「OTHELLO」 [映画(洋画)]
表題の作品はシェイクスピア原作の「オセロ」である。しかしこの作品はこれまでにも何度か映画化されているので、1つの作品に絞ってピックアップしたのではありません。何せ、古いところでは1922年のドイツ(ディミトリー・ブコエツキー監督、ヴェルナー・クラウス主演)で制作されたものをはじめ、他にも多数あり、1955年の(当時)ソ連(セルゲイ・ユトケーヴィッチ監督、セルゲイ・ボンダルチュク主演)で制作されたもの、1966年のイギリス(スチュアート・バージ監督、ローレンス・オリヴィエ主演)で制作されたものというように、第二次大戦後にも色々と映画化されている。そして最近では、1996年のイギリス映画(オリヴァー・パーカー監督、ローレンス・フィッシュバーン主演)がある。→これらはみんな「オセロ」という邦題の作品であるが、1987年のイタリアとアメリカの合作作品「オテロ」(フランコ・ゼフィレッリ監督、プラシド・ドミンゴ主演)のように、異なるタイトル(邦題)が付けられた作品まで含めると、とにかくかなりの数に達する。(それだけメジャーな物語と言うことになります。)
これだけの作品があると、原作に忠実なものから、色々とアレンジしたものまで、物語の幅も色々と存在することになる。(この前に取り上げた「O」は、設定を現代にしたアレンジ作品の一つでもある。尚、これらの多くの作品に共通しているところは「悲劇」という所です。)が、監督と主演俳優の違いによって、色々と感じるところが違ってくるのもまた面白いところである。
そんな中、1955年のソ連のものは、カンヌ映画祭で監督賞を受賞した作品であり、セルゲイ・ユトケーヴィッチ監督の代表作でもあり、これはご覧になっておいた方がいいでしょうね。
また、1996年のオリヴァー・パーカー監督作品は、これまでは主人公・オセロを黒人俳優が演じることがなかったが、黒人のローレンス・フィッシュバーンが演じ、これまでの「オセロ」とはまた違った表現を達成していて、外せない作品である。
シェイクスピアの原作「オセロ」はあまりにも有名な戯曲であり、物語の筋書きはたいていの方はご存知であろうが、そういう作品だからこそ、監督や主演の違いによる物語の違いを味わうのにはもってこいの作品である。(もしも、「オセロ」を知らないと言う方がおられたら、まずは本で読みましょう。)で、上述の映画を見比べてもらいたい所である。(上述以外にも、TVドラマ化されたもの、舞台で上演されたものなど、多数ありますが、まずは有名所から押さえて、それから更に広げていくというのがいいでしょうね。)筆者としたら、1955年のセルゲイ・ユトケーヴィッチ監督作品を一押し、続いて1996年のL・フィッシュバーン主演作がお薦めです。
↓まずは本の方から
- 作者: W. シェイクスピア, 中尾 清秋
- 出版社/メーカー: 日本英語教育協会
- 発売日: 1987/01
- メディア: 単行本
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