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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その41) [ケータイ刑事]

今回のテーマは「神秘の力を持つ女性」です。ここで言う「神秘の力」というのは、現在の科学では説明が付かない力のことを指している。よって、超能力の類がこれに該当し、未来を予知するとか、超常現象ということになる。とは言っても、「ケータイ刑事」に登場した超能力者というのはマジックの類のトリックを使っていて、実際にそういう力を有していたということではありませんでしたが...(そう言えば、歴代銭形が「超能力なんてあるはずがありません」と言ってましたね。)

登場して頂くのは、「007」からは3代目ボンドのデヴュー作であるシリーズ第8作「死ぬのは奴らだ」のボンドガール・ソリティア(再登場ですが...)、「ケータイ刑事」からは「・1st.9話」に登場した超能力者・レディ・リン、そして「・2nd.12話」に登場した千里眼・綾小路波子と、その波子の妹で「・2nd.10話」に登場した早乙女波江(綾小路波江)も前回に続いて登場してもらいます。

007」:ソリテア。シリーズ第8作「死ぬのは奴らだ」のボンドガールである。彼女はタロット・カードを使った占いを行い、未来に起こることを予知する能力がある。その未来を見通す能力は、よく言われるように、処女だから能力があるということになっていて、ボンドと関係を持ったことで未来を見通す力を失ってしまった。(彼女の母もそうであった。)で、能力を失ってしまったら、母と同じように捨てられると考えていた彼女は、カナンガにひたすら隠そうとするが、カードで未来を予知できなくなったことから、カナンガに処女喪失を感づかれることになった。(その時のカナンガのショックは尋常ではなかった。だからこそボンドと共に抹殺しようとしたのも、裏切られたという思いが強かったということである。)

ソリテアに未来を見通す力が本当にあったかは色々と議論のあるところであるが、少なくともボンドが現れることをタロット・カードで見抜いているだけに、全くデタラメであるとは言えない。(本作は「ブードゥ教の儀式など、神秘的な所があるだけに、「ある」ということにした方がいいでしょう。)

また、ボンドが現れる前に行った占いでは、確かにボンドのことを「恋人」として予知したが、ボンドと出会ってからは、ボンドはそれをソリテアに信じさせるためにイカサマ・タロットカード(全てのカードが「恋人」でした。)を使って信じさせた。で、それから恋に落ちて、ということになった。

ケータイ刑事」:レディ・リン。「・1st.9話」に登場したゲスト・キャラである。この物語はシリーズ初の公開収録による物語であり、2004/1/31に東京・お台場ヴィーナスフォートで行われたものである。(後に「銭形海」が舞台公演を行ったが、その原点と言っても良いものである。)で、レディ・リンは超能力者ということで、超能力ショーを行っていた。で、そのショーの最中に殺人事件が起こった。が、それらは全て計画された殺人だった。レディ・リンは子供の頃から不思議な能力を持っていて、みんなからは怪物と呼ばれていた。が、殺された柏崎だけは違っていた。そういうことでリンは柏崎に愛を感じたが、愛を知ったら能力が消えていってしまった。それで柏崎は、能力が消えたなら消えてないふりをしろ、とリンに言い、リンは本当に愛されていなかったことを知り、復讐をしたのだった。

ということで、幼い頃のリンには超能力があったと語られているが、どういうことが出来たのかまでは語られていない。で、「超能力ショー」を行っていた時には完全にその能力は失っていたということになる。(タネのあるマジック・ショーと同じことになる。)

ケータイ刑事」:綾小路波子。「・2nd.12話」に登場したゲスト・キャラである。「千里眼を持つ女」として警察を批判して挑戦状を送ってきた。で、ちゃんと高村さんに番組の中で対決する。千里眼によって犯人が分かると豪語して、番組の中で予言した通りの殺人事件が起こった。が、全ては波子の仕掛けたトリックであって、計算した上での犯行であった。目的は売名行為であったが、全てがインチキであった。よって形の上では「神秘の力」を持っているように見えたが、全てはマジック・ショーの類で、全てタネがあった。

