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「昭和残侠伝」(その4) [映画(邦画)]

今回は1967年に製作されたシリーズ第4作の1本についてです。

シリーズ第4作昭和残侠伝 血染の唐獅子」(1967年)
作品データを記しておくと、1967年の東映東京の作品で、時間は90分、監督はマキノ雅弘、脚本は鈴木則文と鳥居元宏の2人、撮影は星島一郎、美術は藤田博、音楽は菊池俊輔である。そして出演は、高倉健、藤純子、池部良、津川雅彦、曽根晴美、山城新伍、牧紀子、萩玲子、宮城千賀子、清川虹子、天津敏、大村文武、沢彰謙、小林勝彦、加藤嘉、水島道太郎、金子信雄、河津清三郎、須賀良、岡部正純、桑原幸子、植田灯孝、久保一、八名信夫、北川恵一、佐藤晟也、萩原正勝、荒船行一、志摩栄、久保比佐志、内藤正、小塚十紀雄、打越正八、木川哲也、岡野耕作、たちである。

時は昭和初期。浅草の左官、大工の棟梁・鳶政は病身と言うことで、後取りの小頭・秀次郎が兵役から帰って来るのを待っていた。上野で博覧会が開かれることになり、その地は鳶政の縄張りだったが、博徒阿久根一家が札束で工事の利権を譲れと言ってくる。鳶政はこれを断るが、阿久津の子分・三日仏に殺されてしまう。更に阿久津は市の土木局長・高見沢と結託し、鳶政傘下の業者を買収する。そんな所に秀次郎が帰ってくる。工事の入札は鳶政一家に落ち、会場建設工事が始る中、鳶政一家大切な纒が阿久津の手に渡るという事件が起き、一悶着起こるが、今は工事の方が大事と我慢する鳶政一家。が、阿久津は次々と工事の妨害を行い、放火まで行う。これには勘忍袋の緒を切らし、鳶政の一人息子・明夫は阿久津所に殴り込みを掛けようとする。が、秀次郎がそれを制すると、代わりに殴り込みを掛けた...

任侠映画のパターンをしっかりと踏襲しながらも、本作にはラブ・ロマンスの要素が出ていて、これが独特の世界観を出している。(だからといって、物語がそちらの方に傾いてはおらず、やはり任侠映画である。)クライマックスで秀次郎と共に殴り込みをする風間は、元々は阿久津組の代貸であるが、主人公・秀次郎の親友であり、阿久津組を破門されて秀次郎の助っ人として加わるというのも、任侠映画のパターンをしっかりと受け継いでいて、これという不満は無い。

本作から、前作までの佐伯監督からマキノ監督に監督が交代したが、マキノ監督は独自の色を出し、これによって本シリーズに厚みが出るようになった。次作と第7作でマキノ監督は監督を務めているが、やはり一味違います。

シリーズ全9作の中でも、絶対に見ておきたい1本である。(第5作、第7作のマキノ監督作品は特に見ておきましょう!)

 

昭和残侠伝 血染の唐獅子

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  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: DVD

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