恋する日曜日・3rd.17話「忘れ路の面影」 [ドラマ]
今回の物語は「忘れ路の面影」という物語で、テーマ曲は劇場版「銀河鉄道999」からゴダイゴが歌った『The Galaxy Express 999 ~銀河鉄道999』ということで、TVアニメからではなく、初めて劇場版アニメの主題歌がテーマ曲になりました。(「恋日・ナビ」で「999」のタイトルを耳にした時、確かにTVアニメと劇場版のどちらかな?と思いましたが、これまでの作品は全てTVアニメの主題歌でしたから、TV版の方の主題歌だろうと思っていた筆者です。が、ゴダイゴの劇場版主題歌の方が、そこから生まれるイメージはより広いですし...)また、今回の主演は瓜生美咲・11歳ということで、まだ小学生なのに実年齢よりも上の中学生を演じていましたが、特に違和感はなかったですね。(一応、主演の平均年齢が若い「恋日・3rd.」を象徴する1本でもあるということになりますかねぇ。)しかも、二役を演じさせたということは、丹羽Pは「将来性を感じた」と言って、今後のBS-i作品に色々と起用する可能性がありそうな気がしました。物語はファンタジックな内容で、中学生の気持ちを上手く描いているお話でした。それではいつものように本編にいきます。
中学生の森川有美子(もりかわ・ゆみこ)が学校から帰宅する。玄関には父・和幸の靴があったことから、父が既に帰宅していたことを知った有美子。で、声を掛けるが反応は全く無かった。ということで、病気で寝ている母の元に行くことにした有美子。部屋に入ると、母・絵里子はベッドの中で安らかに眠っていた。そしてその側に父がいた。有美子に気づいた和幸は「ついさっきな」告げ、母が死んだことを告げた。
近所の公園、ブランコに座り、落ち込んでいる有美子に同級生の下村直人(しもむら・なおと)が「お父さん、捜してたよ」と声を掛けるが、有美子は黙ったままだった。ブランコから降りた有美子に「元気出せよな」と直人。これに「ありがとう」と返す有美子だったが、突然直人に「私のお母さん、幸せだったと思う?」と尋ねる。しかし直ぐに「何でもない」と言って質問を取り消すと、そのまま黙って家に帰っていく有美子。(直ぐに後を追う直人)
家では葬儀の準備が始まっていて、父は色々と連絡をしていた。有美子は父の前を通り過ぎてキッチンに入ると「お茶出した方がいいかなぁ」と言ってお茶を入れ始める。しかし下を向いたままで元気がない。連絡を終えた父が有美子の側にやってきて「こんな時だ、しっかりしないと」と言うが、有美子は「何で、何にもしなかったの?」「何で電話しなかったの?」「何で救急車呼ばなかったの?」と次々と父を問い詰める言葉を口にする。更に「お父さん、昨日、ずっと家にいたんでしょう」と言って、母の最期に何もしなかった父を責める。これに和幸はうつむいたままで何も答えなかった。これに「見殺しにしたんだよね」と有美子は言うと「酷い」と言い捨てて家を飛び出していった。
有美子はぼんやりと歩いていて、直人の実家の喫茶店の前にやってきた。マスターは店先で掃除をしていて、有美子に気づくと声を掛ける。「有美ちゃん、たいへんだったね」それに「はい」と答える有美子だったが、元気がない。マスターは手伝いに言っている息子・直人のことを尋ねるが、有美子は「凄く助かっています」と言うも元気がない。で、マスターは有美子に話をしようとして、店の中に入れると紅茶を出した。
有美子はマスターに「私、許せないんです」と言って、父を非難する言葉を口にする。それを受けて色々と話をするマスター。「お父さんは有美ちゃんが生まれる前からお母さんのことが好きだった」と語りかけるが、有美子は「でも、何もしなかったんですよ。直ぐ側にいたのに...」と父に心を閉ざしたままだった。そんな有美子にマスターは「人の気持ちは変わりやすいけどね。でも僕はいつまでも変わらない気持ちもあると思うんだ」と言って、和幸が母を愛している気持ちは変わっていないはずだということを語り「お父さんとちゃんと話をしなきゃ」と諭す。それに対して「私、間違ってますか?」と尋ねる有美子。マスターは「間違いも正解もないよ、多分ね」と優しく語ってくれた。
