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「必殺!」(その9) [映画(邦画)]

今回は、中村主水が亡くなった後、新に「必殺」の看板を背負うことになった勇次を主役にした作品です。TVシリーズでは「必殺仕切人」で主役となった勇次であるが、劇場版でも主役に昇格したことで、新たな必殺の看板になるはずだったのですけど...

シリーズ第7作必殺! 三味線屋・勇次」(1999年)
作品データを記しておくと、1999年の松竹京都映画の作品で、時間は101分である。監督は石原興、脚本は野上龍雄、撮影は藤原三郎、音楽は平尾昌晃と長部正和の2人である。そして出演は、中条きよし、中尾彬、阿部寛、天海祐希、清水健太郎、石橋蓮司、名取裕子、藤田まこと、たちである。尚、藤田まことは主水ではなく、上方から江戸に流れてきたかつての仕事人の元締・伝兵衛として登場している。

江戸の町では秘薬・回春丸が大人気になっていた。が、回春丸の服用者に死人が出たことから、その開発者である上総屋は人々から人殺しの汚名を着せられ、父娘で姿を隠す。が、悪徳薬問屋の富貴屋によって上総屋は囚われの身となり、行方不明の父を思う娘・おとよは夜明かしの女将となっていた。そんな中、上総屋が富貴屋に囚われていることを知り、上総屋を助けだそうと弥助は動く。しかし、上総屋は富貴屋の療養所で死んでしまい、自殺のように見せかけて上総屋の死体を川に流す富貴屋。弥助は勇次に富貴屋殺しの仕事の依頼をしたが、情が絡んだ仕事は受けられない、と勇次は拒否。仕方なく弥助は内田という仕事人と共に富貴屋に乗り込むが、内田は富貴屋に通じていて、弥助は返り討ちに遭った。更に富貴屋の背後にいた火盗改・坂巻は、弥助を獄門さらし首にして、それを見たおとよは失意の末に自害してしまった。それを知った勇次は、窃盗集団の元締・お喜和と弥助の上方時代の仕事人の元締・伝兵衛らと共に、富貴屋一味に立ち向かって行く...

「必殺」シリーズの劇場版と言えば、仕事人が陰謀に巻き込まれて命を狙われる、というのがパターンであったが、本作はそういうことは排除し、TVシリーズの延長線上にくるような物語となっている。ということで、スケールは小さくなり、時間的なことからもTVシリーズのスペシャルというような感じの作品になっている。が、じっくりと人間関係を描いているので、「必殺仕事人」(特に「Ⅲ」)以降のショーのような派手さはないが、作風は前期「必殺」シリーズを思わせる作品になっている。また、後期「必殺」シリーズらしく、時事ネタをベース(回春丸の元ネタはバイアグラです)にしているなど、後期「必殺」シリーズの要素もしっかりと出ている。もっと評価されても良い作品ですけどね...

 

必殺!三味線屋勇次

必殺!三味線屋勇次

  • 出版社/メーカー: GPミュージアムソフト
  • メディア: DVD

↓参考まで

必殺シリーズ完全殺し屋名鑑 月が笑ってらぁ編 (ザ・テレビジョン文庫)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/02
  • メディア: 文庫

必殺シリーズ完全殺し屋名鑑 荒野の果てに編 (ザ・テレビジョン文庫)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/02
  • メディア: 文庫

必殺シリーズ完全闇知識 やがて愛の日が編 (ザ・テレビジョン文庫)

必殺シリーズ完全闇知識 やがて愛の日が編 (ザ・テレビジョン文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/08
  • メディア: 文庫


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