「TOTO LE HEROS」 [映画(洋画)]
表題の作品は1991年のベルギー、フランス、ドイツの合作映画「トト・ザ・ヒーロー」である。この作品はカンヌ映画祭で新人監督賞(カメラドール)を受賞し、ジャコ・ヴァン・ドルマル監督のデヴューがセンセーショナルなものになった。また、洋楽ファンにとっては「TOTO」と聴くとあの有名なバンドの名前が先に浮かぶ所であるが、本作は全く関係ない。(主人公であるトマの愛称である。)
作品データを記しておくと、時間は92分、監督と脚本はジャコ・ヴァン・ドルマル、撮影はウォルター・ヴァン・デン・エンデ、音楽はピエール・ヴァン・ドルマールである。そして出演は、ミシェル・ブーケ、トマ・ゴデ、クラウス・シンドラー、サンドリーヌ・ブランク、ミレーユ・ペリエ、ジョー・ドゥ・バケール、フェビエンヌ・ロリオー、たちである。尚、ミシェル・ブーケは本作でヨーロッパ映画賞の主演男優賞を獲得しており、セザール賞では本作が外国映画賞をしている。
主人公の回想形式でその生涯を振り返っていくという実験的に手法で描いた人間ドラマであり、この手法は高く評価された。派手な所は無いが、ググッと物語に引き込まれる作品である。
老人ホームで暮らすトマ。彼が人生を振り返る。自分は産院の火事の時に取り違えられたと信じていて、その火事によって全ての幸せを奪われてしまったと思っていた。少年時代の思い出がよみがえり、父の死、姉の死があった。青年になると、死んだ姉にソックリなエヴリーヌに恋したが彼女は人妻(アルフレッドの妻)だったという悲しい恋があった。自分と取り違えられたアルフレッドは大実業家になり、殺し屋に命を狙われていることを知ると、死を間近にしてアルフレッドへの復讐を決意し、老人ホームを抜け出してアルフレッドの家に向かったが...
アメリカ映画にはなく、如何にもヨーロッパ映画らしい柔らかな雰囲気を持っているが、それでいてなかなか痛烈な思いを感じる物語でもある。しかし、死を間近にしてようやく復讐を決意するという主人公というのは、色んな意味で仰天させられました。
↓ビデオです。
↓ミシェル・ブーケ出演作をいくつか
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