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「網走番外地」(その4) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・第11弾として記している「網走番外地」シリーズの4回目は、4本製作された1966年の作品の中から、その後半のシリーズ第6作と7作について述べる。

第6作網走番外地 南国の対決」(1966)
作品データを記しておくと、1966年の東映東京の作品で、時間は88分である。原案は伊藤一、監督と脚本は石井輝男、撮影は稲田喜一、美術は藤田博、音楽は八木正生である。そして出演は、高倉健、千葉真一、町田政則、吉田輝雄、嵐寛寿郎、田中邦衛、由利徹、谷隼人、大原麗子、三原葉子、沢彰謙、潮健児、河津清三郎、二本柳寛、日尾孝司、たちである。

物語の舞台は沖縄である。竜神一家のために命を張り、網走刑務所に収監された橘真一。出所の日、先代親分が沖縄で事故死したことを知ると、直ちに沖縄へ向かう。その途中の船内で、母を探して沖縄へ渡ろうとする少年・一郎と南という男と知り合う橘。沖縄へ到着した橘は、南が豪田一家の殺し屋であり、竜神一家の二代目を継いだ関村が豪田と手を結んで、先代親分と関係の深ったギボ建設を潰そうと企んでいること知ると、豪田組に潜り込んで親分の死の真相を探っている大槻と樫山と繋ぎを取り、動き出す。しかし、橘の動きに身の危険を感じた豪田と関村は、南に橘を消すよう命じるが...

親分の恩義のある親分の死の真相を暴き、その復讐を果たそうとする物語に、少年の親探しという物語が絡み、これが物語を任侠の世界に留めることを防いでいて、良い味になっている。

第7作網走番外地 大雪原の対決」(1966)
作品データを記しておくと、1966年の東映東京の作品で、時間は89分である。原作は伊藤一、監督は石井輝男、脚本は神波史男と松田寛夫の2人(石井監督が唯一手掛けていない作品である。)、撮影は稲田喜一、美術は藤田博、音楽は八木正生である。そして出演は、高倉健、嵐寛寿郎、田中邦衛、由利徹、佐山俊二、砂塚秀夫、吉野寿雄、関山耕司、内田良平、小松方正、上田吉二郎、沢彰謙、大原麗子、国景子、若水ヤエ子、吉田輝雄、土山登志幸、たちである。

前作が沖縄だったが、今回はまたも北海道が舞台の物語である。橘真一が収容されている網走刑務所から白熊という男が脱走した。看守の木暮は、橘の弟分・お秀がその手引きをしたとして拷問をして殺してしまった。それからまもなく出所した橘は、お秀の遺骨を持ってお秀の父・竜作を訪ねる。その頃、その地・ノサップでは油田が発見されて大騒ぎになっていて、竜作はその利権争いに巻き込まれていた。で、橘もその利権争いに巻き込まれていく...

今回の2本は、物語の舞台が(日本の)南と北を舞台にしたものであり、更には人情味のある物語と、復讐の物語から地元の問題に巻き込まれていく物語というように、対極的な位置付けができる物語である。が、意識したものではなくて製作順に見ているだけである。つまり、本シリーズはバラエティに富んだ物語である、ということでもあり、だからこそ飽きさせることがないのである。ただ、シリーズ作品も7本目となった「大雪原の対決」では物語の展開にマンネリという感じもしないでもなく、ちょっとダレてきた感じもする。(次作でこれが一段と強くなってきます。)シリーズ2年目は、前半は良かったが、後半はシリーズ作品にありがちな悪しき点が出てきた作品になり、シリーズ全体としては下り坂に入っていこうとすることになります。

 

網走番外地 南国の対決

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 2003/10/21
  • メディア: DVD

網走番外地 大雪原の対決

網走番外地 大雪原の対決

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 2004/09/21
  • メディア: DVD

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