LEE RITENOUR『RIT』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1981年に法被要されたものである。このアルバムが彼の発表したこれまでのアルバムと違うのは、デビッド・フォスターと組んで、ヒットすることを狙ったたもので、しかも、当時ブームとなっていたA.O.R.路線のサウンドで勝負したものである。で、その思惑は当たり、『Is It You?』はシングル・ヒットを記録している。また、本アルバムは1981年のBillboard年間アルバム・チャートでは91位にランクインし、レギュラー・チャートでは最高位26位を記録している。ジャズ・ギタリストとして名前を知られている彼であるが、ボーカリストとしての才能を示すことになった。
収録されているのは以下の全10曲である。『Mr. Briefcase』『(Just) Tell Me Pretty Lies』『No Sympathy』『Is It You?』『Dreamwalk』『Countdown (Captain Fingers)』『Good Question』『(You Caught Me) Smilin'』『On The Slow Glide』『No Sympathy (Reprise)』。
本アルバムは、これまでの彼の路線のジャズではなく、完全なボーカル・アルバムである。しかも、A.O.R.である。ということで、これまでの彼とは全く違う姿のアルバムである。で、D.フォスターの能力もあるが、TOTOの面々をはじめとする一流のスタジオ・ミュージシャンが集っていると言うこともあって、奏でられるサウンドの方もなかなかのものであり、ボーカル・アルバムとしての仕上がりも良い。
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、シングル・ヒットを記録した『Is It You?』(Billboardのシングル・チャートで最高位15位を記録している。尚、年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていない。)を筆頭に、『Mr. Briefcase』『(Just) Tell Me Pretty Lies』と『Countdown (Captain Fingers)』「(Reprise)」を含む『No Sympathy』、そしてインスト・ナンバーでは『Dreamwalk』をピックアップしておく。
尚、彼の名前から、ジャズ・アルバムだと考えるのが普通であろうが、そのように考えて期待すると本アルバムは失望することになる。ギタリストではなくボーカリストの彼だと考えましょう。そういうこともあって、ボーカル、特にA.O.R.がお好きな方には一押しである。(ジャズに興味がないというボーカル・ファンの方も、本アルバムと彼を通してそちらの方に足を踏み入れるのもよろしいかと...)'80's初頭の典型的なA.O.R.を堪能することが出来るアルバムでもあり、当時のA.O.R.を代表する名盤でもあります。じっくりと彼のボーカルを堪能しましょう。
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