「THE KENTUCKY FRIED MOVIE」 [映画(洋画)]
表題の作品は、カルト作品として名高い1977年の傑作映画「ケンタッキー・フライド・ムービー」である。この作品は22のエピソードからなるコメディ映画であって、当時のTV、映画、CMなどを題材にした徹底的なパロディ映画であり、くだらなさが面白いという作品である。こういう作品は元ネタが分からないとその面白さの方も完全に伝わらないということもあって、日本ではこの種のジャンルの作品は公開されても成績が良くなく、評価が低いというのが実情である。(が、これは自分が無知だということを証明しているのと同じことである。)元ネタが有名な映画れば分かりやすいが、本作は日本では放送していないアメリカのTV番組やCMまでも題材にしているため、全く分からない、というのは致し方ない所でもある。が、そういう場合でも、馬鹿馬鹿しさとギャグを楽しむという見方をすればいいのである。時には、何も考えずに笑うだけの映画というのもまた良いものである。
作品データを記しておくと、時間は83分、製作はロバート・K・ワイス、製作総指揮はキム・ジョーゲンセン、監督はジョン・ランディス、脚本はデヴィッド・ザッカーとジェリー・ザッカーとジム・エイブラハムズの3人、撮影はスティーヴン・M・カーツ、音楽はイゴー・カンターである。そして出演は、ジョージ・レーゼンビー、ドナルド・サザーランド、ヘンリー・ギブソン、ニヴァン・キム、トニー・ダウ、コリン・メイル、ジャニス・ケント、たちである。
本作には、2代目ジェームズ・ボンドを演じたジョージ・レーゼンビーが出演していると言う所がポイントの一つでもある。→BS-iの丹羽Pはこういう辺りは分かっているようですね。「0093女王陛下の草刈正雄」というようなパロディ映画を作るぐらいですからね。また、本作が22のエピソードからなるオムニバスという形を考えたら、丹羽Pは「ショートフィルム道」という1話5分のオムニバス形式のシリーズ作品を何本か制作していますしね。
22のエピソードは以下の通りである。「オイル不足」「モーニング・ショー」「ニュー・カー」「カトリック女子高生のトラブル」「感じる映画」「頭病薬『ナイテクスPM』のCM」「ハイ・アドベンチャー」「頭痛クリニック」「お家をよい香に!」「セックス・レコード」「燃えよ鉄拳」「ウィラー・ビール」「スコット・フリー」「『ザッツ・アーマゲドン』予告篇」「死者の権利を守る会」「法廷」「ネコのフライ」「クレオパトラ・シュワルツ」「教育映画『酸化亜鉛とあなた』」「危険を求める男」「アイウィットネス・ニュース」「11時のニュース」。
くだらないものから、力が入った力作まで、内容の方は実に幅広くてバラエティに富んでいる。笑いが止まらなくなるようなエピソードから、眠くなってしまってアクビをしたくなるようなエピソードまで、おもちゃ箱をひっくり返したようで、本当に楽しくなる。(元ネタが分からなくても、それなりに笑えます。)
本作は1977年の作品なので、元ネタは'70'sのものであるのは言うまでもないが、'70'sという時代の笑いを感じるにはもってこいである。また、本作関係者のZAZの面々は、この後もいくつかのパロディ映画を生み出しているが、'80'sの「フライング・ハイ」シリーズ、'80'sから'90'sにまたがる「裸の銃を持つ男」シリーズ、'90'sの「ホット・ショット」シリーズなども見てみるのもいいでしょうね。
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