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「SOUS LES TOITS DE PARIS」 [映画(洋画)]

表題の作品は1930年のフランス映画「巴里の屋根の下」である。本作はルネ・クレール監督初のトーキー作品ということでも有名な作品である。トーキーが珍しかった時代の作品であるので、新しい要素である「音」の使い方が面白く、今では当たり前のようになっている「音」も使い方一つでずいぶんと映画に効果を与えてくれるということが分かる作品でもある。(要は、アイデアということでもある。)

作品データを記しておくと、時間は75分で白黒作品である。監督と脚本はルネ・クレール、撮影はジョルジュ・ペリナールとジョルジュ・ローレの2人、音楽はラウル・モレッティとアルマン・ベルナールの2人である。そして出演は、アルベール・プレジャン、ポーラ・イルリー、ガストン・モド、エドモン・T・グレヴィル、ビル・ボケッツ、ポール・オリヴィエ、たちである。

舞台はパリの下町。歌を歌って歌譜を売ることで生活しているアルベエル、そして露天商のルイ。二人はいつも一緒にいる若者であった。そんな二人がルーマニア娘のポーラと出会う。が、そこに不良の親分・フレッドが割ってきて、ポーラをカフェに誘い入れる。やがてポーラはフレッドの荒っぽさに心を惹かれるようになるが、フレッドの強引な所に腹を立てて逃げて行く。そんなポーラとアルベエルとルイが路上で遭遇し、アパートの鍵を取られて困っているポーラを自分たちの家に招く。で、これがきっかけとなり、ポーラはアルベエルに惹かれ、結婚を決意する。が、知り合いの泥棒から預かった鞄に盗品が入っていたことから警察に拘束されるアルベエル。で、その間にポーラはルイと親しくなって夢中になっていく...

制作されたのが1930年ということで、社会モラルも随分と違っているいうことで、物語の展開はかなりじれったく感じてしまう。(逆に、それだけオープンになったということでもありますが...)が、若者の恋する姿を純に描いていて、ラブ・ストーリーとしたらなかなかの出来である。また、主題歌のメロディも印象的に上手く使われている。トーキーの初期の作品ということを考えたら、現在では「音」が当たり前になっていて、その使い方による効果は見逃してしまっていることが多く、「音」がセールスポイントになっているのは「?」と感じてしまうが、アイデアを具現化するということでは色々と学ぶ所のある作品である。

 

世界名作映画全集102 巴里の屋根の下

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巴里の屋根の下

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