篤姫#11 [ドラマ]
今回は、またも青春ドラマに戻っちゃいました。薩摩を舞台にした物語もまもなく終わるが、やり残していたことをやっておこうということですかね。が、今回は人物描写がしっかりと出来ていて、篤姫、尚五郎、斉彬、幾島がそれぞれの持ち味をしっかりと出していました。
そんな中、御台所になる決意をした篤姫は完全に人が変わって、熱心に学びの日々、修行の日々を続けていたが、尚五郎の名前を聴くと、スイッチを切り替えたように昔に戻り、そして飛んで行った。(文字通り「飛んで行った」という表現がピッタリでした。)→この部分が今回の全てでしょう。全ては篤姫と尚五郎の再会のために、サイドストーリーがあったという感じでした。
実の父に御台所ということを話した斉彬。その言葉に舞い上がった父、落ち着いていた母、口の軽い兄。三者三様の反応は面白い所でした。で、兄が尚五郎に話し、またまた尚五郎の(失恋)青春ドラマに戻り、尚五郎だけがまたもピエロ状態になって話が進んでいく。西鄕と大久保も頭角を現してきていることが描かれているが、尚五郎ピエロとの対比はなかなか面白い所でした。
今回のメイン・イベントである「篤姫と尚五郎の再会」。全て斉彬の計らいによって実現したことであるが、上に立つ者らしく人を見目があるという所がしっかりと描かれていました。また、心配する幾島の行動も当然であろうが、キャラがしっかりと描かれていました。
再会した二人は囲碁をということで、二人きりにしてもらえたが、そうなると、篤姫が直ぐに昔のじゃじゃ馬時代に戻って笑顔を見せ、尚五郎も昔を思い出す、というのも、人物描写が上手くできている所であった。尚五郎は篤姫のことを「あなた」と言うが、直ぐに「あなた様」と言い直すなど、昔に戻っても主従上下関係を思い出し、戸惑いと自分の手の届かない大きな存在になったことを上手く表現していました。そして、篤姫が大きく成長したことを知った尚五郎も、今後が楽しみになりました。
その篤姫は、色恋話にだけは疎い、ということを間接的に斉彬から話されるが、それが分からないというのもキャラが出ていて面白い所でした。
今回の物語では、それ以外の部分、つまり、江戸での話やお近の香はちょっと浮いていて、別になくても良かったように思った所である。特に江戸の方は、薩摩編の総決算に向かっているだけに、簡単に語りだけで済ませるだけでも良かったかと...→大風呂敷を広げて、それを完全に畳むことが出来ない状態になっている...
で、江戸に出発する日が告げられ、その日まで一月弱ということで、青春ホームドラマも(本当に)まもなく終了ですよね???
おまけ:今回の篤姫の笑顔は、「銭形愛・17話」で五代さんのお見合いを影からチェックしている悪戯っぽさの愛ちゃんの笑顔を思い出しました。
NHK大河ドラマ・ストーリー 篤姫 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
- 作者: 宮尾 登美子
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2007/12/20
- メディア: ムック
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