MO' BETTER BLUSE(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品はスパイク・リー監督が製作、監督、脚本、出演(主演ではない)の4役を務めた1990年の映画「モ’・ベター・ブルース」である。この作品はリー監督のジャズに対する傾倒が如実に出ている作品であり、彼の監督作品としたらちょっと違うものとなっている。で、あるジャズ・マンの物語と言うことで、本作は劇中に多数のジャズ・ナンバーが登場することになり、音楽の方が大いに注目される作品でもある。
まずは映画データを記しておくと、製作、監督、脚本は前述のようにスパイク・リー、撮影はアーネスト・ディッカーソン、音楽はビル・リーとブランフォード・マルサリス、出演は、デンゼル・ワシントン、スパイク・リー、ロビン・ハリス、ウェズリー・スナイプス、ジョイ・リー、ビル・ナン、ルーベン・ブラデス、ジャンカルロ・エスポジートたちである。
物語は、ある人気上昇中のジャズ・トランペッターのものであり、彼は幼少時から教育熱心な母親にトランペットを与えられ、練習を重ねてプロになった。が、トランペットの腕は一流になったものの、自己中心的な考え方しかできず、音楽以外のものは二の次という人間になっていた。そんな彼はある日、いざこざから唇を切る怪我を負い、再起不能に...
注目されるサントラ盤の方は、ジャズの名曲がたっぷりと収録されていて、ジャズ・ファンにとってはお涙もののサントラに仕上がっている。(中には、ポップでジャジーなテイストの無い曲もありますが、そこは純粋のジャズ・アルバムではなく映画のサントラ盤ですから...)
サントラ盤の収録曲は以下の全9曲である。『Harlem Blues』『Say Hey』『Knocked Out The Box』『Again, Never』『Mo' Better Blues』『Pop Top 40』『Beneath The Underdog』『Jazz Thing』『Harlem Blues [Acapulco Version]』。
お薦め曲は、9曲の中で異才を放っている『Jazz Thing』、また『Pop Top 40』という所もなかなか面白いところである。が、本サントラ盤ではやはりジャジーなナンバーに良いものがあり、『Harlem Blues』『Say Hey』『Again, Never』という所をお薦めする。バック理と気が手くれるボーカルも魅力に満ちたものであるが、ジャズのテイストに満ちた(というより、ジャズです)これらの曲が映画のストーリーに見事にハマっていて、感涙もののプレイを聴かせてくれる。
ジャズに興味がないという方でも、映画と共にサントラ盤を耳にして、それからジャズの世界に入っていくというのも良いものです。(「ジャズ」と言っても、その世界は奥深く、様々なサウンドがありますけど...)そういうきっかけにしてみるのにもピッタリのサントラ盤ですよ。
Music From Mo' Better Blues (1990 Film)
- アーティスト: Original Soundtrack
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 1990/07/16
- メディア: CD
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