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さそり7話(阿修羅道・中編) [ドラマ]

2004年夏にBS-iで放送されてから既に2年半以上が経過しているが、本作はもっと注目されていい作品であり、今になって改めて記している。1970年代に梶芽衣子さん主演で映画シリーズとして6作(梶さんは4作目まで)が制作された「女囚さそり」のTVシリーズでもある。つまり、あの松島ナミが帰ってきたということにもなる。今回は、3つのエピソードの最終エピソード(前中後編の三部作)となる「阿修羅道」の「中編」です。

「父と母を殺した真犯人を追って、裏社会のフィクサー・天童の屋敷に潜り込んだナミ。天童の求愛を一身に受けながら、手に火傷を負った男を捜していた。」と、前回の簡単なあらすじを簡単に語るナレーションに続いて、いつものナレーション「囚人番号701号、松島ナミ。復讐を誓った女。人は彼女をさそりと呼ぶ」、ナミの台詞「私がサソる」で幕開けです。

犬神が始末をした鈴木と滝本の遺体を木の上に吊して弄んでいた。恩田と相原は釣り人になって天童の屋敷を見張っていた。そんな中でナミは、屋敷の中で天童を膝枕して、天童の耳掃除をしていた。天童は「お前はどうしてここにいるのか?鈴木を待っているのか?お前はここに来るまで、何処で何をしていた?」と次々と問いを投げかけるが、ナミは何も答えない。「私はお前の全てを知りたい」と言う天童に「過去は思い出したくありません。過去があるから、今の私があるんです」と言うと、「夕飯の支度をしてきます」と言って席を外そうとするナミ。天童は「ずっとここにいろ」とナミに言う。そうしていると「会長、お客様です」と影山の声がした。天童は「来たか」と呟いた。

玄関にY刑務所の郷田所長が立っていた。手には桐の箱に入った土産を持っている。少し待たされてから郷田は天童の元に行った。で、「いつもお世話になっております」と行って土産を差し出す。桐の箱に入っていたのは刑務所の受刑者たちが作った阿修羅像の彫物細工であった。そんなところに「失礼します」と行ってナミが酒を持って入ってきた。徳利をテーブルの上に置き、お猪口を客に出そうとしたナミは、客が郷田所長だったと言うことで驚く。郷田は苦虫を噛みつぶしたような表情を見せる。その様子を見て「どうした?」と天童。これに「いえ」と言って何事もなかったように振る舞うナミ。すると「お酌をして差し上げろ、つばき」と天童。これに「はい」と言うナミ。すかさず郷田は「つばきさんとおっしゃるんですか」と言うとお猪口を手にしてナミのお酌を受ける。で、「刑務所所長をしている郷田です。はじめまして」とナミに言う。これに「つばきです」と返すナミ。

天童と郷田は古知り合いであり、繋がりはキャピック(刑務所の受刑者が作る製品を売る商売)であった。(→郷田はそれで裏金を作っている様です。)で、その話から目を受刑者に潰されたことを天童に語る郷田。(ナミはじっと聴いている。)そして「女じゃありません。女の革を被った阿修羅」に潰されたと口にする。(ナミに潰されたんですけどね...)これに天童は「私も会ってみたいなぁ、その阿修羅に」と返す。(阿修羅は目の前にいるんですけどねぇ...)そうしていると、「ちょっと待ってろ、見せたいものがある」と言って天童は立ち上がり、一旦席を外した。

天童がいなくなると郷田はすかさずナミの髪を掴んで「どうやって取り入った。バラすぞ」と脅す。が「バラして困るのはどっちよ」と返す。すると郷田は「会長、つばきさんにしばらくぶりにお庭を案内してもらいたい...」と言うが、天童はドスを手にして戻ってきた。で「私はこれ(ドス)につばきと名付けた。墓に入るまで側に置いておく。手放す気は全くない」と口にする。(遠回しに上手いこというものですね)で「幸せ者ですね」と返す郷田は、他に回るところがあるから失礼する、と切り出し、天童が食事をというのも断った。すると天童は「つばき、玄関先までお見送りしろ」と命ずる。これに「はい」と答えたナミは郷田を玄関まで送っていった。

玄関で靴を履き終えて靴べらを返すのと同時に郷田はナミに語る「火傷の男は見つかったか?何が目的か知らんが、必ずお前を狩りに来る。それまでは会長さんにたっぷり可愛がってもらえ」と言うと深々と頭を下げると帰って行った。で、ナミが玄関の戸を閉める。その様子を天童は物陰からじっと見ていた。

