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ケータイ刑事銭形零7話[裏ネタ編] [ケータイ刑事]

ここのところ週に2本記している「銭形零[裏ネタ編]」ですが、やっぱり今週も2本書きます。今回の物語は第7話「金は天下の回り物!? ~福沢U吉誘拐事件」である。で、「学」を付けましょうというつもりで劇中に登場した「エンゲル係数」と「ワシントン条約」について、そして紫式部子さんの努力も虚しく、全く普及することのない「二千円札」についても述べることにする。

尚、MBSの放送の時に記事は「ここをクリック(MBS)」、BS-iの再放送時に「[改訂版]」として記したものは「ここをクリック(改訂版)」して下さい。

エンゲル係数」:ドイツの社会統計学者エンゲル(1821年~1896年)が1857年の論文で発表したものであり、家計の総消費支出に占める飲食費の割合をパーセント(百分率)で示したものである。この数値が高いほど生活水準は低いとされる。(この法則を「エンゲルの法則」と言う。)しかし、エンゲル係数は、生活水準を知る上では一つの基準になるが、価格体系が異なったり、生活習慣が異なったり、社会保障制度が異なる社会集団(例えば、国が変わる、時代が変わるなど)の生活水準を比較する最には必ずしも役立つものではない。

また、「第二エンゲル係数」と呼ばれるものもある。これは、炭水化物が主要栄養素である食物の支出費が飲食費の総支出に占める割合のことである。やはり、この係数が高いほど生活水準は低いとされている。炭水化物は主食となる穀物ということであり、第二エンゲル係数が高いということは、主食が多く、副食となるおかずや野菜などが少ない、ということを示す。尚、これも「エンゲル係数」と同様に、価格体系が異なるような他国との比較ということでは、必ずしも役に立つものではない。

ちなみに、19世紀のドイツの統計学者には、エンゲルの他にもシュワーベが家計における家賃支出に関しての法則を提唱している(シュワーベの法則)が、数字で表すと言うことがお好きなようですね。(尚、シュワーベの法則に関しては、後に、各国の統計値を照合してみたら、この法則に一致していない国も出てきている。)

ワシントン条約」:正式名称は「絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」と言う。英文で表記すると「Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora」であり、これの頭文字から「CITES」(さいてす)と呼ばれることもある。

正式名称が述べていると降りで、野生動植物の種の存続が脅かされるような国際取引を招かないように、絶滅が危惧される野生動植物の国際的に取引を規制する国際条約である。1973年にワシントンで採択され、発効は1975年7月1日である。日本は1980年に批准し、1987年には国内法も整備された。

対象になっている野生動植物は約34000種類で、「一切の取り引きを禁じるもの」「輸出国の許可がなければ商取引ができないもの」「規制の下で商取引が可能なもの」の3つのランクに分けられている。(動植物種の生体だけでなく、その死体や剥製、毛皮、骨、牙、角、葉、根という生体の一部や、それらから加工された製品も対象になっている。)付属書において、規制対象となる野生動植物の種を詳細に指定している。但し、これはあくまでも国際取引においてのことであって、国内での移動に関しての制限は設けられていない。また、条約には罰則規定がなく、国内規定と罰則に関しては、条約加盟国が国内法で定めることになる。ちなみに日本では、「絶滅の恐れのある野生動植物の種の保存に関する法律」がこれに該当する。(「野生動植物保存法」または「種の保存法」とも呼ばれている。)→よって、劇中で高村さんが「ワシントン条約違反。」と言っているのは間違いではないが、条約には罰則規定がないので、これでは逮捕することは出来ず、正しくは「野生動植物保存法違反で逮捕する」と言うことになります。

二千円札」:発効されたのは2000年7月19日である。西暦2000年と、九州沖縄サミットを記念することで新たな紙幣が発行されることになった。特に「1」または「5」でない単位の通貨が発行されたのは戦後初であった。また、紙幣の表面に人物の肖像画がないのも特徴である。そして、最新のより高度な偽造防止策が多数採用されたということで、当時、話題にだけはなった。が、殆ど流通して折らず、発行枚数は5千円札よりも多いのに、大半は銀行に眠っていると言われている。(実際、町中でも目にすることもない状況ですね。)日本銀行は二千円札の有用性を主張しているが、それに納得するような人も殆どいないのが現実である。今では政府の愚策として笑いものにしかなっていない。(例えば、通常は2001円~2500円ぐらいで販売されているものを、「二千円札」で支払うのであれば2000円で購入することが出来るという法律でも作ったら、少しは普及するかと思いますけど...尚、販売店は差額を損することになるが、それは日銀が補償することにすればいいだけのこと。(色々と問題があるのは分かっているが、こういう柔軟な発想も出来ない日銀の主張に耳を傾けるような人はいません。)だけど、2000円弱の物(1800~1999円の物)を2100円ぐらいに値上げするという便乗値上げ組が必ず現れるでしょうが...)

現在は、新たな「二千円札」の発効は行われていない。(普及したら新たな生産を再開するとしているが、そんな日は来ないと思いますが...)ということで、「二千円札」に関しては面白いことになっている。日本の紙幣の発行は「大蔵省印刷局」が行っていたので、他の額面の紙幣にも「大蔵省印刷局」と印刷されていたが、省庁再編でこれが「財務省印刷局」に変わり、現在は更に「国立印刷局」に変わっている。しかし、「二千円札」には「大蔵省印刷局」というものしか存在していない。(「国立印刷局」と入っている「二千円札」があったら、それは偽札である。)

それにしても、ここまで使われない紙幣というのも他にないですね。兎に角、年間に複数回目にするか?というぐらいである。で、「そんなのあったなぁ」という状態になっているのだから、逆に「偽二千円札」が出回っても、お店ではバレる可能性は低いのではないかとも思うのですが...(しかし、偽札とバレた後のことを考えると、受け取った店員さんも珍しい紙幣を使った人物ということで逆に良く覚えていそうで、あっという間に似顔絵が出て、逮捕されてしまうとも思います。)いずれにしても、「偽札」すら登場しない「二千円札」(「千円札」「五千円札」「一万円札」の「偽札」というのは時々ニュースで耳にします。)というのは、紙幣としたら存在意義もなく、日本政府の愚策を象徴する事例の一つにしかすぎませんね...(政府に言わせれば「偽造防止」の効果があった、と言うでしょうが、現実的に使われていないものなんだから、それを偽造するバカ(存在しない「2万円札」を勝手に作るのと殆ど同じことである。)はいません。)

※言うまでもなく、偽札を作ることは犯罪行為であり、出回っていないからと言って「二千円札」の偽札を作るのも当然犯罪行為です。そのような犯罪行為を推奨する意志は微塵もありません。(念のため。)

 

ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX I

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↓参考まで

地球環境ガバナンスとレジームの発展プロセス―ワシントン条約とNGO・国家 (21世紀国際政治学術叢書)

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野生動物消費大国ニッポン―ワシントン条約とは何か

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  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1992/01
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コインと紙幣の事典 (「知」のビジュアル百科)

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  • 作者: 湯本 豪一, ジョー クリブ
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  • 発売日: 2006/09
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日本紙幣収集事典

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↓「二千円札」1枚ではなく「千円札」2枚も同じ「2000円」ですからね...

会社帰り本―千円札2枚でちょっと寄り道。今日のストレスさようなら。

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