その後、大きな木のある見晴らしの良い公園にやってきた有美子は携帯を取り出すと電話帳から「お母さん」を選択して電話を掛ける。しかし、誰も出るはずが無く、呼び出し音だけが空しく耳に届くだけだった。何回か呼び出し音を耳にした有美子は諦めて電話を切る。目から涙を流している有美子は携帯を握りしめて「お父さんが死んじゃえば良かったのに...」と呟いた。
が、その時から有美子は別世界に迷い込んでいた。有美子の背後に一人の少女が現れ、木に語りかける。「私、大きくなったら看護師さんになるの」その言葉を耳にした有美子は、その少女は昔の自分だと気づく。更に子供の有美子は同い年ぐらいの少年と一緒に走り回っている。その少年を見た有美子は「直人くん」と気づいた。更に「こんにちは、有美ちゃん」と声を掛けられた有美子。声を掛けたのはユウナという少女で、彼女は有美子の分身だった。ユウナは「あなた「忘れ路」に迷い込んじゃったのよ」と説明してくれる。
その頃、有美子の自宅では、有美子のことを心配して直人が携帯を掛けていたが、留守番センターに繋がり、諦める。和幸は「何処に行ったか、心当たりはあるかな?」と尋ねるが、直人には心当たりがなく、答えられなかった。
ユウナは有美子に色々と語り、自分は「忘れ路の案内人」であり、ここは忘れられた思いが詰まった場所であって、父・和幸が死んだ世界だということを告げる。立ってユウナと話していた有美子だったが、気がついた時にはユウナの姿はなく、一人になっていた。有美子は携帯を取りだして改めて電話帳から「お母さん」を選んで電話を掛けた。呼び出し音がして、まもなく電話が繋がった。「有美子?」と言って、それは母の声だった。
笑顔が戻った有美子は走って家に帰ってきた。玄関には父の靴はなかった。母の部屋に行く有美子。ベッドには母の姿はなかった。不思議に思った有美子だったが、背後から「どうしたの?」と母の声がした。振り返ると母・絵里子がそこに立っていて、それに目を丸くする有美子。
その頃、和幸は直人の実家の喫茶店にやってきた。マスターに「娘が来ませんでしたか?」と尋ねるが「ちょっと、コーヒーでも如何ですか」と言って話をしようとするマスター。で、和幸はカウンター席に座り、マスターと話を始める。和幸は絵里子の話を語り始める。絵里子は病弱で心臓が悪く、周囲から結婚も反対されたが、自分の気持ちを貫いて結婚したといういきさつを語り、それ以後は負担ばかり掛けていたこと、無理を承知で有美子を出産したら、それから様態が悪くなったということを語った。
有美子は仏壇の前にいた。そこには父の写真があった。「嘘みたい」と呟く有美子に母が、交通事故で和幸が死んだことを語り「まさか、私より先に逝っちゃうなんて...」と漏らし、「嘘みたい」と言った有美子に同意していた。
ベッドに戻った絵里子と話す有美子。絵里子は「お父さんと一つ約束したの」と切り出し、自分は長生きできないと思っていたから、もしその時が来たら無理をしないでそのまま逝かせてほしい、という約束をしていたことを語った。これに「お父さんは何て?」と尋ねる有美子。「自信なさそうに頷いていたっけ...」と思い出すように答える絵里子。
マスターに話す和幸。「覚悟は出来ているつもりでいて、だから約束は守ってやりたいと思って...」と、絵里子との約束があり、だから先週(病院から)戻ってきた絵里子に普段と変わらない生活を続けようとしていたことを語る。で、昨日の朝、いつものように会社に行こうとしたら、絵里子が「ありがとう」と言ったが、これに「自分の最期が分かるんでしょうね」と、絵里子の死期を悟った和幸は、出掛けようとして玄関にやってきたが、出掛ける気になれず、そのまま家にいたのだった。そして夕方になって絵里子の急に容態が悪くなった。絵里子の背中をさすり、更に携帯で救急車を呼ぼうとした和幸だったが、絵里子が和幸の手を押さえて救急車を呼ばせなかった。苦しむ絵里子だったが、絵里子の目を見て「自分に出来るのは側にいてやることだけだ」と気づいた和幸は、そのまま何もしないでただ絵里子の側にいたのだった。(その後は自分ではよく覚えていない、と言っていました。)全てを知ったマスターは何も言わなかったが、和幸は「ただ、娘には残酷なことをしたなと思ってます」と付け加えた。
