THOMAS DOLBY『THE FLAT EARTH』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1984年に発表された彼の2nd.アルバムである。シンセサイザーを上手く使い、エンジニアと言われる彼らしいテクノ・ビートによる1982年の大ヒット曲『She Blinded Me with Science』の余韻が残る1983年に録音された本アルバムは、彼の道を突き進むサウンド・シャワーというアルバムである。尚、本アルバムはBillboardのアルバム・チャートで最高位35位を記録している。
収録曲は以下の全7曲である。『Dissidents』『Flat Earth』『Screen Kiss』『White City』『Mulu The Rain Forest』『I Scare Myself』『Hyperactive!』。
この中からシングル・カットされたのは3曲であるが、アメリカでもヒットを記録したのは1曲のみであった。それは『Hyperactive!』であり、Billboardのシングル・チャートでは最高位62位を記録している。また、イギリスでは最高位17位を記録するヒットになった。また、『I Scare Myself』と『Dissidents』はイギリスでそれなりのヒットを記録していて、前者は最高位46位、後者は最高位90位を記録している。(が、いずれもが年間シングル・チャートのTOP 100にランクインはしていない。)
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、シングル・カットされた『Dissidents』と『Hyperactive!』、そして『Screen Kiss』をピックアップしておく。
この後の'80'sサウンドは、シンセサイザー全盛となり、エレ・ポップと言われるサウンドに溢れることになるが、DOLBY博士のシンセは楽しいというだけでなく、エンジニアという所を感じさせてくれる技がある。本アルバムでもそれが垣間見られるが、難点が一つある。というのは、収録曲が7曲で時間は37分を越えた所ということである。時間が短いということはアルバムのクオリティには関係ないはずであるのだが、聴いていると「もう終わり?」という印象を持ってしまいます。(サウンドの方にどっぷりと引き込まれるが、だからこそ時間のことも気になってしまいます。)色々と凝ったことを行い、そうやってサウンドを完成させるので、ある程度の所で1枚のアルバムとしてまとめてしまうというのも分かるが、もう少し博士のサウンドに浸りたい、というのが正直な所です。が、聴いておいて損はしないアルバムである。
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