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東京少女・岡本杏理#5「旅の途中 ~後編」 [ドラマ]

今回の物語は前回の続きで、「旅の途中」の後編です。(これで「東京少女・岡本杏理」も終了となりました。)やはり、前後編の物語となると、尺がたっぷりとあるため、じっくりと描くことが可能となり、それだけ物語の方も厚みが増して、いい感じになります。今回はそういうこともあって、内容のある秀作になりました。(遊びの方は前編にたっぷりあって、後編はシリアルな展開となったが、こういうことも前後編だから出来る所でもある。)

放送を見る前に、改めて前編の方を見ておいたのだが、本当にいい感じの物語となりました。ただ、「東京」ということに関しては、台詞の中に「東京に住んでいる」というのがあったが、別に「東京」である必要もなかったですけどね...

また、今回の冒頭部分で、杏理が颯太を塾に連れて行く所で、アゴで颯太に指示をしていたが、「牙狼」の三神官の一人・ベルを演じた岡本杏理だけあって、凄味と貫禄を感じたのだが、それ以外は、中学生らしい感情を上手く出していた物語でした。(まあ、「牙狼」での岡本杏理は、言われたら分かるだろうが、言われなかったらおそらく気づかないでしょうけど...)それにしても、登場人物って、みんながみんないい人ばかりですね。(渡辺千穂さんらしい脚本と言ってしまうことも出来ますけど...)

前後編の物語で、後編となると、冒頭には「前回のあらすじ」が入るのが普通だが、それもなく、いきなり始まりました。それでも尺がもっと欲しいと感じられるほど、内容の詰まった物語でした。

ゲームセンターから杏理によって塾に連れてこられた颯太は、夏期講習を申し込んだ。颯太が申し込むのを見届けた杏理は「ちゃんと申し込んできたんでしょうね。見せて」と言って証拠を求める。(完全に保護者になっている杏理。颯太には角が生えた鬼に見えたでしょうね。)で、受領書を見た杏理は信用する。と同時に颯太が自分と同じ中2と知る。名前を尋ねられると「杏理」と答え、姿を消した。

杏理は再び、目的の家の前で様子を見ていた。宅配便が届き、そこに颯太が帰ってきて荷物を受け取る。が、杏理に気づき、声を掛けた。体裁悪そうな表情を見せた杏理と颯太は、近くの公園に行って話をする。

杏理のことを「怪しい」と言う颯太。颯太は5年前から今の家に住んでいた。杏理は「前にあんたの家に住んでいた」と話し、これに颯太は「うちに来い」と誘う。が、杏理は「家出してきた」と言い、意地悪な継母にいじめられ、父は継母にぞっこん、旅行は合宿に会わせて二人で行く、と言うことを語る。これに颯太は真剣に答え、自分の本当の母は5歳の時に交通事故で亡くなり、継母だということを語る。で、お互いの境遇を知り、2人は共感しあう。「今夜どうするの?」と颯太が尋ねると「困ってるの」と杏理。で、颯太は杏理を自分の部屋に泊めることにした。で、継母に気づかれないように確認して颯太は杏理を自分の部屋に入れた。

颯太が食事に言っている間に、両親と赤ちゃんの自分とのスリー・ショットの写真を見た杏理は、生みの母の様子を目にしようとこっそりと降りてきて、物陰から様子を探る。が、その時、杏理の携帯にメールが届き、着信音が鳴った。慌てて階段を駆け上る杏理。一方、颯太も「階段の所に携帯置きっぱなしだった」と言ってフォローし、杏理を部屋に連れ戻した。

メールは父親からで、それを眺めていた杏理。そこに颯太が戻ってきて、継母に「夜食」と言って作ってもらったおにぎりを持ってきた。で、生みの母の手作りのおにぎりを、感慨深げに味わいながら杏理は口にした。

夜、部屋を抜け出した颯太と杏理は、近くの公園でバスケをしながら話す。(ここにも「銭形愛」に繋がりを感じます。→「・1話」で事件解決後、愛ちゃんと五代さんがこういうシチュエーションになりました。)杏理は母のことを色々と尋ねる。颯太はそれに答えるように語る。再婚してやってきた継母に、父親のことを取られた気になり、馴染めなかった。また、その頃学校でイジメに遭っていたこと、家出は内緒にしていたこと、が、継母が気づき励ましてくれたこと、それで母さんで良いと思ったということを話した。(ここでAパート終了。経過時間は13分半に少し足りない所でした。よってBパートは12分半強になります。)

