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「渡り鳥」(その5) [映画(邦画)]

今回はシリーズ3年目となった1961年に製作された2本(シリーズ第6作と第7作)の2本についてです。

シリーズ第6作波涛を越える渡り鳥」(1961年)
市、脚本は山崎巌、撮影は高村倉太郎、音楽は小杉太一郎である。そして出演は、小林旭、宍戸錠、浅丘ルリ子、白木マリ、小高雄二、金子信雄、近藤宏、清水将夫、木浦佑三、藤村有弘、深江章喜、瀬山孝司、伊藤寿章、初井言栄、野呂圭介、青木高夫、倉田栄三、沢美鶴、たちである。

ギターを抱えた渡り鳥の滝伸次は、横浜でギャング団に襲われた貿易商・松本を助ける。この時、ギャング団の一員が落としていったネックレスは、戦争中にビルマ国境の谷底で死別した兄・昭次のサンゴのネックレスだったということで、それを持っていたのは香港の忠安公司ジェラール・ウィリイと知ると香港に飛ぶ。が、忠安公司は香港にはおらず、バンコクにいるということで、バンコクへ向かう。そして現地のキャバレーに入る。そこでラオスの虎という早射ちの名人とその女・サーヤを知る。そんな所に、ジェラールに対してジルコン鉱山の権利書を奪うように命令が出る。で、それを追う伸次。が、ジェラールの一味に襲われる伸次。それを助けるラオスの虎。やがてあのネックレスはラオスの虎の持ち物だと言うことが分かり...

本作の舞台は日本ではなく、香港、そしてバンコクということで、これまでのシリーズとは大きく違っている。また、展開も少し違ったものになり、冒険ものという感じの作品となり、「渡り鳥」の持っているイメージとはかけ離れてしまった。これはこれで悪くはないが、「渡り鳥」には似合っていません。

シリーズ第7作大海原を行く渡り鳥」(1961年)
作品データを記しておくと、1961年の日活作品で、時間は79分、原作は三原貞修、監督は斎藤武市、脚本は山崎巌、撮影は高村倉太郎、音楽は小杉太一郎である。そして出演は、小林旭、藤村有弘、浅丘ルリ子、白木マリ、楠侑子、青山恭二、芦田伸介、垂水悟郎、日下部美帆、木浦佑三、郷えい治、弘松三郎、待田京介、黒田剛、河上信夫、島村謙次、光沢でんすけ、花村典克、たちである。

本作から宍戸錠が出演していないということで、急にスケールダウンしてしまった感が拭えないが、これまでのシリーズのパターンに戻ったということで、これはこれで悪くはない作品である。

九州・雲仙高原に流れ着いた滝伸次。いきなり襲われている観光馬車を目にして助けに入る。助けられたのは大洋貿易社長・磯部、雲仙観光の経営者信夫の妹・由紀、長崎にいる父親を訪ねてきた少女・三木みどりだった。で、観光事業に絡む悪玉に立ち向かって行き、ヒロインを助けるという、本シリーズの典型的なパターンで物語が進んで行く。

本作では、ツブテの竜というライバルが登場し、彼がまた怪演しているのだが、宍戸錠が演じたライバルたちと比べると、何か物足りなさがあるのもまた事実である。

まあ、前作が「渡り鳥」シリーズの唐を打ち破ろうとして海外を舞台にした作品であっただけに、「渡り鳥」シリーズらしい作品に感じられるのだが、シリーズ全体としたら息切れしたと感じられる1本である。

今回の2本は、人気シリーズを更に飛躍させようとした試み(第6作で海外を舞台にしたこと)から始まる(今でこそ言えることでもあるが)シリーズに幕を引かせる階段を降りていくような作品ということで、どことなくかみ合いの悪さを感じてしまう作品であるが、「渡り鳥」シリーズということを忘れたらそれなりに堪能できる作品でもある。ということで、シリーズ作品の難しさを感じる作品でした。

 

波涛を越える渡り鳥

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大海原を行く渡り鳥

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