「関東シリーズ」(その3) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローの第13弾として取り上げている「関東」シリーズの2回目は、東映製作シリーズ(全5作)の中から、1966年製作の第4作と第5作の2本です。(これで、東映製作のシリーズは終了、次回からは日活製作のシリーズに移ります。)
シリーズ第4作「関東果し状」
作品データを記しておくと、1966年の東映京都の作品で、時間は90分である。監督は小沢長樹、脚本は小沢茂弘と村尾昭の2人、撮影は山岸茂弘、美術は井川徳道、音楽は津島利章である。そして出演は、鶴田浩二、大木実、山本麟一、山城新伍、藤山寛美、遠藤辰雄、国一太郎、野口泉、藤秀夫、宮城幸生、たちである。
時は大正末期。土建業界に手腕を買われ、人望を集めていた関東梅島会傘下の滝井組組長・滝井政次郎。ある日、川崎一帯を仕切る阿久津組が、紡績工場の女工たちが病気になっても入院させずに強制労働をさせていることで怒った三次が掛けた殴りこみの仲裁に入るが、面子を潰された阿久津はその腹いせに病院帰りの政次郎をダイナマイトで襲う。幸いにも軽傷で済んだ政次郎だったが、の場に居合わせた女工・ゆきは失明してしまった。堅気の娘を傷つけたことに怒る政次郎は阿久津に話し合いを申し入れた。そんないきさつがある中、阿久津は紡績工場の新工場建設計画を知ると、関東梅島会に対抗して勢力を拡張して、神奈川北斗会を結成し、工事を一切請け負うことを目論む。が、工事は両組の顔を立てて分配された。阿久津は、これに納得できず、関東梅島会に殴りこみを掛ける。多くの犠牲者が出たことで政次郎は怒り、北斗会に決死の果し状を叩きつけた...
ラストの果たし合いは、10倍以上の敵に挑んでいくということもあって、じっくりと見てもらいたい所である。
シリーズ第5作「関東やくざ嵐」
作品データを記しておくと、1966年の東映京都の作品で、時間は90分である。原作は青山光二、監督と脚本は小沢茂弘、撮影は鈴木重平、美術は川島泰三、音楽は木下忠司である。そして出演は、鶴田浩二、天知茂、遠藤辰雄、岡八朗、加藤嘉、花沢徳衛、宮園純子、原健策、桜町弘子、山本麟一、汐路章、小島慶四郎、村田英雄、沢彰謙、天津敏、藤山寛美、内田朝雄、鈴木金哉、たちである。
川崎大師の賭場の縄張り争いを繰り広げている梵夫一家と瀬戸内一家。梵天一家の小頭・尾形菊治は瀬戸内の娘・お絹と相思相愛であったが、これは許されるはずがなく、瀬戸内は梵天一家の親分・北浦亀吉を傷つけ、更に同僚を殺した。この責任を取れとなじられた菊治は、瀬戸内一家に乗り込み、お絹と弟・勇吉の目前で瀬戸内親分を刺殺、網走刑務所に入ることになる。で、刑期を終えた菊治が戻ってくるが、状況は大きく変わっていた。瀬戸内一家は衰退していて、梵天一家は柳が継いでいて、土木請負業を営んでいた。菊治は病床の亀吉親分の勧めでやくざから足を洗い、藤野組の下請けの丸高組に入る。やがて丸高組の小頭となった菊治は、行方不明のお絹を気づかっていたが、ある日、賭場で弟に再会した。が、彼は菊治を仇として狙っていた。それ以来、丸高組には何かと邪魔が入るようになり、丸高組と梵天一家の対立は激しくなっていく。そんな中、ある料亭でお絹と再会した菊治だったが、お絹は柳から前借を受けていて...
ムショに入っている間に状況が一変して、浦島太朗状態となる主人公であるが、恩を受けた親分には筋を通すことを貫き、そして相思相愛だった彼女とのクライマックスは、分かっていてもちょっと来るものがあります。(まあ、定番と言えば定番ですけど...)
↓本作はソフト化されていないので、今回も鶴田浩二出演作をいくつか。
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