「赤胴鈴之助」(その3) [映画(邦画)]
今回は、シリーズ第6作と第7作についてです。武内つなよし原作であるこの作品の看板である赤胴鈴之助を第1作からずっと演じている梅若正二であるが、彼が演じたのは第7作までであるので、ここに彼の鈴之助は完結すると言うことになります。(第8&9作では桃山太郎が演じている。)
まずはシリーズ第6作となる「赤胴鈴之助 一本足の魔人」について。尚、この第6作までが1957年の作品である。(1年に6本も製作されました。→この当時は珍しいことではなく、人気シリーズはこのように年間に何本も製作されていました。)
映画データを記しておくと、監督は安田公義、脚本は岡本繁男、松村正温、吉田哲郎の3人、撮影は相坂操一、音楽は渡辺浦人である。そして出演は、梅若正二、中村玉緒、藤田佳子、小町瑠美子、林成年、黒川弥太郎、見明凡太朗、光岡竜三郎、尾上栄五郎、南部彰三、上田寛、朝雲照代たちである。
物語は、黒い翼を持った一本足の魔人が出現し、名宝名器が次々と盗まれるという事件が発生した。将軍家拝領の名刀を千葉周作から預かった鈴之助も魔人にそれを奪われてしまった。ということで、その名刀を取り戻すために戦いを挑んでいく...
本作は64分ということで、放送時間を15分拡大したTVドラマと言った感覚で見ることが出来る。実際、前作や後の作品とも独立した話でもあるので、丁度いい感じの作品です。
続いて、第7作の「赤胴鈴之助 三つ目の鳥人」について。
この作品からシリーズ最終作までの3本は1958年の作品です。また、梅若正二の赤胴鈴之助は本作が最後です。(尚、次作からは再び白黒作品となるので、本シリーズにおける最後のカラー作品でもある。(5~7作目がカラー作品です。))映画データを記しておくと、監督は森一生、脚本は岡本繁男と松村正温の2人、撮影は宮川一夫、音楽は渡辺浦人である。そして出演は、梅若正二、近藤美恵子、姿美千子、林成年、中村玉緒、黒川弥太郎、月田昌也、横山エンタツ、光岡竜三郎、尾上栄五郎、太田博之たちである。
物語は、江戸の町に三ツ目の鳥人が現れ、戌年生まれの子供を次々と掠っていくという事件が発生した。鈴之助が剣術指南を務めている江戸町奉行・土井の若殿も鳥人に掠われてしまった。で、鳥人を倒して掠われた子供たちを取り返すべく、鳥人の隠れ家であるオバケ屋敷に忍び込んだ鈴之助は...
時間は71分ということで、映画としたら少し短めであるが、本作は放送枠を拡大したドラマの様な感覚があるだけに、特に時間的なことは気にならない。ストーリー展開はお約束通りのものであるが、そういう型にはまっていて活躍するという作品はヒーロー作品ならではの醍醐味でもある。
梅若主演の全7作の中では、第5作が筆者としたら一番のお気に入りであるが、第7作もなかなかのものである。この後は桃山太郎が赤胴鈴之助を演じることになるが、梅若正二の鈴之助の締めくくりの作品と言うこともあり、第7作はチェックしておかれることをお薦めします。
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2002/12/20
- メディア: DVD
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