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「日本一の男」(その4) [映画(邦画)]

今回はシリーズ第5作と第6作の2本についてです。これらはシリーズに少し変化が現れてきた作品でもある。

シリーズ第5作日本一の男の中の男」(1967年)
作品データを記しておくと、1967年の東宝と渡辺プロの作品で、時間は94分である。監督は古澤憲吾、脚本は笠原良三、撮影は永井仙吉、美術は小川一男、音楽は広瀬健次郎である。そして出演は、植木等、浅丘ルリ子、十朱久雄、岡田真澄、東野英治郎、藤岡琢也、牟田悌三、藤村有弘、北竜二、水谷良重、木の実ナナ、奥村チヨ、伊東きよ子、谷啓、人見明、田武謙三、清水元、藤あきみ、佐川亜梨、テッド・ガンサー、リーン・フレドリクソン、大前亘、佐田豊、小沢憬子、谷和子、毛利幸子、荒木保夫、岡部正、平尾昌晃、たちである。尚、主人公は小野子等である。

出演陣にかなり大幅な入れ替えが行われた作品である。内容的には今までのシリーズ作品と大きく違っていると言うことはないのだが、オチが今までとは少し違うことになったのが特徴です。

有能な造船会社のセールスマン・小野子等は、会長を怒鳴りつけたことで子会社のストッキング会社に左遷された。が、実はこの左遷は、会長・大神田が小野子の手腕を認め、業績不振の会社の成績を上げようと考えたものだった。で、小野子は奇抜な商戦を展開して業績をアップさせた。そんな彼の仕事ぶりを、アメリカ帰りの会長の孫娘であり社長秘書の未知子が見ていた。しかし彼女は合理主義者で、接待費に関して口うるさく、小野子が使う接待費に頭を悩めていた。が、いつしか小野子のペースに巻き込まれて、彼を愛している自分に気づく。好成績を上げた小野子は会長の命令で宣伝部に回されたが、これは未知子の差し金でもあった。小野子はテレビショーに自社の社員を使ってストッキングの宣伝を大々的に行い、これが成功する。で、新設された外国部長に出世する。そして外国の提携会社との契約の際、自社に有利にことを運び、会長は小野子を次期社長にする腹を決めて、未知子と結婚させた。で、未知子は柔順貞節な小野子の妻でとなった。

口が上手く、やり込めていく所は痛快さもあって面白い。ただ、冷静に考えると、余にも事が上手く運びすぎていると思うが、笑いのある娯楽作品ということで、よろしいんじゃないかと...

シリーズ第6作日本一の裏切り男」(1968年)
作品データを記しておくと、1968年の東宝と渡辺プロの作品で、時間は95分である。監督は須川栄三、脚本は早坂暁と佐々木守の2人、撮影は福沢康道、美術は竹中和雄、音楽は萩原哲晶と宮川泰の2人である。そして出演は、植木等、浜美枝、ハナ肇、犬塚弘、桜井センリ、長谷川照子、熊倉一雄、小沢昭一、名古屋章、柳家小さん、渡辺篤、牟田悌三、古今亭志ん朝、沢村いき雄、常田富士男、二見忠男、塩沢とき、荒木保夫、加藤春哉、沢宏美、矢野陽子、広瀬正一、いかりや長介、高木ブー、荒井注、仲本工事、加藤茶、藤田まこと、小松政夫、なべおさみ、たちである。尚、主人公は日の本太郎であって、本作から「○○等」ではなくなった。

昭和20年8月、特攻隊員・日の本太郎は、玉音放送を天皇の激励の言葉と勘違いした隊長・大和の命令で、敵機動部隊に出撃した。戦後、厚木飛行場に降り立ったマッカーサー。その後に、何と日の本太郎が姿を現わした。彼は日本を裏切っていたのだった。大和がヤミ屋の隊長になっていること知った太郎は、GIを煽動してその物資を横取りした。昭和25年、朝鮮戦争が勃発すると、太郎は東京中のパチンコ玉を掻き集めようと画策して、二大勢力の江戸組と武蔵野組を対決させて、その間にパチンコ玉を独り占めする。昭和32年、ニセ傷夷軍人になって稼ぐ太郎はかつての恋人・日見子に再会し、彼女の経営するバーの支配人になる。が、バーの立ち退き要求で争った相手が建設会社の社長になっていた大和だと知り、バー女子連合会を結成し徹底的に抵抗した。しかし新安保条約反対でデモ隊と共に国会を取り巻いた時、あえなく留置場に入れられ、出所してくるとバーは無くなっていた。で、オリンピック道路予定地を手に入れて大和に売りつけた。そして何でも売るというオールセールス社を設立すると、落ちぶれた大和を国会議員に当選させ、その軍師となった。で、その大和が国を裏切って、日本は再軍備を決定した...

痛快度ということでは面白く、ブラックが利いているということでも面白いのだが、ちょっと暴走気味に感じられてしまい、今までのシリーズ作品とは随分と違った雰囲気を感じる。(ノリは変わりませんが...)娯楽作品としたら面白いが、好き嫌いがはっきりしそうな作品で、筆者はちょっと引いてしまいました...ただ、主人公の名前が「○○等」でなくなったということで、シリーズの方向に変化があったと解釈すれば、一応はよろしいかと...

 

日本一の男の中の男

日本一の男の中の男

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2007/08/10
  • メディア: DVD

日本一の裏切り男

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2008/03/28
  • メディア: DVD

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