ケータイ刑事」:早乙女波江。「・2nd.10話」に登場したゲスト・キャラであり、本名は「綾小路波江」。綾小路波子の妹である。姉・波子が逮捕されて刑務所で死んだことから、銭形一族に恨みを持ち、姉の恨みを晴らすために「早乙女波江」という名前で「予言者」としてちゃんに接近し、姉の復讐を果たそうとした。(前回にも記しているので、そちらも参照されたし。)が、結局は全て自分で仕組んだことであって、ビジョンというのもでっち上げであり、実際にはそういう能力は持っていなかった。尚、綾小路姉妹にも3人目の妹がいるかもしれないが、「銭形海」では登場しませんでした。いるとしたら7代目以降ということになるが、果たして3人目はいるのか?

今回「ケータイ刑事」から登場して貰った3人は、レディ・リンは幼少期には能力を持っていたことになっているので、インチキであった綾小路姉妹とは一応一線を画しておくことにする。(「恋日・ニュータイプ」で、伝説の超能力者・みのるが「世間にはニセモノが多い」と言っていたが、その言葉を象徴している所でもある。)で、「神秘の力」という能力を持っていたソリテアとレディ・リンについての類似点、共通点を述べることにする。

共通点は、ずばり「愛によって能力を失った」のと、その能力に目を付けて彼女を「利用しようとした男」がいたということである。こういう能力が実在するのか、ということに関しては、ここでは肯定も否定もしない。が、一般的にこういう能力を有する美女は神秘的なイメージを高めるということもあって、色恋は御法度とされている。(恋愛をすると能力を失ってしまう、とされている。→能力自体が存在するのかどうかという議論もあるので、恋愛感情によって能力を失うということも実証はされていませんが...)で、そのような感情を持ったことから能力を失ってしまう、というのは、王道と言ってしまえばそれまでであるが、他の変なこと(例えば死亡という余りにも簡単なこと)で能力を失ってしまうということよりも説得力だけはある(と感じる)。

また、その能力に目を付けて利用しようとした男というのは、ソリテアにはカナンガ(=ミスター・ビッグ)であり、レディ・リンには柏崎ということになる。神秘な能力を持つ彼女たちは純粋であるために利用されやすいというのも王道を行く設定であるが、やはりその通りになったというのは、「007」も「ケータイ刑事」も、製作者たちがポイントを知っているということにもなる。というのは、一般的には存在が証明されていない能力を前面に出して物語を進めていくと、「物語自体がフィクションである」ということを一段と強く感じさせてしまうことになってしまう。また、ストーリー展開に粗があった場合はこれが逃げ道になってしまい、「フィクションだから...」で誤魔化されてしまう。が、両作とも王道をいく展開としたことから、フィクションであるが、そのフィクションにリアルさを生むことになり、同時に「フィクションだから」という逃げ道も放棄することにもなる。→両作の製作スタッフは節度ある常識を持っているという証にもなり、だからこそ本当に楽しむことが出来るエンタテイメント作品が生まれるのである。(中には、度を超えたバカはつまらない、ということを理解せず、イザとなったら「フィクションだから」を粗がある展開の言い訳にしている作品が以下に多いことか...そういう作品は見ていても痛いだけである。)

ソリテアはボンドという白馬の王子が現れて救われたが、レディ・リンには救ってくれる白馬の王子が現れなかったということが大きな相違点ということになる。リンは純粋な女性だからこそ裏切られたと知ると犯罪者に一気に堕ちてしまったが、キャラクタとしたらソリテアと同じである。

一方、ソリテアとレディ・リンのように純粋ではなく、野心を持っていたのが綾小路姉妹だったということになる。(元々、能力は持っていなかったですが...)神秘的な力を使う者は、純粋でなくてはならないということで、野心という「邪心」があればその能力は使えない、という教訓(?)にもなっていると思えば、これもまた面白いところである。(流石は「ケータイ刑事」である。こういう所まで考えられているというのは、やっぱり凄い所である。)

次回も、「ボンドガールとゲストキャラにおける類似点」というテーマで続けます。誰が登場するのかはお楽しみに。

 

 

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