その夜、ナミは枕の下に小刀を隠していた。寝たふりをしていると、天童がやってきた。で、ナミの頭に顔を近づける。が、ナミが突然起き上がり、小刀を手にしてそれを天童に向ける。「私の目だけは潰さないでくれ」と言う天童。(先ほどのやりとりから全体像の殆どが分かったんですね。)これにナミは小刀を降ろす。「表には郷田の部下がいる。それに、今逃げると鈴木には会えなくなるぞ。どうして脱獄までして鈴木をおっているんだ?」と問う。少し間をおいてからナミは口を開いた。「2年前、目の前で両親が殺されました」「鈴木がやったのか?鈴木が消えて無くなれば、私を見てくれるか?」天童はすかさず問う。これにナミは「その時は私も消えます」と天童の目を見て答える。そして「あの男には直接会わなければならないんです。」と続ける。すると天童は頷いて「分かった、鈴木の居場所を教えよう」と答えた。

夜が明け、警察が死体を発見されたということで捜査をしている。そこに北見がやってきたが、それは現場に北見の名前があったためだった。で、調べている刑事が北見に「北見慎吾へ 人間盆栽」と段ボールにマジックで書かれていた遺留品を見せる。心当たりを尋ねるが「全く...」と北見。発見された死体は鈴木耕介と滝本郁子であり、二人とも気の上に飾られるように死んでいた。(犬神が殺ったんですが、死体で遊んでいました...)二人とも天童家の使用人と言うことで刑事は「厄介だなぁ~」と困惑していた。

天童の屋敷では、ナミがやってきて「お世話になりました」と告げる。腕組みをしている天童は「鈴木を殺しに行くのか?影山を連れて行け」と助っ人を用意するが「一人で行きます」と名も。すかさず「ダメだ」と天童。で、ナミは天童を睨みつける。そこに影山が「会長!」と言って入ってくる。手には桐の箱を持っていて、「屋敷の前にこれが...」と言ってその箱を開ける。すると切断された肘から先の左手が入っていて、手の甲にはサソリの火傷があった。それを見たナミは天童に「これ...」と呟くと「鈴木だ」と言う天童。そしてナミと天童は顔を見合わせる。

そこに「会長、警察の方が来ています。鈴木さんと郁子さんが殺されたそうです」と言う声がした。で、影山が応対に出る。来たのは北見であった。影山は二人はずいぶん前に辞めたということを告げる。更に、捜査は県警が行うのに、どうして警視庁が来たのかを問う影山。「色々とありまして」と答える北見は「天童さんって方、政財界に顔が利く方ですよね」と尋ねる。これに影山は「令状はお持ちでしょうか?無いんでしたら、これ以上お答えすることはありません」と言って話を終えようとする。すると北見はナミの写真を取り出して「捜査には関係ないんですが、この女性、ご存知ではないでしょうか?」と尋ねる。写真を見た影山は「さあ?。よそ者は少ない土地ですから、会っていたら忘れないでしょうね」と何も語らなかった。で、北見は諦めて帰って行った。ナミはそのやりとりを影からずっと見ていた。また、天童はそんなナミの姿を見ていた。

ナミは敷地内にある離れの屋上。洗濯物が干されているが、そこにナミはいた。そこに天童がゆっくりと階段を上ってやって来た。で、天童は「あの北見という刑事とはどういう関係だ?お前が脱獄したのを知っていて、隠しているようだな」と問う。ナミは少し考えてから「会長には関係ありませんから」と言うが、天童はナミの手を握ると「お前は私のものだ。全てを終わりにしよう。鈴木は死んでしまったんだ。復讐のことはもう考えるな。逃亡生活を全て終わりにして、いつまでも私の側にいてくれ。必ずお前を守る」と言って、ナミに泣きつき「お前を失いたくない」「お前の何もかも全部見せてくれ」と頭を下げて頼む。で、ナミも「分かりました」と答えた。