翌朝、ベッドで寝ている杏理、颯太は床で寝ていた。(まあ、この年だったら変な関係にはならないでしょうと、大人目線で余計な事を考えてしまいました...)継母が起こしにやってくる声を耳にした杏理は、ベッドの影に身を隠す。継母が「ちょっと出掛けてくる」と良いながら部屋に入ってくると、床で寝ている颯太を起こす。立ち上がった颯太は寝ぼけた振りをしてベッドに倒れ込み、杏理が物陰に隠れているのを確かめる。素早く口に指を当てて「しーっ」というポーズをする杏理だった。

継母が出掛けて行くと、杏理も後を追うように出掛けて行こうとする。颯太にお礼を言うと、杏理は飛び出して行って、継母(=生みの母)の後をつけていく。で、ある喫茶店に入って行く母親。

彼女を待っていたのは大島洋子だった。杏理も喫茶店に入り、別の席から2人の様子を伺う。洋子は幸雄と結婚することになったと告る。で、杏理の母親になる前にどうしても佐恵子に会いたかった、と言い、杏理の近況を語る。が「どこか無理している」と感じていた。洋子は覚悟は出来ていたが、そういうことを本当の母である佐恵子に伝えたくて、安心して欲しい、と語る。佐恵子は離婚してから杏理に会って無く、「あの子の母親だなんて言えない。母親失格です」と言い、今は再婚して夫の(連れ)子を育てていることを口にする。そして「子供を産んだら母親だけど、育てなげば母親とは言えない。でも、生んでなくても育てていく内に本当の母親になれると思います」と言う。それを耳にした杏理は、いてもたってもおられなまなり、席を立って喫茶店から出て行った。

杏理は駅に向かったが、駅には颯太がいた。で、颯太に連れられて公園にやってくる。颯太は「話、聞いてやろうと思ったんだ」と言って、杏理の話を聞く。

杏理は先ほど佐恵子が口にしたことを話した。で「それって、私はあの子の母親ではありません、って意味だよね」と言い、ショックを受けていた。で「やっぱ、帰ろう」と口にして立ち上がる。直ぐに颯太が後を追う。

「育てていないと母親じゃないなんてこと、ないと思うけど」と言う颯太。で、本当の母が死ぬまでは毎年誕生日を祝って貰っていたが、死んでからは祝って貰えなかったことを話す。杏理も、プレゼントは貰ってもケーキのロウソクを吹き消したことがない、と返す。颯太は「今の母さんが来てからまた祝って貰えるようになった」と言い、凄く嬉しかったが、死んだ母に申し訳なく思うようになった。が、継母は夏休みの最後の日に毎年ケーキを買ってきた(娘の誕生日が8/31だったため)こと、が、それを見ると明日から新学期でブルーになること、それを目にして会えない娘の誕生日を祝っている継母を見ていると天国の母も一緒に祝ってくれていて、2人の母さんに祝って貰えるように思うようになったことを口にする。それを聞いた杏理の目には涙が浮かんでくる。颯太は「俺、何か変なこと言った?」と尋ねると「言った」と杏理。

杏理を御殿場駅まで送っていった颯太。「じゃあな」「じゃあね」と言葉を交わす2人。が、颯太が「そんだけかよ」と言って杏理を呼び止めた。で「今度遊びに言ってもいい?」と言うと「来れば」と杏理。で、メルアド交換をした2人。

青葉台学園の制服姿に戻り、自宅に帰ってきた杏理。鍵を開けて家に入ると「お帰り」と洋子の声がした。洋子は食事の準備をしていた。「合宿どうだった?」と尋ねる洋子に「いって良かった」と杏理。そして「軽井沢、行かなかったんですか?」と問う。これに「うん」と洋子。そして「ねえ、杏理ちゃん。来年は一緒に行こうね」これに笑顔で「うん」と杏理。

友達とクラリネットの練習をしている杏理。片付けると、家事や買い物に追われることのない、ごく普通の中学生の生活に戻っていた。

佐恵子がケーキを買ってきて、箱を空けると「杏理、お誕生日おめでとう」と口にする。そこに「ただいま」といって颯太が帰ってくる。ケーキを目にした颯太は「明日から学校かよ」と漏らしていた。

