「ON THE TOWN」 [映画(洋画)]
表題の作品は1949年のミュージカル映画「踊る大紐育」である。(製作から60年近くが経過していることになりますね。)本作は、ミュージカルと言えばこの人というぐらいの大スターであるジーン・ケリーが監督も兼任したということ、音楽界のドン・フランク・シナトラが共演し、アン・ミラーという踊りの達人が出ている、ということで話題性の多い作品でもある。(更に、本作はアカデミー・ミュージカル音楽賞を獲得したということも箔が付いたことになる。)
映画データを記しておくと、監督はジーン・ケリーとスタンリー・ドーネンの二人、脚本はアドルフ・グリーンとベティ・コムデンの二人撮影はハロルド・ロッソン、作曲を担当したのはレナード・バーンスタイン、ロジャー・イーデンス、ソウル・チャップリン、コンラッド・サリンジャーという面々、音楽はウェルナー・ジャンセンである。そして出演は、ジーン・ケリー、フランク・シナトラ、アン・ミラー、ジュールス・マンシン、ヴェラ・エレン、ベティ・ギャレットたちである。
物語は、単純なものであり、陸に上がった3人の水兵が、24時間の休暇をニューヨークで過ごすことになるが、3人が休暇中にそれぞれ彼女を得て、休暇が終わって...という24時間の物語をミュージカルに仕上げたものである。ストーリーとしては、色々と突っ込みたくなる所ばかりであるが、何でもかんでもハッピーな方向に展開していく物語というのも、ミュージカルという楽しい世界であれば自然と許されてしまう。(そういう作品です。)
が、ミュージカルならではで、踊りと音楽の方が素晴らしいのである。(まあ、全てがダメダメダメというのであれば、製作されても興行的に失敗して、いつの間にか闇に葬り去られて誰も覚えていないことになるものです。)冒頭の『ニューヨーク、ニューヨーク』から始まるその音楽の世界はあまりにも有名である。
が、残念なことに、本作のサントラ盤というものが(CDでは現在)見当たらない。本作の魅力は踊りと音楽であるだけに、サントラ盤は必要不可欠なんですがね...
また、F.シナトラにしてもとにかく若い姿が見られるということで、シナトラのファンの方には嬉しい所でもある。(色んなとらえ方をしてみるのもまた楽しいところである。)まあ、ミュージカル・ファンであればチェックをしておくべき作品の一つではありますが、絶対にお薦めという作品ではありません。が、単純明快でハッピーな物語を味わいたいというのにはピッタリであり、作品もとらえ方次第で色々と幅が広がるということを感じるという意味で、押さえておいても良い作品である。
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