ナミは天童から離れると、背中を向けると帯を解き、羽織っている一番上の着物を脱いだ。そして側に腰を下ろすと、白い下着も脱いで傷のある背中を見せた。それを見た天童は驚いて「どうした、その傷は?」と尋ねる。これにナミは「郷田の刑務所の2年間で出来た傷です」と答える。そして「それでも生きてこられたのは、私に親殺しの濡れ衣を着せた男たちへの恨み。私は復讐のためだけに生きることを誓いました」と続ける。天童が「つばき...」と口を開くと「いいえ、私は囚人番号701松島ナミ」と本当の名前を語った。そして「それでも私を抱けますか?愛せますか?」と尋ねる。(ここから????????『恨み節』が泣かせてくれるように流れてきます。)天童は何も言わずにナミを愛撫し、更にはナミをそっと抱いた。

天童の屋敷から出てきた北見。恩田と相原はそのことを郷田所長に報告する。(北見は屋敷に入って10分足らずで出てきたのだった。)恩田は無線機を手にすると「いっそうのこと、踏み込みたいのですが、如何でしょう?」と尋ねるが「天童は701号を北見ごときに渡したりしない」と言い、そのまま監視を続けるように命じる。無線を切ると「潮時か...」と呟く郷田だった。

着物を直しているナミは、階段を上っている犬神に気づいた。犬神はナミを見ると「あれっ?女の臭いじゃん」と口にする。すかさずナミは犬神から逃げるように階段を下りていく。犬神はドスを手にするとゆっくりと後を追った。直ぐに男たちがナミを守ろうとする。が、簡単に料理する犬神。天童もそれに気づき、ナミを屋敷の中に入れると「安心しろ、いくら犬神でもあの人数には敵わん」と言う。するとナミは「犬神?アイツを知ってるの?」と天童に詰め寄る。

が、直ぐに犬神が後を追って部屋の中に入ってきた。ナミを守ろうとした男たちは全滅していた。犬神は「あれ、気に入ってくれた?」と言って客のように座り込むが、天童は刀を抜いて何も言わずに犬神を睨みつける。で、犬神は「えっ?届いてないの?鈴木の手?」と言う。これに「お前だったのか」と天童。犬神は「北見も呼んどいたんだけどさ、あいつ来た?」と続けると、「誰に雇われた?郷田か?」と天童。「だったら何だって言うんだよ」と返す犬神。「お前の仕事は終わったはずだ」と言う天童に「えっ?いや、だってそいつ生きてるじゃん」とナミをドスで指さして言う犬神。で、ナミと天道が顔を見合わせ、天童は犬神に刀を向けると「黙れ!」と脅しを掛ける。これに「殺るのか、じじい」と突っかかってくる犬神。

突然、犬神の背中に手裏剣が飛んでくる。それは天井に隠れていた影山だった。更に次々と影山は犬神に手裏剣を投げる。で、影山に犬神が気を取られている隙に、ナミは部屋を飛び出して行った。犬神もナミを追っていこうとするが、影山も犬神の後を追った。

ナミは天童の屋敷から外に飛び出して行った。が、そこには相原恩田が待ちかまえていた。で、二人に挟み撃ちにされたナミ。後ずさりするも逃げることは出来なかった。

天童の屋敷から犬神が飛び出してきた。が、ナミの姿は何処にもなく「いないよ~!」と叫びながら河原を走っていくだけだった。ナミは恩田と相原に捕まり、車に乗せられ、縛り付けられていた。で、車は走り続け、夜になってから恩田が「所長、701号、確保しました」と無線で報告をする。所長は「天童には付けられていないだろうな?」と追っ手のことが気になっていたが「大丈夫です」と恩田。すると「よくやった!」と褒める所長に「ありがとうございます。」と恩田。ナミはそのやりとりをじっと耳にしていたが、動くことは出来なかった...(中編 了、ということで、以下は「後編」に続く)

今回の物語は大きく動きました。ナミが天童に全てを語り、それでもナミを愛する天童はナミを守ろうとする。が、犬神と天童に何か関係があると知ったナミ。飛び出していくと刑務官に捕まるも、ここにも複雑な思惑があって、ということでナミを巡る複雑な思惑は更に交錯していきます。映画「女囚さそり」はバイオレンス描写が見所だったが、本作はTVという制約があるということで、バイオレンス描写は控えめになっているが、その分をハードな展開で見せてくれるということで、こういうのもまた良いものです。(でも、水橋さん、可愛すぎる...)

次回は、物語の完結編となる「後編」である。捕らえられたナミ、ナミを取り返そうとする天童、ナミの命を狙う犬神、郷田所長は、恩田と相原は、北見は?、とハードな物語です。そしてラストのナレーションが注目です!

 

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