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「まむしの兄弟」(その7) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローシリーズの第20弾として記してきた「まむしの兄弟」も今回で最後となります。で、今回は1997年に製作されたリメイク作品「まむしの兄弟」を番外編扱いとして取り上げます。言うまでもなく、'70'sにシリーズ8作が製作された作品を90's風にアレンジした作品である。菅原文太と川地民夫のコンビは、柳葉敏郎と中村繁之のコンビになっている。

まむしの兄弟」(1997年)
作品データを記しておくと、1997年のジャパン・アートの作品で、時間は110分である。原案と脚本は高田宏治、監督は村川透、撮影は緒方博、美術は山崎輝、音楽はクレイジー・Aである。そして出演は、柳葉敏郎、中村繁之、葉月里緒菜、岡本夏生、金子賢、夏木マリ、藤竜也、松田未羽、明石家さんま、村上ショージ、KORN、たちである。

物語は、「まむし」の異名を持つやくざのゴロ政が出所してくる。彼は、初老の無期懲役の男から頼まれて、彼の娘の結婚祝い金を預かっていて、まずは弟分の勝のいる大阪にやってくる。で、早速女遊びに走るゴロ政。が、そこでの相手・ナツメは未成年の援助交際をしていた。るで、シャブの売人であり、ナツメの恋人でもあるケンと話をつけようとするが、勝と一緒にぼこぼこにされてしまう。そんな中、ゴロ政は、関東進出を企む万城組の女組長から客分になってほしいという申し出を受けた。が、出所前に無期懲役囚から頼まれたことを思い出し、勝と共に横浜に向かう。結婚式に間に合ったものの、ゴロ政は花嫁・美夏に一目惚れ。美夏は仙崎組の女組長であり、しかもケンの姉だと分かる。しかし仙崎組は、密輸をしている台湾マフィア・ヘブンに狙われていて壊滅寸前だった。結婚式を終えた美夏だったが、ヘブンから狙われて、新郎は殺されてしまう。ゴロ政は美夏の力になろうとして、勝を大阪に追い返し、仙崎組の組員となる。そして事情を知るゴロ政。美夏は自身が犠牲になる決心をするが、ゴロ政はこれを止めようとする。コブラに撃たれ、改心したケンも撃たれた。辛うじて命を取りとめたゴロ政は大阪に帰らなかった勝と共に、ヘブンに殴り込みをかける...

ストーリーは確かに'70'sのシリーズ作品に倣っていて、ノリも出来るだけ同じ調子に進んで行こうとするのだが、何処か違うんですよね。'90'sらしい設定が用いられていて、シリーズ作品との違いも出しているのだが、これによってスマートな所が出てきて、パワーが無くなってしまった。で、登場人物は「ゴロ政と勝」を名乗っているが、名前が一致しているだけであって、ハチャメチャぶりのスケールも小さく、このコンビに魅力を感じない。コメディ部分にしても物足りなかったのも致命的でした。で、「昔の名前で出ています」も通用しなくなった'90'sに消えていきました。オリジナル・シリーズは、'70'sの持っている独特の世界観が炸裂したシリーズであったが、時代が変わり、それが「お伽噺」となった'90'sに、無理に'90'sの色を出したのがミスだったということですかね...

'70'sに製作されたシリーズ作品も、終盤の作品では行き詰まった感じがあり、ハチャメチャに暴れてぶっ飛ばそうとしたが、'70'sも中盤になると世の中も平和になってきて、時代の変化に対応しきれなくなり、幕を迎えたが、結局はそこまでのシリーズ作品でした。('97年作品は無くて良い作品でした。)しかし、初期数本は痛快で楽しい作品でありました。シリーズ全8作とは言わないが、5作目か6作目ぐらいまではDVD化してもらいたいところである。

 

↓本作もビデオだけです。

まむしの兄弟

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: VHS

 

↓こちらの村川監督作品は面白かったのですけど...

もっともあぶない刑事

もっともあぶない刑事

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: DVD

あぶない刑事 リターンズ

あぶない刑事 リターンズ

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: DVD


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