夜になって、杏理も自宅に帰ってくる。「ただいま」と言って台所にやってくると、テーブルの上にはろうそく付きのバースデーケーキがあった。で「大きい」と感激していた。父・幸雄が「杏理、お誕生日おめでとう」と言うと、洋子も「おめでとう」と続ける。これに「ありがとう」と返す杏理。で、ごく普通の家族の食事になる。キャスト、スタッフのエンドロールが流れ始め、バックに『ひとりぼっちのランナウェイ』が流れ始める中、誕生日ケーキのロウソクを吹き消す杏理。夢見ていた誕生日を迎えることが出来て、心の底からの笑顔を見せていた。

次回からは、ヒロインが瓜生美咲になります。で、「東京少女・瓜生美咲」の初回の物語は「東京タワー」である。「東京少女」で「東京タワー」とくれば、「68FILMS」の時の中に「東京タワー少女」という物語(豊島圭介監督・脚本、主演は栗田梨子(現在は「石原あつ美」と改名))があり、「ショートフィルム道」の時の「東京少女」(後に「Bitter Sweet」という副題が付いたシリーズ)には、その「東京タワー少女」へのオマージュという形の作品「西東京タワー少女」(村上賢司監督、主演は渡部悠)があったが、これらを思い出すのは当然である。(「恋する日曜日」の2nd.にも「東京タワー」という物語があったが、これは朗読劇だった事もあって、関連するということは無いと思いますけど...)

で、「東京少女・瓜生美咲」の「東京タワー」は、その豊島圭介監督ということで、「西東京タワー少女」はともかく、「東京タワー少女」を何処かで意識した作品になっていることが予想される。(脚本は中江有里さんなので、豊島監督脚本ではないので、物語的な関連ではなく、演出の面においての関連があるものと思われる。)

ところで、次回予告に流れた主題歌だが、夏帆ポンの映画「東京少女」の主題歌の『aitai』ではないですか。当然歌うのは瓜生ちゃんということになるが、こんな形であの曲と再会できることになろうとは思ってもいませんでした。→9/3に「東京少女」のDVDが発売になる(「東京少年」も同時リリース)が、その宣伝も兼ねて、あえてその曲を使ったのでしょうか?映画のイメージがある曲なので、それを使うと言うことになると瓜生ちゃんにとっては一つの試練と言うことにもなるが、それだけ大きな期待が瓜生ちゃんにあるようにも感じます。

また、制服姿も次回予告で見られたが、スカートは確かに青葉台学園のものであるが、リボンの形が違うので、青葉台学園ではないでしょうね。

この後の「BS-iドラマ倶楽部」からのお知らせのバックの風景は、いつもの通り「高速道路と東京タワーを中心としての夕景」でした。

自分と同じ境遇の颯太の存在が杏理の気持ちを和らげてくれたこともあるが、登場人物の全てがみんないい人ばかりということもあって、良い物語に纏まりました。特に、杏理と颯太の関係は、高校生ではなく中学生ならではという所があって、設定を上手く活かしていた所でもありました。(中2だったら、ぎりぎりセーフでしょうが、高校生になると大人目線の考えが浮かんでしまい、変な勘ぐりが先に出てしまう...)

お遊びという所は前編に散りばめられていて、後編は一転してシリアス路線で突き進んだが、前後編を続けて見ると、構成も良く、本当に上手く描かれた物語でした。これだったら、前後編を足して、1時間枠の作品としても、内容のある良い物語として鑑賞に堪えられる作品になるのは間違いない。ただ、民放の1時間枠(=54分枠)だとCM枠の関係で、少しカットしないと入らないという問題がありますね。→いっそのこと、本編だけで70分強(放送は84分(90分枠)になる)に拡大しても良いかも。

岡本杏理も難しい感情表現を起伏に富ませてしっかりと表現していたし、丹羽Pの眼鏡に適う人材だと感じさせてくれました。今後が楽しみですね。→ところで「牙狼」の三神官を演じたあと2人(渡辺けあき、柏幸奈、この2人も岡本杏理と同じスターダスト所属です)はどうしているのでしょうか?名前を聞かないですが...

 

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↓これにも出演している岡本杏理。でも、気づかないかも...

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↓一応、「愛・1話」のおさらいということで...

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