「LES TRIBULATIONS D'UN CHINOIS EN CHINE」 [映画(洋画)]
表題の作品は1965年のフランスとイタリアの合作映画「カトマンズの男」である。言うまでも亡く本作は1963年の映画「リオの男」に続く「男」シリーズの第2弾である。また、アメリカでのタイトル(英語タイトル)は「UP TO HIS EARS」である。'60's作品らしいノリのアクション・コメディ作品である。
作品データを記しておくと、時間は105分、原作はジュール・ヴェルヌ、監督はフィリップ・ド・ブロカ、脚本はダニエル・ブーランジェとフィリップ・ド・ブロカの2人、撮影はエドモン・セシャン、音楽はジョルジュ・ドルリューである。そして出演は、ジャン=ポール・ベルモンド、ウルスラ・アンドレス、ヴァレリー・ラグランジェ、ダリー・コール、ジャン・ロシュフォール、マリア・パコーム、ジェス・ハーン、ヴァレリー・インキジノフ、マリオ・ダヴィド、ポール・プレボワ、たちである。
アルテュールは、莫大な父の遺産があり、あらゆる快楽に飽きてしまい、生きている意義も見出せないという退屈男であり、自殺法の研究を行って実行を試みるが、いつも失敗を繰り返していた。そんな中、彼は一家と共に世界一周の航海に出た。そして香港に着いた時、株が大暴落して破産したことを告げられた。これで自殺の名目が出来たと喜ぶアルテュールだったが、中国人の友人・ゴオに止められ、どうせ死ぬなら有意義に死ね、と言われて200万ドルの生命保険が掛けられた。それから彼には怪しげな2人の尾行者がいつも後を追いかけてきた。で、それを恐れて逃げ回るアルテュール。逃げ込んだバーでストリッパーのアレキサンドリーヌに匿ってもらい、その場は何とか逃れる。が、それから彼は急に命が惜しくなった。で、ゴオを追ってネパールへ向かう。やはり尾行者はついてくるが、それは保険会社が付けたボディガードであり、保険金の一部を貰うと約束していた香港ギャング・フォリンスターがアルテュールの命を狙っていたことを知る。派手に逃げ回るアルテュールは何とかギャング一味に勝ち、アレキサンドリーヌと共に生きる喜びを得た。そんな所に破産宣告は間違いだったことが分かり...
東洋(香港、ネパール、マレーシア)を舞台に、ドタバタ劇が繰り広げられる。そんな中に、スリルとアクションとギャグとお色気がたっぶりと散りばめられていて、楽しくなってくる作品である。が、ここにあるのは'60's作品ならではの楽しい世界であり、現代のコメディ作品にあるものとは完全に別世界の楽しい世界である。(だからと言って、'60's徳有のサイケデリックな世界でもない。)'60'sの各種コメディ作品を受け入れられることが出来る方は、たっぷりと楽しむことが出来る娯楽作品である。→如何にも'60's作品らしい作品である。
↓本作はDVD化されていないので、J=P.ベルモンド出演作をいくつか
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