「多羅尾伴内」(その2) [映画(邦画)]
まずは、片岡千恵蔵主演作品からということで、今回は記念すべき第1作の「七つの顔」についてです。千恵蔵と言えば、やはり時代劇スターという印象が強いが、本シリーズは、金田一耕助シリーズと共に、千恵蔵の現代劇(背広姿が見られる)である。
シリーズ第1作「七つの顔」(1946年)
作品データを記しておくと、1946年の大映京都の作品であり、時間は81分、白黒作品である。原作は比佐芳武、監督は松田定次、脚本は比佐芳武、撮影は石本秀雄、美術は角井平吉、音楽は西梧郎である。そして出演は、片岡千恵蔵、月形龍之介、轟夕起子、喜多川千鶴、服部富子、原健作、月宮乙女、丸山英子、たちである。
物語は、あるレヴュー劇場の花形歌手の清川みどりが出演中に楽屋から出火して失踪する。また、同時にダイヤの首飾りも消えた。新聞は其治券のことを大きく騒ぎ、社会の注目を集める事件となる。この事件の捜査に当たった長谷川警部、ダイヤの首飾りの貸主の金田金平は元鬼刑事・本堂応助と共に参加し、私立探偵・多羅尾伴内も事件に首を突っ込んでくる。そんな中、本堂は犯罪の知能性から、昭和16年以来消息を絶った日本ルパン・藤村大造の所業だと断定する。一方、多羅尾伴内は3日もあれば十分に事件は解決する、と豪語するが...
製作されたのが終戦の翌年ということを考えたら、そんな状況でよくもまあ製作されたものだと感心してしまう。60年前の作品ということになり、現在と比べると社会情勢が全く違い、社会インフラも全く違っているということが、逆に独特の世界観を持った世界に引き込んでくれる。謎解きの強引な所もあるが、「ケータイ刑事」の世界に親しんでいたら、かえって親近感を受けるところがいくつかある。多羅尾伴内は変装が得意ということで、一つの確立したスタイルを持っているが、こういう所があるのが安心できる所になる。(でも、変装といっても、何で気づかないの?と突っ込みたくなっちゃいますが... →だからこそ楽しくなるのですけど...)
現在とはあまりにも環境が違いすぎるが、娯楽作品ということでは十分に楽しむことが出来る作品である。(「ケータイ刑事」ファンであれば、受け入れやすいと思いますよ。)
↓こういうものがあります。
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