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「ガメラ」(その3) [映画(邦画)]

今回は、WOWOWの全12作一挙放送の4日目に放送された2作品(シリーズ第3作と4作)についてです。「ガメラ」シリーズは1965年の第1作から毎年1本のペースで製作されているが、人気が爆発したこともあって、この辺りの作品は、色々とアイデアを盛り込んで、大いに楽しむことの出来る上質の娯楽作品に仕上がっている。『ガメラの歌』が第3作で、『ガメラマーチ』と『ぼくらのガメラ』が第4作で登場することになるが、これもその1つである。但し、第1作の様にガメラが恐怖の対象になるという所が完全に無くなっていているのは、果たして良かったのか、悪かったのか...?まあ、子供から大人まで揃って楽しめる娯楽作品になったということで、良かったと言うことになるでしょうけど...

シリーズ第3作大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」(1967年)
作品データを記しておくと、1967年の大映作品で、時間は86分である。製作は永田秀雅、監督は湯浅憲明、脚本は高橋二三、撮影は上原明、美術は井上章、音楽は山内正である。そして出演は、本郷功次郎、上田吉二郎、笠原玲子、阿部尚之、丸井太郎、蛍雪太郎、北原義郎、夏木章、大山健二、伊東光一、遠藤哲平、ジョー・オハラ、三夏伸、小山内淳、丸山修、森矢雄二、村上不二夫、仲村隆、河島尚真、たちである。

物語は、富士火山帯の活動が活発となって、富士山が噴火した。火を好むガメラはその噴火に導かれて姿を現し、火口に消える。一方、富士山の周辺では日本縦断高速道路の工事が進められていたが、地元の金丸村長の指導によって、土地を高く売るために工事を反対する村人たちと道路公団とが対立していた。そんな中で富士山噴火の調査団を乗せたヘリコプターが山中から発射された謎の光線によって墜落し、死体は出なかった。村長の孫・英一はコウモリのような翼を持つ怪獣と遭遇しピンチに。それをガメラが助けた。英一が、「ギャオー」と哭くことから「ギャオス」と怪獣の名前を付け、ギャオス退治が始まる。が、超音波メスであえなく敗退、ガメラも敗北を喫する。そんな中で名古屋に現れたギャオスが大暴れ。ガメラも現れて対決となるが、大苦戦。辛うじて、夜明けになったことでギャオスが苦しみだし、ギャオスの弱点が分かることに繋がる。紫外線に弱いことが分かったギャオスだったが...

人気怪獣ギャオスの登場と、ユニークなガメラのアクションによって大人気となった「ガメラ」シリーズであるが、ツッコミ所は満載で、実に楽しい作品である。それにしても「回転作戦」とか「山火事作戦」とか、子供のアイデアがギャオス退治の作戦としてあっさりと採用されてしまう所が微笑ましくなってくる。シリーズが新たな次元に突入することになった作品である。

シリーズ第4作ガメラ対宇宙怪獣バイラス」(1968年)
作品データを記しておくと、1968年の大映作品で、時間は82分である。製作は永田秀雅、監督は湯浅憲明、脚本は高橋二三、撮影は喜多崎晃、美術は矢野友久、音楽は広瀬健次郎である。そして出演は、本郷功次郎、高塚徹、カール・クレイグ・ジュニア、八重垣路子、渥美マリ、八代順子、ピーター・ウィリアムス、藤山浩二、北原義郎、高田宗彦、メリー・ムロース、橋本力、豪健司、夏木章、中原健、山根圭一郎、篠田三郎、船田精二、稲妻竜二、たちである。また、「ナレーター」として若山弦蔵の名前がクレジットされているが、ナレーターというよりも、敵のボスの声を担当している。

宇宙から謎の円盤が地球に飛来してくる。宇宙船1号は地球を目前にして現れたガメラによって破壊された。続いて宇宙船2号がやってきて、地球征服作戦を開始する。まずはガメラの過去を調べる。(過去3作の映像がたっぷりと出てくる。)で、ガメラは子供に弱いことを知る。一方、茅ヶ崎海岸ではボーイスカウトのキャンプが行われていて、悪戯好きの正夫とジムがいつものように振る舞っていた。潜水艇で二人はガメラと出会い、遊んでいると、ガメラが光のドームに閉じこめられてしまった。それは宇宙船が放ったスーパーキャッチ光線だった。また、正夫とジムも捕らわれてしまう。ガメラは脳波コントロール装置を埋め込まれて、操られる。地球は正夫とジムを人質に降伏を要求される。で、国連は降伏することを決定するが...

子供でも分かるというストーリーであるが、これによって「ガメラ=子供の味方」という図式が完全に定着することになる。そのためか、アイデアの方も子供向けのネタが満載となっているが、これによって家族みんなで楽しむことが出来る娯楽作となった。イカのようなバイラス星人のユニークな姿もその一つである。また、過去3作の映像を使って、これまでのガメラの過去を見ることが出来るのもサービスである。(但し、第1作の映像部分は白黒作品だったので白黒のままであり、この部分だけがちょっと残念な所でもあった。→現在だったら着色処理もそう難しくないものの、仕方のない所か...)娯楽作品としたら、十二分に楽しむことが出来るが、本作からは予算が削減されたことで、その点が実に残念な所でした。

今回の2本は、シリーズの方向が変わり、新たな路線で製作された作品である。科学設定をリアルにしたり、特撮に力を注ぐという方向も一つの方向であるが、「ガメラ」シリーズは子供をターゲットとして、子供の目線でのアイデアを盛り込んだことで、親しまれるキャラクターになったが、これも確かに一つの道である。最近はCGを多用して「リアル路線」を目指す作品が多いが、CGに頼りすぎで疑問符が付くような質の低い作品が次々と生まれているが、考え方を変える必要がありますね。

 

大怪獣空中決戦 ガメラ対ギャオス

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  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2007/10/26
  • メディア: DVD

ガメラ対宇宙怪獣バイラス

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ガメラ THE BOX 1965-1968

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  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
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