「SMULTRON-STALLET/WILD STRAWBERRIES」 [映画(洋画)]
表題の作品は1957年のスウェーデン映画の「野いちご」である。ここで急にこの作品を取り上げたのは言うまでもなく、イングマール・ベルイマン監督が亡くなった(享年89歳)ということで、その追悼の意味からである。となると、やっぱりこの作品でしょうということで、「野いちご」を選びました。
作品データを記しておくと、監督と脚本はイングマール・ベルイマン、撮影はグンナール・フィッシェル、音楽はエリック・ノードグレーンである。そして出演は、ヴィクトル・シェストレム、イングリッド・チューリン、グンナール・ビョルンストランド、ビビ・アンデショーン、グンネル・リンドブロム、マックス・フォン・シドー、たちである。
本作は、スウェーデン映画の基礎を成したヴィクトル・シェストレムを主演として迎え、人間の一生を鋭く描き、愛と憎しみ、生と死を描写した。また、ヴィクトル・シェストレムの遺作でもある。本作が世界的に高い評価を得ることになったのはご存知の通りである。また、ベルリン映画祭で金熊賞を獲得したのを皮切りに、アルゼンチンのマル・デル・プラタ映画祭グランプリ、ベニス映画祭の国際批評家協会賞、イギリス映画批評家大賞、アメリカ・ナショナル・ボード・オブ・レビュウ最優秀外国映画賞というように次々と賞を獲得し、ベルイマン監督の代表作として語り継がれる名作である。
50年の業績を認められて名誉博士号を授与されることになった老医師・イサクの回想形式で人生を描いた作品である。(多くが語られているので、あえて述べないことにします。)
人生で5度の結婚をしたベルイマン監督にとったら、本作のイサクよりも波瀾万丈な人生を送ったといって良いだろうが、そのベルイマン監督もやはりイサクのように人生を走馬燈のように回顧したのでしょうか?静かに息を引き取った、と娘タンが語ったと伝えられたが、何か本作のイサクのこととダブって感じられました。
最後になりましたが、ベルイマン監督のご冥福を心からお祈りいたします。
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