4姉妹探偵団#6 [ドラマ]
またもアイデアは「ケータイ刑事」ネタを組み合わせたようなものになっちゃいましたね。しかも、それぞれから引っ張ってきたものを中途半端にアレンジしただけでは、目を覆いたくなるだけになるのも当然です。何を引っ張ってきたかと言うと、「銭形愛・14話」に「銭形零・1st.12話」の劇中ドラマの一節を組み合わせ、「銭形零・2nd.話」のなまはげ刑事を犯人に使っちゃっていました。
今回の物語は、土砂崩れで温泉宿が孤立するということで、「クローズド・サークル」というミステリーの世界では有名な状況(A.クリスティの「そして誰もいなくなった」がその代表である。他にも名作は多数あるのは言うまでもない。)を作り出したのに、孤立した温泉宿にいるキャラクタを完全に使いこなすことが出来ず、どうでもいいようなキャラが温泉宿にいたというのも、酷い物語を象徴する所でした。(長女と三女も、今回の物語には不要でした)→地上波ドラマでは「無駄なキャラ」も必要なのかも知れないが、そのような無駄が物語をダメにしている、ということにどうして気づかないのかなぁ?
兎に角、クローズド・サークルを使うなら、そこに登場するキャラ全員に何らかの秘密があり、その秘密が暴かれていきながら複雑に絡み、謎が謎を呼ぶからこそ面白くなるのである。それが出来ていないクローズド・サークルというのは、大人が小学一年生の授業を受けるのと何ら変わらない。(要するにつまらない、面白くない、得るものはない、時間の無駄である。)まあ、2時間ドラマならともかく、1時間枠で「クローズド・サークル」をやるのなら、登場人物は多くても5、6人にまで絞らないと...→30分枠の「ケータイ刑事」はそのことを十二分に分かっていて、しかもそれを逆手に取ったような物語を作るのも上手い!!
本作は「脚本がダメ」と言われているが、今回の脚本はその代表となるものでしたね。(こんな脚本で良いなんて、「脚本家って随分と楽な仕事なんですね...」と思われるだけですよ。)いずれにしても、ミステリーにおけるシチュエーションを一から勉強し直して、出直してもらうしかないですね。(KJ(加藤淳也先生)脚本だったらなぁ~)
そしてもう一つ大きな問題がある。原作の「3姉妹」を「4姉妹」に設定した意味が全くないものとなり、またも企画ミスを証明する物語になっちゃいました。特に、次女・綾子は全く必要なく、完全に無駄キャラでした。→だからと言って、銭形四姉妹の次女・泪ちゃんを意識して泣かせるために登場させたなんて、何を考えていることやら...(→それをやるのだったら、(綾子は)ミスキャストでしかない。)また、叔母とそのヒモ、三崎と課長も無駄キャラだったし、長女と三女も温泉宿では無駄キャラであった。
そしてそして、夕里子が写真から「左利き」ということに気づいたが、この「利き腕」をヒントに解いていくというのは「銭形海・2nd.」で頻繁に出てきただけに、「銭形雷・1st.14話」の雷ちゃんの台詞そのままに「これってパクリじゃないですか!!」と言っておきます。(夏帆ポンが左利きだからと言っても、全く意味不明だし...)
それならばということで「温泉」を舞台にしたことから、サービス・ショットをたっぷりと用意してあるのかと思ったら、サービス・ショットの方も殆ど無いようでは、何のための「温泉」だったのか...→普通「温泉」を持ってくると、起死回生になるのに、打ち切り決定のため「ご苦労さん」ということになりそうですね。(一応、次回予告が「最終回」となっていなかったので、3月にも放送があることが確定したが、ひょっとしたら全8話となるか全9話ということですかね。)
今回は、漢字に弱い夕里子が「矢魔八楼」を迷うことなく「やまはちろう」と読めた所で、ある予感を感じた。で、その予感はやはり悪い予感であって、本当に何も無い物語でした。夏帆ポンの動く写真集ということだけでした。(夏帆ポンが主演なので最後まで見ますけど...)
で、次回はトミーこと岡野警部(一応「M2」で「補」が取れました。)と芥川知帆/若尾早子をゲストに引っ張ってきて夫婦って... 国広さんと夏帆ポンならば、やっぱり零&トミーの新コンビで「銭形零・3rd.」しか考えられないでしょうに...
そして誰もいなくなった (クリスティー・ジュニア・ミステリ) (クリスティー・ジュニア・ミステリ 1)
- 作者: アガサ・クリスティー, 青木 久惠
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/12/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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