有美子は「お母さん、幸せだった?」と尋ねる。「えっ?」と驚く絵里子だったが、直ぐに「勿論」と答え、和幸と出会えたことで自分が変わったことを語り、更に、生まれてくる子は絶対に女の子だと思っていて、生まれる前から「いつまでも美しい心であるように」という願いを込めた名前を考えていて、それが「あなたの名前よ」と有美子に語りかける。母の気持ちを知った有美子は母に抱きついて泣くだけだった。
喫茶店に直人が戻ってきた。「当たれる所は捜しましたが、いないですね」と言う直人に「ありがとうね。じゃあ一度家に戻ってみるよ。ひょっとしたら帰っているかも知れない」と和幸。が、直人は「あっ、もしかして...」と有美子が行きそうな場所を思い出した。
有美子は大きな木のある公園に戻っていた。「元の世界に戻して」とユウナに頼む有美子。が「戻る?どうして?」とユウナ。更に「あなたが望んだのよ」とも言う。これに「お父さんが死んじゃえば良かったのに...」と言ったことを思い出した有美子は慌てて「違う、あれは違うの。私、お父さんに謝らなきゃ。会って話をして、それでやっぱり謝りたい」と今の気持ちを言う。ユウナは「それが有美ちゃんの答え?」と確かめる。これに大きく頷く有美子。すると「じゃあ、私の役目はもうおしまい。目を閉じて」と元の世界に有美子を戻すことにしたユウナ。有美子は言われたように目を閉じると「さよなら、お母さん。ありがとう」と母との別れを受け入れる決心が付いていて、素直な気持ちを呟いた。
「森川!」有美子を呼ぶ直人の声がした。有美子は目を開けて声のした方を振り向いた。すると直人と和幸がやってきた。「やっぱここか。もうここしかないと思った」と言う直人、和幸は小さく頷いていた。有美子は父の姿を見ると「ごめんなさい」と謝った。和幸は「いや」と言うと有美子の方に歩み寄ってくる。「でも、私にもちゃんと話して欲しかった」と有美子。「そうだな」と和幸。しかし有美子は既に吹っ切れていて、笑顔が戻っていて「すぐ帰らなきゃ。みんなに迷惑掛けちゃってるね」と言う。で「戻ろうか」と和幸。で、帰って行く三人。
大きな木から遠ざかっていく有美子は直人に「よくここが分かったね」と尋ねるが「まあ、昔よく来てたし...」と答える。すると「じゃあ、あれ覚えてる?」と尋ねる有美子。「あれ?」と直人。それは子供の時に「この気に名前を付けてあげようよ」と言った有美子が、「有美子」の「ゆう」と「直人」の「な」を取って「ゆうな」→「ユウナ」と名付けた木の名前のことでした。
今回の物語、Aパートは12分半弱、Bパートは13分半強でした。主題歌はラストのキャスト、スタッフのエンドロールの所で歌有りの主題歌が流れただけでしたが、ストーリーと合わせてちょっとウルウルとなる曲ですね。そして一番最後に「このドラマはフィクションです。ドラマのストーリーは、主題曲の作品とは一切関係ありません」といういつもの注釈テロップで終わりました。
今回の物語は、中学生の素直な心をファンタジックな世界に融け込ませて、上手く描いた良いお話でした。また、現在はまだ小学生の瓜生美咲ですが、演技の方はまだ未熟な所があるものの、時折良い表情を見せると共に、上手いと感じさせる所もあり、将来が楽しみですね。ということで、これで今後の銭形候補に堂々とエントリーといった所でしょうか。(まあ、4、5年後ぐらいということで、12代目(第三の四姉妹の四女)前後でしょうか?)
次回は「県境」という物語で、主演は柳生みゆ。テーマ曲は「未来少年コナン」のED主題歌の『幸せの予感』だと思います。(記憶が定かでないのですが、次回予告で流れたのは確かこの曲だったという記憶が... →公式で確認後、この部分を修正するかもしれません。→やはり『幸せの予感』でした。ということで、「未来少年コナン」からは2曲目ということになります。(5/2追記))次回予告では、ちょっと複雑な事情のある母と娘の物語のようです。で、自転車がキーワードのような感じがします。→「自転車」となると「ケータイ刑事」にも繋がります。年齢的には銭形候補の有資格者である柳生みゆ(現在高2ということで、6代目はこの学年からで間違いないでしょう)ですが、今まで6代目・レースには全く名前が浮かんでいなかったですし、いきなりの抜擢は無いとは思いますけど...
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