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「てなもんや」(その4) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローシリーズの第17弾として記している「てなもんや」シリーズも、今回が最終回となった。で、残っている1967年のシリーズ第4作と第5作です。お馴染みの時次郎と珍念の凸凹コンビにザ・ドリフターズの面々と、当時のアイドルが出演する楽しい作品である。

シリーズ第4作幕末 てなもんや大騒動」(1967年)
作品データを記しておくと、1967年の東宝、宝塚映像、渡辺プロの作品で、時間は93分である。原作は香川登志緒、監督は古沢憲吾、脚本は笠原良三と沢田隆治の2人、撮影は永井仙吉、美術は松山崇、音楽は山本直純である。そして出演は、藤田まこと、白木みのる、野川由美子、伊東ゆかり、伴淳三郎、いかりや長介、仲本工事、高木ブー、加藤茶、荒井注、谷啓、磯村みどり、財津一郎、たちである。

時は幕末、今や人気絶頂の勤王の株を先買いした時次郎は、近江の国・園城寺にいる珍念の所に行き、二人は京都を目指す。その頃京都では、新撰組と勤王党の争いが絶えなかった。時次郎と珍念が訪ねた証城寺には、勤王の花形スター・坂本竜馬が間借りしていて、薩摩の西郷吉之助と会談するため尾張に向っていた。が、竜馬に桂小五郎の密書を届ける久坂とおゆきが急病になったために、彼らの代理人として、セ、パの暗号を伝授されて京都から珍道中を始めることになった時次郎と珍念。道中で、いきなり食物のことで喧嘩となり、二人は別行動をとることにした。しかし、二人とも散々な目に遭い、結局、コンビは別れるべきではない、ということで、再びコンビで尾張を目指すことになる。尾張に渡る舟の中で竜馬と会い、犬を連れた西郷らしい人物を見たという知らせが入る。が、それはニセモノの西鄕であり、会談が始まる寸前でニセモノと分かり、大騒動になる。そんな所に新たな竜馬と西鄕が現れた。で、暗号を使い無事に役割を果たした時次郎と珍念だった。

あまりにも有名な幕末の英雄たちの活躍の影に時次郎と珍念の活躍があった、という発想が面白い。こういう発想は後の「必殺」シリーズでも使われることがあり、楽しい所でもある。但し、正しい史実も学んでおきましょう。

シリーズ第5作てなもんや幽霊道中」(1967年)。
作品データを記しておくと、1967年の東宝、宝塚映像、渡辺プロの作品で、時間は87分である。原作は香川登志緒、監督は松林宗恵、脚本は笠原良三と沢田隆治の2人、撮影は長谷川清、美術は松山崇、音楽は萩原哲昌である。そして出演は、藤田まこと、白木みのる、ハナ肇、谷啓、野川由美子、いかりや長介、仲本工事、高木ブー、加藤茶、荒井注、財津一郎、恵とも子、久保菜穂子、南利明、たちである。

百万石の大藩・加賀美藩にやってきた時次郎と珍念。加賀美藩では、藩主・正家が今際の際を迎えるという重大事を迎えていた。正家には行方不明となっているまゆみ姫がいたが、家老・大杉源蔵は自分の娘を松平家から迎える養子と一緒にさせて、加賀美藩百万石を手中に収める策略を進めていた。城下で時次郎と珍念は加賀美家の菩提寺である寿命寺に泊ったが、そこで正家の幽霊を見て驚き、城下を逃げていった。関所で鑑札を持っていないことで困っていた腰元雪枝を助けた二人は、雪枝から加賀美藩のお家騒動を知り、雪枝の味方になることにした。で、まゆみ姫の消息を知る半太夫を捜す。が、半太夫は源蔵の一味に襲われて倒されてしまう。しかし、姫を捜し続けることにした。で、ある旅芸人一座と知りあい、看板娘・小春と仲良くなる二人だった。そんな頃、偽金騒動が起こり、鼠小僧がニセ金ルートを追い始める。小春と別れた時次郎と珍念は雪枝と再会し、そこで小春がまゆみ姫その人だと知らされて、小春たちを追った。追いついたが、一座の男は皆殺しにされていて、女たちの姿はなく、残された張り紙を手掛かりに姫を追う。で、山伏の住む蛇谷に到着、そこで鼠小僧と会い、この蛇谷で大杉源蔵一味によって偽金が製造されていると知る。で、協力してまゆみ姫を救出する。姫が城に戻ったことで立場が無くなった源蔵は、正家の幽霊を見て、正家毒殺を自供して陰謀は失敗。更に、死んだはずの正家は医師・淳庵の機転で毒薬を栄養剤にすり替えられていて、無事に生きていて、御家は安泰だった。で、加賀美藩百万石の危機を救った時次郎と珍念だった。

何だかんだで大活躍となる時次郎と珍念のコンビは、やっぱり楽しいものである。笑いの中にも悪を追いやる活躍をするというのは、定番と言えばそれまでであるが、娯楽作品としての必要不可欠な要素が整っていて、安心して楽しむことが出来る。本作は派手な立ち回りなどは無いが、それでも散りばめられた懐かしのギャグが満載であり、大いに楽しませてくれる。また、古き良き時代のテイストも感じることが出来るのも本シリーズの魅力である。劇場版シリーズのDVD化を願う所である。

 

↓本作もソフト化されていないので、TVシリーズの傑作選をピックアップしておきます。

てなもんや三度笠 爆笑傑作集(1)

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  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2006/05/03
  • メディア: DVD

てなもんや三度笠 爆笑傑作集(2)

てなもんや三度笠 爆笑傑作集(2)

  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2006/05/03
  • メディア: DVD
てなもんや三度笠 爆笑傑作集(3)

てなもんや三度笠 爆笑傑作集(3)

  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2006/05/03
  • メディア: DVD
てなもんや三度笠 爆笑傑作集(4)

てなもんや三度笠 爆笑傑作集(4)

  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2006/05/03
  • メディア: DVD
てなもんや三度笠 爆笑傑作集(5)

てなもんや三度笠 爆笑傑作集(5)

  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2006/05/03
  • メディア: DVD

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