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「野性の証明」 [映画(邦画)]

表題の作品は1978年の角川映画「野性の証明」である。前年に、同じ森村誠一原作の「人間の証明」が大ヒットを記録し、それに続いてまたも森村誠一のベストセラー小説が映画化された。また、本作は薬師丸ひろ子のスクリーン・デヴュー作であり、初々しさがあります。(本日、WOWOWで放送されたので、取り上げることにしました。)

作品データを記しておくと、時間は143分、原作は森村誠一、監督は佐藤純彌、脚本は高田宏治、撮影は姫田真佐久、音楽は大野雄二である。そして出演は、高倉健、薬師丸ひろ子、中野良子、夏木勲、三國連太郎、舘ひろし、田村高廣、ハナ肇、松方弘樹、丹波哲郎、成田三樹夫、原田大二郎、梅宮辰夫、江角英明、田中邦衛、角川春樹、リチャード・アンダーソン、たちである。

1980年、武装した過激派がアメリカ大使を人質にして立てこもっていたが、それを自衛隊の特殊工作隊が突入し、あっという間に犯人一味を射殺、無事に大使を解放する。味沢はこの作戦に参加した優秀な隊員だった。ある日、東北の山中で行われた単独踏破訓練に参加していた味沢は、ある村の大量虐殺殺人事件に出くわした。12名の村人たちを虐殺し、生き残ったのは13歳になる頼子という少女1人だったが、事件のことについては記憶を失っていた。味沢は自衛隊を退役して、頼子を養女にすると、羽代市で保険外交員の職に就いた。が、羽代市は大場総業の会長・大場一成に支配された地方都市であり、頼子の予知能力的な不思議な力と、味沢が契約を取った顧客が大場の闇の姿に繋がっていき、大きな陰謀に巻き込まれることになる味沢。更に、味沢の自衛隊時代の元上官も味沢のことをチェックしていて...

本作は、今になって見ると、「八つ墓村」を思わせる事件から始まり、巨大な陰謀が渦巻く中に巻き込まれていき、終盤は「戦国自衛隊」(こちらの方が本作よりも後の作品ですが...)では?なんて思わせてくれるので、ゴチャマゼ映画の様に感じてしまうのだが、それだけヒットを記録した角川映画がこの時期には多かったということなんでしょうか。

寡黙な高倉健というのはお馴染みであるが、本作の様なアクションがあると、「ゴルゴ13」に健さんが出演していたということを思い出してしまいます。また、本作で映画デヴューとなった薬師丸ひろ子であるが、初々しくていい感じをだしているが、本作を見た時には、後にアイドルとしてビッグになるなんて、予想もしませんでした。('80'sになると角川映画はがらりと雰囲気が変わって、薬師丸や原田知世たちのアイドル映画が前面に出てくることになるが、'80's角川映画がお好きな方にも本作は薬師丸・デヴュー作ということでチェックしておきたい1本である。)

クライマックスの戦車を相手にする味沢のシーンは、本物の戦車を使ってアメリカで撮影されたのだが、その迫力ある画面は見所でもある。また、キャストも豪華な顔ぶれが揃っていてねこの当たりは'70'sの日本映画ということを大いに感じさせてくれている。金田一耕助が登場する作品や「人間の証明」では、謎解きで頭を使うことにもなるが、本作ではそういう部分が皆無ではなくて多少有るとは言っても、娯楽作品として大いに楽しむことが出来る作品である。やっぱり'70's映画って良いものを持っていたものです。

 

野性の証明

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  • 発売日: 2006/10/20
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  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1995/04/01
  • メディア: CD


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