YMO『SOLID STATE SURVIVOR』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1979年に発表された彼らの2nd.アルバムである。世界的にはディスコ・サウンドの一大ブームの中、ニューウェーブの一つとして登場してきた「テクノ」をポップスと融合させて、テクノ・ポップという新しいジャンルを生み出し、また'80'sにはシンセサイザーを使った所謂「エレ・ポップ」の全盛時代を迎えることになる基礎を作った歴史に残る名盤である。
収録曲は以下の全8曲である。『Technopolis』『Absolute Ego Dance』『Rydeen』『Castalia』『Behind The Mask』『Day Tripper』『Insomnia』『Solid State Survivor』。(一応、日本語表記での曲名も記しておくと、『テクノポリス』『アブソリュート・エゴ・ダンス』『ライディーン』『キャスタリア』『ビハインド・ザ・マスク』『デイ・トリッパー』『インソムニア』『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』となる。)
この中からは『Technopolis/テクノポリス』(オリコンで最高位9位)と『Rydeen/ライディーン』(オリコンで最高位15位)がシングル・カットされてヒットを記録していて、YMOの代表曲になっている。
1st.アルバムからのサウンドは大きく変わり、本アルバムではダンス・ミュージック、さらにはニューウェーブに近づいている。とても分かりやすいサウンドでもあって、'80'sという新しい時代を目の前にして、来るべき新時代を予感させるものになった。
筆者のお薦め曲は、『Technopolis』『Rydeen』は当然であるが、この2曲を抜きにしてYMOを語ることは出来ない。共に自然と身体が動き出してしまうダンス・ミュージックであるとともに、近未来を意識させたサウンドはまさに「テクノ」の代表的な曲である。更に、『Absolute Ego Dance』と『Castalia』も同様の曲であり、お薦め曲として記しておく。そして注目なのは『Day Tripper』である。言うまでもなくこの曲はBEATLESの名曲であるが、それをYMOが取り上げたということだけでも注目であるのだが、BEATLESとは違う世界を見事に築き上げている。
かれこれ30年近くが経過しようとしているアルバムであるが、全く色褪せることのないサウンドである。YMOのキャリアを考えたら、本アルバムの後でもサウンドが変化していくので、時間軸上の一つの断面ということになる。が、YMOと言えば本アルバムというように代名詞になっていて、時代に見事にマッチした金字塔アルバムであり、歴史に残る名盤である。後に同じ曲が違うアレンジで収録されたりしているが、やはり本アルバムで聴くのが正しい所である。じっくりと聴きましょう。
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