不死蝶('88) [ドラマ]
先週までWOWOWで、1977年に製作された「不死蝶」が放送されていたが、金田一耕助の活躍するとリーズは他にも製作されていて、1988年に2時間ドラマとして製作された「不死蝶」がMBSで放送されたので、今回はそれについてです。
'77年版は1時間枠の全3回ということで、時間は約140分であったが、'88年版は2時間ドラマということもあって、時間は97分である。(2時間ドラマとしたらこの時間は長い。殆どの2時間ドラマは93分程度ですから...)そのため、'77年版と比べたらどの程度まとめられた形となっているのか、また、どういう特徴を出しているのかが注目でした。
で、金田一耕助が事件に関わっていくことになる導入部で、汽車で射水に向かう所で、調査依頼の内容について、汽車の乗客(射水の人間とたまたま出会う)から予備知識を得るという形にして、23年前の事件を知る、ということにして、上手く時間を短縮することにしていました。
物語の展開、筋は基本的には同じである(まあ、当然でしょうが...)が、'77年版よりも人物描写がやっぱり薄くなっているのは仕方のないところでしょうかね?
時間のこともあるのか、突然の急展開で、一気に事件の真相に迫ることになる後半も、ちょっと都合が良すぎるように感じた。
本作では、有森也実さん(当時、二十歳)がマリと君江の二役を演じているのだが、('77年版では竹下景子さんがこの二役を演じた。)ブラジルの珈琲王の養女になるマリ('77年版では養女になったマリ)ということで、気品の良さ、上流階級の令嬢という雰囲気が少し薄く、修行中という雰囲気が出ていたが、これはキャストのことを考えたら上手く対応していたところです。→有森さん、「キネマの天地」や「星空のむこうの国」の延長線上という感じでした。
この作品は、23年前の事件と現在の事件とがオーバーラップするところがポイントであるが、現在の事件についての描写が薄いということもあって、ミステリーという雰囲気も薄かったが、有森さん演じるマリがタンゴを金田一耕助と踊るシーンがあるなど、かなりマリにスポットを当てていた所が特徴でした。(有森さん、バレエをやっていたということもあって、足もよく上るなど、なかなかの踊りを見せていました。)
同じ作品があるだけに、しかも他局であるとはいうものの、ほぼ同じ時期に別作品の方も見る機会があったということで、どうしても見比べてしまうことになってしまう。'77年版は時間もあると言うことでじっくりと描いていたが、'88年版はポイントを絞って、しかもそれなりの特徴を出していたので、まあ良かったかと...(一応は'77年版の方が良かったが、マリのタンゴも入っていたら更に良かったかと...)
それにしても、'77年版も'88年版も、金田一耕助を演じたのは古谷一行ということで、「金田一耕助」と言えば「古谷一行」というイメージの筆者にとったらすんなりと入って行くことが出来ました。(007:JAMES BONDのように○代目ということを謳っていればともかく、そうでなければ、同じ役を別人が演じると、どうしても違和感が先にあるもので...)
もし、「不死蝶」を再び製作するのであれば、その時にマリと君江の二役を演じるのは、銭形ーズの誰かに演じて貰いたい所です。但し、金田一耕助は絶対に古谷一行で...
↓'77年版の「不死蝶」
↓'88年版(本作)
↓原作
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