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「関東シリーズ」(その1) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローの第13弾として取り上げる作品は、「関東」シリーズです。このシリーズは'60'sの東映作品と、1971年の日活作品という2つのシリーズがある。(当然、別物である。)ここでは、この2つのシリーズをそれぞれ取り上げることにする。

まずは、東映の「関東」シリーズについて。このシリーズは、鶴田浩二主演の任侠作品であり、「関東流れ者」「関東やくざ者」「関東破門状」(以上、1965年作品)と「関東果し状」「関東やくざ嵐」(以上、1966年作品)の全5作である。監督は全5作とも小沢茂弘である。また、最終作以外の4作には、藤純子が花を添えている。

一方、日活製作の「関東」シリーズは、全3作であり、いずれもが1971年の作品である。主演は渡哲也であり、行き所のないアナーキーなチンピラの姿を描いた作品である。また、日活最後のアクションシリーズでもある。作品は「関東流れ者」「関東幹部会」「関東破門状」の3本である。

初回となる今回は、年代順ということで、東映のシリーズの第1作となる「関東流れ者」についてです。
作品データを記しておくと、1965年の東映京都の作品で、時間は92分である。原案は京山雪洲、監督と脚本は小沢茂弘、撮影は山岸長樹、美術は富田次郎、音楽は菊池俊輔である。そして出演は、鶴田浩二、大木実、小山明子、藤純子、村田英雄、山本麟一、石井均、沢彰謙、山城新伍、遠藤辰雄、楠本健二、中田ラケット、中田ダイマル、中堀正夫、たちである。

仁侠やくざ・大谷清次郎の熱い物語である。大谷清次郎は、死んだ父の後を継いだ兄の横暴ぶりに我慢できず、婚約者のお繁を捨てて一人旅に出る。数年後、渡世人となった清次郎は、ある地方都市で、憲法発布記念の剣道大会に出場して優勝した。決勝で敗れた土建業高島組の馬頭三五郎は帰り道で清次郎を待ち伏せるが、清次郎の気風に惚れ込み、高島組の親分に引き合わせ、自分は清次郎の舎弟分になる。親分は清次郎を引き取り、組の頭に据える。そんなある日、清次郎は三五郎のもてなしで遊廓・大洗楼に上るが、そこで今は今市の遊女に身を落としたお繁と再会する。お繁は、今は三五郎の女になっていたのだった...

任侠シリーズらしく、主人公・清次郎に繋がる人物が悪い奴らに殺されて、その復讐のために殴りこみを掛ける、というお決まりのパターンの物語であるが、そのパターンにハマらないクライマックスが運命に弄ばれる男の悲しさを描き出していて、他の作品とはことなる味のある結末を迎えている。また、藤純子は華を添えているだけではなく、クライマックスで良い味を出している。靍田浩司が渋いです。

本シリーズは、かつてLDでリリースされていたが、DVD化はまだである。こういう作品は早くDVD化してリリースして貰いたい所である。

 

↓本作はソフト化されていないので、鶴田浩二関係の書籍をピックアップしておきます。

鶴田浩二

鶴田浩二

  • 作者: 杉井 輝応
  • 出版社/メーカー: セイントマークス
  • 発売日: 1997/06
  • メディア: 単行本

鶴田浩二―“任侠”にかけた男の意地と夢 映画写真集 (1972年)

鶴田浩二―“任侠”にかけた男の意地と夢 映画写真集 (1972年)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 芳賀書店
  • 発売日: 1972
  • メディア: -
父・鶴田浩二

父・鶴田浩二

  • 作者: カーロン 愛弓
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/06
  • メディア: 単行本

父・鶴田浩二の影法師―末娘が綴った銀幕スタアの真実

父・鶴田浩二の影法師―末娘が綴った銀幕スタアの真実

  • 作者: 鶴田 さやか
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2000/06
  • メディア: 単行本

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