「拳銃無頼帖」(その5) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローシリーズの第27弾として述べてきた「拳銃無頼帖」シリーズも、今回が最終回です。今回はトニーの没後、高橋英樹主演で製作されたリメイク作と、小林旭主演で製作された番外作品についてです。両作とも、シリーズの中には含められないが、作風はトニー主演作と同じで、日活得意の無国籍アクション作品である。
リメイク作品「抜き射ちの竜 拳銃の歌」(1964年)
作品データを記しておくと、1964年の日活作品である。物語としたらシリーズ4作とはまた別のものであるが、基本的にはシリーズ第1作「拳銃無頼帖 抜き射ちの竜」のプロットを使っている。よってそのリメイクと言うことが出来る。
原作は城戸礼、監督は野口晴康、脚本は山崎巌と佐藤道雄の2人、撮影は永塚一栄、美術は中村公彦、音楽は山本直純である。そして出演は、高橋英樹、宍戸錠、小高雄二、香月美奈子、山本陽子、岩谷肇、菅井一郎、垂水悟郎、藤村有弘、金子信雄、深江章喜、郷えい治、天坊準、河野弘、宮島準、たちである。
恋人・房江を殺された抜き撃ちの竜は、黒木一味に復讐をするために姿を消していたが、暗黒街の魔力に魅せられた義弟・健次を救いだすため戻って来る。が、黒木一味は健次のアパートで待伏せてをしていて、監禁されてしまう。また、水原興業幹部の死体があり、犯人と誤解されてしまう。そんな中、旧知の間柄の前田刑事のお陰で釈放される。水原興業は竜に用心棒になるよう言い寄ってくるが、竜はそれを受けなかった。一方、健次は博打で大金を失っていて、三津田組を追われ、三津田組は竜をも狙う。で、竜は健次の博打の後始末をつけるために水原興業の用心棒となる。そんな中、竜は、健次の恋人だったみどりから、三津田がマリファナの取り引きをする場所の情報を得るが...
コルトのジョウは宍戸錠が演じていて、こちらは良いのだが、抜き撃ちの竜の高橋英樹はちょっとイメージが違う。ということで、今ひとつ乗り切れない所があるが、物語はトニーの第1作のリメイクということで、それなりに楽しむことは出来る。
番外編「拳銃無頼帖 流れ者の群れ」(1965年)
原作は城戸礼ではないし、主人公は麻島七郎、ライバルとして「コルトの○○」と言うキャラもいないので、完全に別物であるが、出演者の顔ぶれとタイトルがシリーズに繋がっているということで、一応「番外編」とされている作品である。(でも、タイトル次第では「渡り鳥」シリーズや「流れ者」シリーズの番外編にもなり得るだけに...)
作品データを記しておくと、1965年の日活作品で、時間は93分である。原作は松浦健郎、監督は野口晴康、脚本は松浦健郎と佐藤道雄の2人、撮影は姫田真佐久、美術は中村公彦、音楽は鏑木創である。そして出演は、小林旭、宍戸錠、葉山良二、松原智恵子、郷えい治、武藤章生、楠侑子、深江章喜、二本柳寛、小笠原章二郎、三崎千恵子、東恵美子、中庸子、雪丘恵介、宮崎準、河野弘、八代康二、玉井謙介、山田禅二、たちである。
水原組と丸千組のヤクザの抗争は激しくなり、水原組が勝利を収める。丸千組の組長・丸川千吉は水原組とは別の組織・八紘会の手によって射殺され、生き残った丸千組幹部・麻島、円谷、三宅の3人は、組長の遺言に従ってヤクザから足を洗うことにした。が、麻島は一人で復讐を果たそうと誓っていた。が、八紘会組長・貝塚は、麻島たちの復讐を恐れて、麻島たち3人の幹部を殺すために殺し屋を雇っていた。次第に3人に忍び寄る殺し屋。やがて、円谷と三宅も麻島の復讐に加わることを近い、3人を狙った殺し屋も麻島に寝返っていく。そして八紘会に挑んでいく...
小林旭主演ということで、「渡り鳥」シリーズや「流れ者」シリーズが頭に浮かぶが、これらとは明らかに違う作品である。で、確かに「拳銃無頼帖」に近い所は感じる。が、やはり別物である。タイトルにどうして「拳銃無頼帖」の名前が入っているのか、理解できません。が、タイトルの事を忘れると、本作はハードボイルドな展開で、十分楽しむことが出来る作品である。
ということで、トニー主演作以外は、それなりに楽しむことは出来るが、「拳銃無頼帖」とは一味違う作品である。(リメイク作が「拳銃無頼帖」のも度をタイトルに入れなかったのは正解ですね。)
↓今回の2作はソフトが無いので、シリーズ4作をピックアップしておきます。
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