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「銀嶺の果て」 [映画(邦画)]

表題の作品は1947年の映画である。ここで急遽取り上げたのは、本作の谷口千吉監督の訃報のニュースが入ってきたためです。引退して既に30年以上の歳月が流れているが、戦後まもなく監督デヴューして、日本映画の隆盛に大きく貢献した監督でした。で、今回は谷口監督の監督デヴュー作である「銀嶺の果て」を取り上げることにした。(奇しくもこの作品は、国際スター・三船敏郎のデヴュー作でもあり、伊福部昭の映画音楽の第一作でもある。)

作品データを記すと、1947年の東宝の製作作品で、時間は89分、白黒作品である。製作は田中友幸、監督は谷口千吉、脚本は黒澤明と谷口千吉の2人、撮影は瀬川順一、美術は川島泰三、音楽は伊福部昭である。そして出演は、志村喬、三船敏郎、若山セツコ、河野秋武、小杉義男、高堂国典、深見泰三、坂内栄三郎、浅田健三、石島房太郎、登山晴子、岡村千鶴子、笠井利夫、石田鉱、たちである。

物語は、3人組の銀行強盗が警察の追っ手を逃れて北アルプスに逃げ込んだ。3人は雪山を進んでいると、その中の1人である高杉が雪崩に巻き込まれて姿を消した。残った2人の野尻と江島は先に進み、いつしか小さな盆地に辿り着き、雪に埋れた山小屋を発見した。その小屋には、ある老人とその孫の少女、そして登山家の本田の3人がいた...

3人の銀行強盗が一人、また一人と命を失っていき、残った一人の心の変化を壮大な雪山でのロケを通してたっぷりと見せてくれるアクション・ドラマである。雪山の壮大な自然が何より見所満載である。

既に60年も昔の作品ということになったが、最新のCGも何もない素直な映像は、白黒であるが、とても迫力がある。(技術に頼っていてはダメということである。)最近のCGを多用した映画ばかりを製作している映画会社は、「温故知新」「故きを温ねて新しきを知る」という言葉があるが、この言葉を思い出すと共に、本作のような作品を見て、少しは考え直してもらいたい所である。

この作品が監督デヴュー作である谷口監督であるが、脚本が黒澤明監督とのコンビということもポイントの一つである。(この後、この2人は黄金コンビとなって、次々と秀作を生み出すことになったのはご存知の通りである。)

最後に、谷口監督のご冥福をお祈りいたします。

 

銀嶺の果て

銀嶺の果て

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2004/08/27
  • メディア: DVD


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