breakin' Loose』『Million To One』『Fits Like A Glove』『Dance All Over Your Face』『And On The 8th Day』。
サウンドは、アメリカ・ウエスト・コースト、LAロックを意識した音作りがされているが、彼らのパワフルな所は健在であり、ハートを厚くさせてくれるサウンドを聴かせてくれている。この中からの筆者のお薦め曲は、『Not For The Innocent』『Lick It Up』『All Hell's Breakin' Loose』『Million To One』。特に、アルバム・タイトル・ナンバーの『Lick It Up』はメイクを落として新たなスタートを切った彼らの意気込みが伝わる名曲である。
'70'sの彼らのサウンドを知っている者にとったら、サウンドの変化は賛否両論あるが、少なくとも今までとは違った次元に進化したKISSサウンド(しかも、ハードなサウンド)もロック・スピリットに満ちた者である。時代がハード・ロック、特にヘビー・メタルを受け入れるようになった'80's前半、ようやく彼らのサウンドに対しても垣根無く受け入れられるようになり、そんな時代に向けての新たなスタートにふさわしいアルバムである。'70'sのKISSのファンにもしっかりと聞いてもらいたいアルバムである。(また、'80'sのハード・ロックファンには、彼らを橋渡しとして'70'sのブリティッシュ・ハード・ロックにも足を踏み入れてもらいたいところである。)
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