TOTO『FAHRENHEIT』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1986年に発表された彼らの6th.アルバムである。本アルバムからは3代目ボーカリストとして、映画音楽家で有名なJOHN WILLIAMSの息子であるJOSEPH WILLIAMSが加わり、心機一転ということで新たなスタートを切ったアルバムである。また、本アルバムには元EAGLESのドン・ヘンリーやジャズ界の大御所・マイルス・デイヴィスをゲストに迎えていることも注目される所である。サウンド的には彼らの特徴であるAOR系のパワー・バラードを中心としたものになっていて、円熟味が増したサウンドを聴かせてくれる。ということで、本作は大ヒットしてもおかしくないだけの要素があったものの、セールス的には苦戦して、Billboardのアルバム・チャートで最高位40位を記録したものの、年間アルバム・チャートのTOP 100にはランクインしていない。
収録曲は以下の全10曲である。『Till The End』『We Can Make It Tonight』『Without Your Love』『Can't Stand It Any Longer』『I'll Be Over You』『Fahrenheit』『Somewhere Tonight』『Could This Be Love』『Lea』『Don't Stop Me Now [Instrumental]』。
この中からは、3曲がシングル・カットされているが、その中でも『I'll Be Over You』はBillboardのシングル・チャートで最高位11位を記録し、1986年の年間シングル・チャートでも99位にランクインするヒットとなっている。(99位という所がTOTOらしいと思ってしまいます...)また、『Without Your Love』は最高位38位を記録しているが、『Till The End』はチャートにランクインするようなヒットにはならなかった。
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、やっぱりシングル・ヒットを記録した『I'll Be Over You』は外せない。それ以外では、『Till The End』『Can't Stand It Any Longer』『Could This Be Love』に、インスト・ナンバーである名曲『Don't Stop Me Now』という所である。
セールス的には苦戦したが、これは'80'sの音楽シーンは1983年という頂点の年を境に、'85年ごろで一気に新旧交代となり、'70'sから活動しているアーティストたちから'80'sになって登場した新たなアーティストたちに主導権が移ることになり、その波に呑み込まれてしまったためであるが、音楽のクオリティが劣っている訳ではない。(逆に、プレイには円熟味が増している。)ということで、安心して聴くことの出来るアルバムである。
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