「FANNY OCH ALEXANDER」 [映画(洋画)]
1982年のスウェーデン、フランス、西ドイツ(当時)の合作映画の「ファニーとアレクサンデル」である。先に「野いちご」を取り上げたが、こちらの作品もベルイマン監督の代表作であり、取り上げておくべきだという考えから、述べることにしました。
この作品はベルイマン監督の思いのたけを全て注いで制作された自伝的超大作である。制作時点から劇場公開版とTV放送用の2つのバージョンを計算して制作された。前者は186分、後者は311分という時間に達している。アメリカでは前者が公開されたが、日本ではファンの声に応えて、後者が公開された。(普通の映画ならば3本分の時間に達します。)プロローグとエピローグ、間には5つのチャプターの全七部構成とされたものであり、スウェーデンの伝統的な大学街で暮らすブルジョワ一族・エークダール家の人々が1907年のクリスマスから2年間の間に織りなす人間模様を描いている。
作品データを記しておくと、製作はヨルン・ドンナー、監督と脚本はイングマール・ベルイマン、撮影はスヴェン・ニクヴィスト、音楽はダニエル・ベルである。そして出演は、グン・ヴォールグレーン、エヴァ・フレーリング、アラン・エドワール、ハリエット・アンデルセン、アンナ・ベルイマン、レナ・オリン、クリスティナ・ショリン、グンナール・ビョルンストランド、ボリエ・アールステット、たちである。また、本作はアカデミー賞で、外国語映画賞、撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞を獲得したのをはじめ、ヴェネチア映画祭で国際評論家賞を、ニューヨーク批評家協会賞では外国映画賞と監督賞を、ロス批評家協会賞では外国映画賞と撮影賞を、コール電・グローブ賞てせも外国映画賞を、イギリス・アカデミー賞でも撮影賞を、フランス・セザール賞でも外国映画賞をと、多数の賞を獲得している。
本作で監督を務めた後、ベルイマン監督はテレビや演劇の方に活動の場を移したが、2003年に映画「サラバンド」で映画監督として復帰したので、そちらが遺作となったものの、本作はベルイマン監督の集大成でもあり、実質的な遺作と言っても良いかも知れない。
時間の方はあまりにも長いが、それだけの時間を無駄にしてはおらず、たっぷりと見せてくれる作品である。(見始めたら時間のことは忘れてしまいます。訃報を知っての今回は見ていませんが、過去に見た時がそうでした。)改めて、凄い作品です。最後に、再度記しておきます。ベルイマン監督、長い間、傑作をありがとうございました。心からご冥福をお祈りいたします。
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