U2『ACHTUNG BABY』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1991年に3年ぶりに発表された7枚目の(スタジオ収録)アルバムである。'80's後半のサウンドとは変わり、「'90'sのU2」を宣言し、新たなサウンドを奏でるようになり、当時はその変身ぶりに物議を醸し出すこととなった。が、'80'sの終盤から'90's初頭は、ベルリンの壁の崩壊、ソ連の崩壊による東西冷戦の終結、更には湾岸戦争という新たな戦争による世界情勢が一変した時期であり、そのような社会の変化に合わせるかのように、時代の変化を読み取ってこともあって、高く評価されているアルバムでもある。(→グラミー賞で最優秀ロック・グループを受賞したことからも、高く評価されていることが分かります。)で、Billboardでは初登場1位を記録する大ヒットとなった。(1位にいたのは、その1週のみでした。)また、イギリスでは最高位2位を記録している。
収録曲は以下の全12曲である。『Zoo Station』『Even Better Than The Real Thing』『One』『Until The End Of The World』『Who's Gonna Ride Your Wild Horses』『So Cruel』『The Fly』『Mysterious Ways』『Tryin' To Throw Your Arms Around The World』『Ultra Violet (Light My Way)』『Acrobat』『Love Is Blindness』。
この中からシングル・カットされたのは5曲である。アメリカとイギリスのチャート成績と共に、シングルのリリース順に記しておく。『The Fly』(最高位:USは61位、UKは1位)、『Mysterious Ways』(最高位:USは9位で1992年のBillboard年間シングル・チャートでは57位、UKは13位)、『One』(最高位:USし10位で1992年のBillboard年間シングル・チャートでは60位、UKは7位)、『Even Better Than The Real Thing』(最高位:USは32位、UKは12位)、『Who's Gonna Ride Your Wild Horses』(最高位:USは35位、UKは14位)。
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、『Zoo Station』『Even Better Than The Real Thing』『One』『Who's Gonna Ride Your Wild Horses』『The Fly』という所をピックアップしておく。
サウンドが大きく変わったことで、当初は戸惑いの声が大きかった本アルバムであるが、サウンドの変化だけでなく、大がかりなセットを組んだライヴの方もより次元が高い所に進化し、バンドとしても新たな時代に突入したことを感じさせてくれたアルバムである。また、そのサウンドの変化が、混沌とした世紀末ディケイドである'90'sを象徴することになったというのは、今多からこそ言える所でもあるが、面白い所である。また、本アルバムはシンセポップ3部作と言われるように、'90'sの彼らの方向を象徴したアルバムでもあり、ロック・ファンであれば聴いておかなければならないアルバムである。
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