「ЩЕСТОЕ ИЮЛЯ/6TH JULY」 [映画(洋画)]
表題の作品は、ロシア文字を使っていることから、ロシアが関係する作品であることが容易に想像できるが、1968年のソ連の映画で、邦題は「7/6 ソビエトのいちばん長い日」という作品である。物語は、1918年7月の第5回全ロシア・ソビエト大会の模様を再現した政治色の強い作品である。尚、本作は1968年に製作された作品であるが、日本で公開されたのは1991年のゴルバチョフ大統領(当時)の来日の時であった。その為もあってか、ビデオ化された本作のタイトルは「ソビエトのいちばん長い日/レーニンからゴルバチョフへ」というタイトルになっている。(どうしてゴルバチョフの名前が入るというのか、全く理解できません。))
作品データを記しておくと。原作戯曲はミハイル・シャトルフで、彼が脚本も書いている。監督はユーリー・カラシク、撮影はミハイル・スースロフ、出演は、ユーリー・カユロフ、V・タトソフ、V・ラノヴォイ、B・ルィジウヒン、V・サモイロフ、アッラ・デミードワ、A・ジガルハニャン、たちである。
1918年7月、第5回全ロシア・ソビエト大会が開かれた。指導者レーニンは諸外国からの干渉に対して穏健に対処しようとするが、ブレストリトフスク条約(第一次世界大戦で独露間で結ばれた講和条約で、ロシアはポーランド、ウクライナ、フィンランドの独立を認め、バルト海沿岸諸国の放棄や多大な賠償金支払いを約した。)の破棄を求める勢力(革命党)とが激しく対立した。その様子を描いたドラマである。
この後、ドイツ革命が起こり、連合国は対ソ干渉戦争へと進んでいき、次第にきな臭い世界へと進んでいくことになるが、20世紀の歴史においてはこれもまた大きな出来事であり、それを学ぶ上でも本作は貴重なものである。ました、ソ連が崩壊し、社会主義国家が次々と崩壊していった1990年代も過去になった現在では、改めて再検証してみる題材としては悪くないものである。ということで、学術的にも評価することが出来る作品である。(が、そうなると、ビデオタイトル(邦題)のバカさ加減が一段と目立ってしまうことになりますね...)
資料をいくつか
- 作者: M シャトローフ
- 出版社/メーカー: リベルタ出版
- 発売日: 1989/06
- メディア: 単行本
ロシア革命―「十月」からブレスト講和まで
- 作者: レフ・ダヴィドヴィチ トロツキー
- 出版社/メーカー: 柘植書房
- 発売日: 1995/10
- メディア: 単行本
日露・日ソ関係 200年史―日露の出合からシベリア干渉戦争まで
- 作者: 杉森 康二, 藤本 和貴夫, 日露・日ソ関係200年史編集委員会
- 出版社/メーカー: 新時代社
- 発売日: 1984/01
- メディア: -
コメント 0