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「丹下左膳」(その9) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローシリーズ・第29弾として記してきた「丹下左膳」シリーズも今回で終わりです。今回は、単発作品として残っている1966年の東映作品の1本についてです。

丹下左膳 飛燕居合斬り」(中村錦之助主演)
作品データを記しておくと、1966年の東映京都の作品であって、時間は91分、原作は林不忘、監督と脚本は五社英雄、撮影は吉田貞次、美術は塚本隆治、音楽は津島利章である。そして出演は、中村錦之助、大友柳太朗、淡路恵子、木村功、入江若葉、丹波哲郎、河津清三郎、藤岡琢也、金子吉延、天津敏、穂高稔、中村錦司、尾形伸之介、波多野博、春日ひろむ、国一太郎、福本清三、織本順吉、江木健二、川路充、人見きよし、横山アウト、春路謙作、佐藤京一、平参平、脇中昭夫、宍戸大全、木谷邦臣、松下次郎、香月涼二、五十嵐義弘、富永佳代子、松本すみ江、牧淳子、疋田圀男、たちである。

8代将軍・吉宗の時代、日光東照宮改修の命が小藩・柳生藩に下される。これは柳生藩を潰そうとする愚楽の陰謀であった。柳生藩主・対馬守は家宝こけ猿の壷に隠されている黄金百万両を使ってその工事を行おうとする。で、対馬守の弟・源三郎がこれを守りながら江戸に向うが、愚楽は蒲生泰軒に命じて源三郎の一行を襲わせる。更に、壷の秘密を知った盗賊・お藤と与吉も争いに加わり、壺の争奪戦が始まる。ひょんなことから壺は乞食のちょび安が手にするが、そこに隻眼隻手・丹下左膳が現れ、壺を奪っていく。源三郎は左膳を追う。盗賊の寺に隠れていた左膳は、ニセの壷を100両で売るが、お藤が本物の壺を持って愚楽の屋敷に行き、お藤と与吉は人質とされ、左膳は危うい所を源三郎に助けられる。で、左膳は源三郎に味方することにした。大茶会の日、寛永寺に乗り込んだ左膳は、そこで真相を暴露するが...

物語はお馴染みの「こけ猿の壺」であり、壺を巡って入り乱れた争奪戦が繰り広げられるということで、娯楽作品としたら、たっぷりと楽しむことが出来る展開で物語が進んで行く。

しかし、中村錦之助の丹下左膳に魅力が無いのが致命傷になり、アクションや展開はよいのだが、今ひとつ物語にかみ合っていない。しかも、本作には、過去に丹下左膳を演じたことのある大友柳太朗と丹波哲郎が出演していることも、中村・左膳にはマイナスの印象を与えている。

本作は、アクションを楽しむ娯楽作品という認識でよろしいかと... で、本作を最後に「丹下左膳」はスクリーンから姿を消すことになり、2004年に、1935年製作の山中貞雄監督の「丹下左膳餘話・百萬両の壷」の完全リメーク作品でスクリーンに蘇ることになる。しかし、本作の低迷ぶりによって銀幕の世界の「丹下左膳」は事実上終焉と言って良いことになった。丹下左膳は戦前に生まれたヒーローであるだけに、ちょっと残念な所もあるが、これも時代なんでしょうね...

 

↓DVDではなくてビデオです。

丹下左膳~飛燕居合斬り~

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: VHS

 

↓原作

丹下左膳〈2〉こけ猿の巻 (光文社時代小説文庫)

丹下左膳〈2〉こけ猿の巻 (光文社時代小説文庫)

  • 作者: 林 不忘
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2004/06
  • メディア: 文庫

↓資料

資料が語る丹下左膳の映画史―大河内伝次郎から豊川悦司まで

資料が語る丹下左膳の映画史―大河内伝次郎から豊川悦司まで

  • 作者: 田中 照禾
  • 出版社/メーカー: 川喜多コーポレーション
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: 単行本


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