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「必殺!」(その6) [映画(邦画)]

今回は、中村主水が主役になった劇場版の第2作と第3作の2本です。必殺らしい荒唐無稽な物語となった作品と、1963年の映画「十三人の刺客」を彷彿させた評価の高い作品ということになる。

シリーズ第2作「必殺! ブラウン館の怪物たち」(1985年)
作品データを記しておくと、1985年の松竹と朝日放送の提携作品であり、松竹は90周年、朝日放送は35周年の記念作品でもある。時間は122分、監督は広瀬襄、脚本は吉田剛、撮影は石原興、美術は倉橋利昭、音楽は平尾昌晃である。そして出演は、藤田まこと、山田五十鈴、村上弘明、京本政樹、鮎川いずみ、ひかる一平、山内としお、金田龍之介、沖田浩之、笑福亭鶴瓶、森田健作、柏原芳恵、中井貴恵、西川のりお、明石家さんま、平幹二朗、白木万理、菅井きん、たちである。

仕事人の顔ぶれは、本作公開時にTVで放送されていた「仕事人Ⅴ」のメンバーを中心にしたものとなっている。舞台は幕末の京都。京都公卿を中心とする倒幕派のグループと、死の商人を中心とする外人グループが、京都・岡崎にある徳川家康が建てた黒谷屋敷の謎を巡って争っている中に、主水たち仕事人たちが巻き込まれていくというものである。

TVシリーズでは味わうことの出来ないスケールの物語となり、テンポ良く見せてくれる。娯楽作品ということではたっぷりと楽しむことが出来る作品であるが、TVシリーズとは随分とかけ離れて、荒唐無稽な物語になっている。まあ、劇場版というお祭りだと思えばよろしいかと...

シリーズ第3作「必殺! Ⅲ 裏か表か」(1986年)
作品データを記しておくと、1986年の松竹、朝日放送、京都映画の作品で、時間は126分である。監督は工藤栄一、脚本は野上龍雄、保利吉紀、中村勝行の3人、撮影は石原興、美術は太田誠一、音楽は平尾昌晃である。そして出演は、藤田まこと、伊武雅刀、松坂慶子、成田三樹夫、三田村邦彦、村上弘明、柴俊夫、笑福亭鶴瓶、川谷拓三、岸部一徳、白木万理、菅井きん、鮎川いずみ、たちである。

本作公開時にTVで放送されていたのは「仕事人Ⅴ・激闘編」ということで、そのメンバーが中心になっているが、そこに秀が加わっているのが特徴である。また、「仕事人」シリーズが続くようになると、TVシリーズでは仕事人は命を落とすことが無くなったが、本作からはTVシリーズの仕事人が最期を迎えるということが加わるようになった。

江戸の地下金脈を巡って、闇の金融集団と対決することになる仕事人たち。次第に追いつめられていって、一人、また一人と命を落としていく。工藤栄一監督の傑作「十三人の刺客」を彷彿させるラストは、これぞ「必殺!」という見応えたっぷりの作品に仕上がっている。

松竹の看板女優。松坂慶子をはじめ、個性豊かなキャスティングもしっかりしており、前2作の様なエンタテイメント作品の要素を捨てて、迫力の殺陣、重厚なストーリーでグイグイと見せてくれる。中村主水が登場した劇場版は全部で6本あるが、その中では間違いなく最も出来の良い作品である、と言える。じっくりと見ましょう!

 

必殺 ブラウン館の怪物たち

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必殺!III 裏か表か

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↓参考まで
十三人の刺客

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十三人の刺客

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