「A CHINESE GHOST STORY/倩女幽魂II: 人間道」 [映画(洋画)]
表題の作品は1990年の香港映画「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2」である。以前に、このシリーズの第1作と第3作、そしてアニメ版について記しているが、第2作については述べていなかったので、改めてこれを記すことにする。
第1作は1987年で、そのヒットを受けて製作された本作は、この当時は幽霊が当たり役になっていた王祖賢(ジョイ・ウォン)であるが、人間を演じているということが話題になった。当時の彼女は、人気の点ではずば抜けた存在になっていて、香港映画界が誇る東洋の美の象徴というようになっていた。(香港や日本だけでなく、アジア各国でも人気が高く、韓国では「聖女」とまで呼ばれていた。)が、あくまでも本作の主演はレスリー・チャンである。そして、本作では1988年のミス香港となったミシェル・リーがジョイ・ウォンの妹を演じ、ここに超美人姉妹が誕生した。(その後のミシェル・リーの活躍も目覚ましかったですね。)
作品データを記しておくと、製作は香港のスピルバーグと言われるツイ・ハーク、監督はチン・シウトン、脚本はルン・ユー・ミンとラム・ケイ・タオとロー・タイ・モの3人、撮影はアーサー・ウォンである。そして出演は、レスリー・チャン、ジョイ・ウォン、ミシェル・リー、ジャッキー・チュン、リー・チーホン、ウー・マー、ユン・ピョウ、たちである。
物語は第1作の続きであり、小倩(スー・シン)と分かれた寧来臣(ニン・シァイシェン)は傷心の旅から故郷に戻って来る。そこで彼は小倩とそっくりな美女チー・フォンと出会った。チー・フォンは腐敗した政府によって投獄された父を救出しようとして辛苦を重ねていたが、来臣と旅の道士チャオがそれに協力を申し出る。彼らの前に立ちはだかるのは、凶悪なゴーストと高僧に姿を変えた悪霊であった。必死の戦いも虚しく追いつめられた来臣は、第1作で活躍したイン道士に助けを求める。こうして再びゴーストとの壮絶なバトルの火蓋が切って落とされた...
幽霊に恋をするという所からは離れたストーリーであるが、アクションの方は前作と同様に香港映画の得意技であるワイヤー・アクションでたっぷりと見せていて、SFXも前作よりもパワーアップしている。(現在の発展したCGと比べると陳腐に見えますが...)そして本作の中で良い味を出しているのがジャッキー・チュンである。ギャグ・メーカーとしての彼の存在が本作においては良いスパイスになっている。
娯楽作品(ジョイ・ウォンとミシェル・リーの美人姉妹を拝むことができるのですから、これはたまりません)また、「さらに妖しく、美しく、……」という公開当時のキャッチコピーに相応しく、前作以上にエンタテイメント色が強くなっていて、派手なアクションも見せてくれていて、娯楽作品としては二重丸である。が、ジョイ・ウォンに頼りすぎた感が否めない。もう少しミシェル・リーにも花を持たせてもらいたかった所である。が、翌1991年に更なる続編「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3」が制作され、そちらはジョイ・ウォンの一枚看板で、彼女のための様な作品になったことを考えれば、本作でその準備がしっかりとされていたと考えることが出来る。まあ、本シリーズはレスリー・チャンを看板としてスタートしたが、ジョイ・ウォンの出世作、代表作になったのだから、それも仕方のないところでしょうね...
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